「小さなお葬式」はネット注文で…追加料金なしの明朗会計で急成長

「小さなお葬式」はネット注文で…追加料金なしの明朗会計で急成長
2015年6月1日 産経新聞

 インターネットで販売する定額、低料金の葬儀「小さなお葬式」を全国展開するユニクエスト・オンライン(大阪市北区)が業績を伸ばしている。追加料金を請求しない明朗会計や通夜を省略する大胆なプランなどが人気だ。昨秋には安心な料金プランのノウハウを生かし、結婚式事業に進出した。(栗井裕美子)

 ◆独自に相場調査

 同社は田中智也社長が平成18年に起業。多くの追加料金を求められる葬儀費用に疑問を抱いたのが、きっかけだ。葬儀の会場や参列人数などに応じて葬儀費用を自動で見積もりできるソフトを開発し、価格順に葬儀社がリストアップされる専用サイト「葬儀本ドットコム」の運営を始めた。

 ところが、検索結果によって同じサービス内容でも葬儀社間の価格差が大きいことが分かり、顧客から「どの葬儀社を選べばいいのか分からない」と問い合わせが寄せられた。同社は「会場の使用料やひつぎの買い取り料などの相場価格が存在しないのが原因」としてひつぎや花などの卸業者に聞き取りを重ね、独自に設定した相場価格を基に定額制プラン「小さなお葬式」を開発。同社がネット販売し、提携先の葬儀社に委託して葬儀を執り行う業界初のビジネスモデルを構築した。

 ◆通夜なしプラン

 通夜、告別式、火葬をセットにしたスタンダードなプラン「小さな家族葬」(49万3千円)、同じ内容で100人までの参列者に対応する「100名までのお葬式」(64万3千円)のほか、通夜を省いた「小さな一日葬」(34万3千円)や、火葬のみの「小さな火葬式」(19万3千円)を販売している。

 日本消費者協会が26年に発表した業界平均(約122万円)に比べ、割安に料金を抑えた。戒名といった寺院関連の手配料などのオプションメニューのほかは、追加料金がかからない明朗会計を徹底。質素な葬儀を求める顧客ニーズに合わせた商品が人気を集める。

 40~60代の問い合わせが多く、利用者からは「表示価格はすべて込みの金額だったので助かった」「追加料金がなく、明確」などの声が寄せられているという。サービスを開始した21年は約5千件を販売し、25年に1万4千件に達した。

 ◆ブライダル進出

 さらに生前に葬儀などの準備を整える「終活」が広まっていることを受け、同社は26年3月、早く購入するほど葬儀費用が安くなる「早割チケット」の販売を始めた。チケットは1枚500円で、購入後31日目以降の3年間、「小さな家族葬」の場合で最大5万円を割り引く。3年の有効期限が過ぎれば、チケットを改めて買い直す仕組みだ。

 販売開始から1年で約5千枚が売れた。今年4月から全国の大手コンビニエンスストアの専用端末で支払いできるようにした。

 これらのノウハウを生かし同社は26年11月、結婚式事業に進出。式場やホテルと提携し、日取りが申し込みから4~2カ月以内の場合は割り引くサービスをブライダル業界で初めて導入したという。式場や宴会場などに空きがある日が間近に迫っている場合、そのまま埋まらない可能性が大きいため、割引の優遇策によって“駆け込み”の利用申し込みを掘り起こす狙いで、申し込みから2カ月以内の挙式が最大の割引となる。

 挙式のみの「挙式プラン」(9万8千円)、披露宴をセットにした「披露宴プラン」(64万8千円)、食事会をセットにした「会食プラン」(19万8千円)がそれぞれの最安値だ。

 同社の田中社長は「不明朗な葬儀価格を明確にするという社会的役割を追求してビジネスモデルを構築した。予算的にも安心して冠婚葬祭に臨んでいただければ」と話している。


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