両親入信の宗教団体を捜索 乳児死亡事件で福岡県警

両親入信の宗教団体を捜索 乳児死亡事件で福岡県警
2010年1月14日 共同通信社

 福岡市で昨年10月、低体重でアトピー性皮膚炎の乳児に手かざしによる「浄霊」をし、病院での治療を受けさせずに死なせたとして殺人容疑で父高月秀雄(たかつき・ひでお)容疑者(32)と母邦子(くにこ)容疑者(30)が逮捕された事件で、福岡県警は14日、2人が入信し、職員として勤務する福岡市東区の宗教団体「新健康協会」総本部を関係先として家宅捜索した。

 県警によると、死亡したのは両容疑者の長男嘉彦(よしひこ)ちゃん=当時(7カ月)=で、両容疑者は「手をかざせば治ると思っていた」と供述。秀雄容疑者は小学生の時から、邦子容疑者も中学時代からの熱心な信者で、両容疑者の親も信者だった。

 ほかの複数の信者も嘉彦ちゃんに手かざしをしていたといい、県警は教義の内容や、死亡までの経緯の把握を進める。

 新健康協会のホームページや捜査関係者によると、同協会は九州をはじめ北海道や関東、関西地方などに支部など70カ所以上の関連施設があり、約1万人の信者がいる。

 一方、保健師らが市の家庭訪問事業で、両容疑者の自宅を2回訪ねながら嘉彦ちゃんと会えず、体重減少などの異常を把握できていなかったことも判明。親が子どもに治療を受けさせない「医療ネグレクト」は身体的虐待と比べ周囲が気付きにくく、ハイリスク家庭の把握には訪問事業が重要な機会で、今後に課題を残した格好だ。

 福岡市によると昨年5月、乳児がいる家庭の育児相談のため民生委員が訪問。邦子容疑者から「赤ちゃんが泣いていて手が離せない」と断られ、嘉彦ちゃんの様子を確認できなかった。同9月には、嘉彦ちゃんが4カ月健診を受けていなかったため保健師が訪問したが留守だった。市の担当者は「結果として見逃してしまったことは残念」としている。



・医療ネグレクト

自然治癒力を信じる人たちが大勢いるし、中には宗教的癒しを求める人たちがいる。現代医療に対する批判も含んでいるとしても、急性期の治療には自然治癒力は期待薄なところがある。他の事案でも問題になっているのは、自分自身で判断できない15歳未満の信者・信者の子どもに対する危機介入である。記事のように、行政が気づく機会がなければ近所の通報で知ることしかないだろう。また、通常のネグレクトと違い暴行や育児放棄をしているわけではない。医療行為に関しては、手かざしに重きを置いたのだろう。両親は信じて真剣に手かざしをしたに違いないが、結果として子どもを死亡させてしまった。問題は、刑事罰いかんではなく宗教と科学・医療の立ち位置を信者本人が自分の頭で考えることに尽きるだろう。

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