NHKスペシャル “テロリスト”と呼ばれて

“テロリスト”と呼ばれて
2010年9月12日 総合テレビ

9.11同時多発テロ事件から9年―。「テロとの戦い」を掲げたアメリカは、テロを力で抑え込もうとキューバの米軍基地内にグアンタナモ収容所を設置。テロリストの疑いありと判断した人物を次々と拘束し、700人をこえるイスラム教徒を収容してきた。しかし、グアンタナモで行われた拷問に近い取り調べや、法的根拠の乏しい無期限の拘束は、逆に、アメリカに対するイスラム社会の憎悪を一層深めたにすぎなかった。

去年就任したオバマ大統領は、その負の連鎖を断ち切るため、グアンタナモを1年以内に閉鎖すると決定。閉鎖こそが、失墜したアメリカの威信を回復し、国家の安全につながるとした。しかし、新たなテロ未遂事件が起こるたびにアメリカ国内の反対論が高まり、期限が過ぎた今も閉鎖に至っていない。

アメリカに“テロリスト”とレッテルを貼られたグアンタナモの元収容者たち。彼らの証言を通して、今なおテロの封じ込めに苦悩するアメリカの姿を描く。



・NHKドキュメンタリーでは海外報告も多い。取材対象者が日本のメディアということで、比較的応じてくれる場面が多い。今回も取材国では放送されることないことで取材に応じてくれた人がいる。

グアンタナモ収容所は囚人虐待で有名になっているが、そもそも超法規的に疑いあるものを収容するという人権そのものもない施設である。人権にうるさい米国でさえも9.11以降はあいまいな判断基準で収容を続けていた。今回の番組は、収容所に収容されて解放された人たちのその後を追うことで、テロとの闘いの一側面を追っている。

収容された人たちは解放後も母国では受け入れないという現実があるようで、一部は政治難民扱いで知らない国で過ごさざるを得ないという。拘束された理由も、きちんとした容疑ではなくアフガニスタンなどにいたということだけということで全くデタラメである。一度テロリストとの疑いをかけられるだけで人生が変わってしまうのが現実なのだろう。

そして、収容所に入れられて容疑が晴れても帰国してから人間が変わり、本当にテロ組織とつながりを持ち自爆テロをして死んだ囚人の例を挙げていた。はっきりと言って、誰でも意味なく何年間も政治収容所に監禁され、罵声と拷問の中で過ごせば精神を病んでもおかしくはないし、人間はそれほどタフではないのだ。

それでも米国では自由や人権に関して良識ある人たちもいることが救いなのだが、テロとの闘いという動きは対処の仕方が定まらない。なぜなら見えない恐怖を煽っていくことだからだ。それが為政者の狙いなのだ。

9.11に対してはイスラム過激派のテロであったのかどうかに疑問を持つ人は多い。米国という国は、過去に現職大統領さえも暗殺するほどの力が働く国である。国を存立させるには何でもしかねない。2700人くらいが犠牲になっても、それで政権が安定し軍産複合体が儲かればよいと考える。テロとの闘いとは無限に続く軍備再生状況を作りコストを負担し敵を作り上げることで内政を安定させる意味がある。それが米国の一面であることは理解したい。
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