介護主夫始末記:大量死時代の道標、「送骨」と終活支援

† 日本の大きな転換期に生きている私たちは急速な少子高齢化を直に体験しつつある。都市部まで高齢者が溢れいる。これから20年間が勝負となり、介護難民・認知症難民で社会問題がより先鋭化する。それを乗り切るには財産があるかないかということに尽きてしまい、血縁関係などはまったく役に立たなくなっていく。そこで起きるのが葬送文化の大転換である。このブログで報じた時間だけでも、自由という名前で従来の家族血縁を中心にしたものが崩壊過程にある。それは新しい文化創造ともいえる。より簡素に費用負担の少ない、中身のないものに変容していくのだろう。

‡ 以下の送骨だが、書かれているように孤独死した人が火葬されるまでの諸手続きは誰かが代行しないといけない。それを民間NPOが高価な費用で請け負うことが多いが、ここにきて横須賀市が市役所の事業として終活支援を開始した。こうした流れは各地で加速すると予想される。もし身寄りのない遺体があれば市役所が担当するが、その負担を大きく軽減する意味でも事前に支援事業で同意をとっておくことが楽なのだろう。この担当が福祉部 生活福祉課という生活保護+不明死亡者担当であることからも狙いはハッキリしている。福祉部 高齢福祉課、福祉総務課でも市民部 地域コミュニティ支援課でもないことから明らかだろう。


送骨.com  http://xn--w83au3s.com/

横須賀市「エンディングプラン・サポート事業」 横須賀市役所
http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/3040/nagekomi/20150619.html

遺骨が宅配便で送られる…“送骨”の現場でみた無縁社会の「終活」とは!?
2015年06月16日 dot.

 「送骨」という言葉をご存じだろうか? 宅配便で寺に遺骨を送り、供養や埋葬してもらうシステムである。富山県高岡市にある日蓮宗大法寺が始め、追随する寺や霊園、企業などが増えて、ネット上には「送骨.com」というホームページもある。無縁仏を弔う手段として広まりつつあるが、現実はそう簡単ではない。死後、火葬するための手続きさえ滞るケースもあるらしい。「無縁社会」の深淵をのぞいてみた。

 大法寺の栗原啓允住職は「送骨」を受け入れるようになった経緯をこう話す。

「首都圏の行政担当者や団地の管理者、葬儀社から『檀家さんの縁者』という方の遺骨を引き取ってほしいとの依頼が届くようになりました。『うちが断ったらどうなるのか?』と聞くと、『廃棄する』とのこと。そこで、放っておけなくなったのです」

 2006年に墓を継承する家族がいない檀家のために合祀墓を設け、07年にはNPO法人「道しるべの会」を立ち上げた。遺骨を引き受けるだけではなく、高齢者の施設入所や「終活」を支援するようになったという。

 都市部はもちろん、地方でも血縁者とのつながりは薄くなりつつある。少子化で跡継ぎがいない、子はいるが海外在住である、おいやめいはいるが頼みにくい、墓はあっても夫と同じ墓に入りたくない……などの理由が挙げられる。また、墓があり、子がいても維持管理が難しいため「墓じまい」を希望する人も増えている現状がある。

 送られてきた遺骨はどこで供養されるのか? 栗原住職が墓地の一角にある納骨堂「寂照」へ案内してくれた。届いた遺骨は祭壇にまつられ、読経をして供養される。供養が終わると袋に入れられ、埋葬されていく。また、「寂照」内の壁際には扉付きのロッカーが並んでおり、細かく仕切られたスペースに骨壺を安置できる。

 また、境内には永代供養のための納骨堂として「慧明」と「瑞光会館」という施設もある。「瑞光会館」は遺骨を入れるスペースが大きく、扉に装飾が施され、高級感がある。仏壇型ロッカーとでもいおうか。石で造った墓を「一戸建て」とするなら、納骨堂は故人を集めて供養する「集合住宅」ということになる。いずれも、「娘が嫁に出たので墓守がいない」などの理由から希望する人が多いそうだ。

■「送骨」の現状は? 

 2010年代以降、身寄りのない高齢者の孤独死が社会問題として取り上げられるようになり、埋葬する墓のない遺骨が大法寺には次々と届いている。栗原住職も知らないうちに、「送骨.com」なるホームページが立ち上がり、「送骨を受け付けるお寺一覧」として16の寺・霊園などの情報が並んでいる。価格は1万9440円から9万円までで、表記がない団体もある。一見すると最安値を競うネット販売のような印象を与えかねない。しかし、「少ない負担で遺骨を供養してほしい」というニーズは多いのだ。

「『送骨』は大法寺の専売特許ではありませんので、まねをしてくださって結構。われわれのできることは限りがあります。全国で同じような取り組みをしてくださる寺が増えることは当然の流れかもしれませんね」

 栗原住職が痛切に思うのは、孤独死や「送骨」が“悲惨の極み”ではないということである。

「お骨にする段階で手続きができない場合があります。死亡届は自宅で亡くなった場合、親族か同居者が出すでしょう。医療機関や介護施設、賃貸物件ならば、その施設の管理者や代表者が手続きをすることができます。しかし、自宅で孤独死した場合、親族や同居者が不在ですと、われわれが運営するNPO法人では代行できません」

 次のようなケースが考えられる。親族はいても絶縁状態で、双方ともかかわりを拒絶していたり、認知症や精神性の疾患を抱えていたりすると、死亡届や遺体の火葬や埋葬の許可申請ができないのである。一連の業務を法律の専門家に委託する経済力がなく、介護施設などに入っておらず、持ち家があるため生活保護も受けられない……。終活の質は、金と縁に左右されるが、その両方を築くことができないまま死を迎える人がいるのだ。

「この記事を読んだだれかが、『大法寺にお願いしたい』と思うかもしれません。でも遺骨になってから歩いて行くわけにはいかない。死亡した後、火葬して遺骨になるまでの手続きをだれに託すのでしょう。お金を払って専門家に頼むか? 生前に縁を築いておいてお願いするか? 元気なうちから準備をしておいてください」

 死に方は選べないが、生き方は、きょうからでも変えられる……ということだろう。

(ライター・若林朋子)



葬儀や納骨 生前に望む形を 横須賀市が「終活」支援
2015年6月25日 東京新聞

 身寄りがなく、資産や収入の少ないお年寄りの「終活」の手助けをしようと、横須賀市は七月一日から「エンディングプラン・サポート事業」を始める。生前に葬儀や納骨先、死亡届人、延命治療の意思を決め、登録しておく制度。市は「同様の事業を行う民間組織はあるが、最期まで安心して暮らせるよう自治体として対応する必要がある。県内で初の取り組みで、全国でも珍しいのでは」と話す。 (中沢佳子)

 市によると、市内の独り暮らしのお年寄りは、およそ一万人。身元がはっきりしていながら引き取り手のない遺体は、年間五十体に上るという。市の担当者は「民生委員などから、独り暮らしの高齢者の終活について相談が増えている」としている。

 事業の対象は、資産がおおむね百万円以下で、生活保護受給額を基に算出した収入が十六万~十八万円以下の身寄りのないお年寄り。市内では千人以上が対象になると見込んでいる。

 市の窓口に相談すると、市が紹介する協力葬儀社(現在七社)から希望する社を選択。生前契約を交わしてあらかじめ葬儀代を支払った後、市が終活の支援プランを立てる。その際、緩和ケアや延命治療の希望の有無、葬儀社名、緊急連絡先を記した登録カードを発行。携帯してもらい、いざという時に医療機関や救急隊などがカードを確認して、葬儀社や市に連絡できるようにする。

 本人の希望があれば、定期的に訪問して安否確認もする。死亡した場合は、市の担当者が葬儀や納骨を見届け、納骨先情報を保管する。

 相談の受け付けは、平日午前九~十一時と午後一~四時。問い合わせは、市生活福祉課自立支援担当=電046(822)8070=へ。


関連記事
スポンサーサイト

コメント


トラックバック

↑