「羊飼い」と「羊たち」の関係

「羊飼い」と「羊たち」の関係
2009年02月13日 ウィーン発 『コンフィデンシャル』

 当方は先月、「オーストリアで昨年度、ローマカトリック教会脱会者数が増加した」と報じたばかりだが、リンツ教区のワーグナー神父の補佐司教任命が今月初めに明らかになると、教会に背を向ける信者たちがオーストリア全土で増加してきた。同国日刊紙が11日付で一斉に報じた内容だ。
 ワーグナー神父(54)の補佐司教任命についてはこの欄でも紹介した。同神父は、世界の子供たちを虜にしているハリー・ポーターの本を「悪魔の業だ」と一蹴し、ハリケーン・カトリーナ(2005年8月)が米国東部のルイジアナ州ニューオリンズ市を襲い、多くの犠牲者を出したことについて、「同市の5カ所の中絶病院とナイトクラブが破壊されたのは偶然ではないだろう」と述べ、「神の天罰が下された」と宣言して憚らないカトリック根本主義者だ。最近では、「同性愛者は病人だ。治療できる」と語り、大きな波紋を投じている。
 同神父の補佐司教任命について、教区の信者たちばかりか聖職者の中からも「理解できない」「教会を分裂させる人事だ」といった批判が飛び出してきた。平信者たちの教会刷新運動「わたしたちは教会」は信者たちに教会税の支払い拒否を呼びかけているほどだ。
 例えば、リンツ市のオーバーエスタライヒ州では先週1週間だけで110人のカトリック信者が脱会。ウィーン大司教区では今年に入り既に1582人が脱会している、といった具合だ。
 注目すべき点は、信者たちの反応が予想以上に早いことだ。教会脱会は多くの信者にとって決して容易なことではなく、長く悩んだ末に決定する、というのがこれまでのパターンだった。それがインターネット時代の今日、聖職者の性スキャンダル事件が暴露されると、その翌日から信者たちの教会脱会が急増する、といった状況だ。
 羊飼い(聖職者)が問題の対応で手間取っていると、牧場(教会)に羊たち(信者たち)が1匹(1人)もいなくなるのではないか、といった懸念も考えられるほどだ。



・カトリック根本主義、そんな表現もあるのか…

天罰発言は、ほとんどビョーキ発言に聞こえる。確かに中絶に対してはカトリックは厳しい態度で臨んでいると思うが、ハリケーンとは関係ないだろう。記事にあるように、熟考して止めるのではなく発作的に脱会ということにもなりえる。バチカンは、綱紀粛正で信者をつなぎ止めようとするだろうが現実が先に行っているようだ。
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