見て見ぬふり

見て見ぬふり
2010年8月21日 中日新聞
名古屋本社編集局長・志村清一

 日本で暮らす外国人は日本や日本人をどう思っているのか。月刊「日本語」九月号が約六百人の回答からなるアンケートの結果を載せている。

 「来日前の日本のイメージは」の質問への答えは、なかなかに興味深い。「すし、富士山、新幹線」(英国・女)「治安がいい」(台湾・女)「ソニー、任天堂、トヨタなどテクノロジーの国」(コンゴ・男)

 そんな日本のイメージは来日後に変わったか? 長期化している不況を挙げる人が多い。「豊かだと思っていたけれど、実際は不景気でアルバイトを探すのが難しい」(中国・女)。経済的貧困のしわ寄せを最も受けるのが、日本で暮らす外国人ということだろうか。

 炎暑の今夏、熱中症による死者の急増とともに降ってわいたような騒動となった所在不明高齢者の急増も根底にワーキングプアの問題がある。非正規労働者や非婚者が将来の所在不明高齢者の予備軍になっているのが実情である。そして私たちは貧困の問題に鈍感ではなかったか。

 鈍感さの一例に最低賃金と生活保護の「逆転現象」がある。最低賃金で働くよりも、生活保護を受けた方が収入が高いという皮肉な現象である。厚労省の調査では、十二都道府県(中部地方の県は含まれず)で、生活保護費を時給に換算した額より最低賃金が低い。

 政府や地方自治団体は、この現象に気づいていても何もしなかったらしい。最低賃金法では、逆転現象の是正が定められているにもかかわらず、「見て見ぬふり」をしたわけである。

 日本で暮らす外国人のアンケートを読んで恥ずかしくなった項目がある。「日本に来て驚いたこと」の回答で「コンビニで成人雑誌を買うことができる」。一度、コンビニ会社の経営者たちはのぞいてみるがいい。「見て見ぬふり」はできまい。



・話題がホイホイと変わるコラムである。外国人がここがおかしい日本人と感じるのは多分に文化ギャップだろう。コンビニで成人雑誌も買えるが、各種の支払いやチケット購入、無料トイレに熱水まで用意してあるのが日本の文化なんだろう。貧困の問題に鈍感で見て見ぬふりをしているわけではなく、経済的な困窮は国民の多くが感じていることだし、政権交代の大きな原動力なった。大手新聞の記者は年俸が凄いらしいから、貧困とは無関係なのかもしれないね。
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