全米で同性婚“合法化”へ 米連邦最高裁が判断

全米で同性婚“合法化”へ 米連邦最高裁が判断
2015年6月27日 NHK

アメリカの連邦最高裁判所は、男性どうしや女性どうしが結婚する同性婚をすべての州で認める判断を示しました。全米で同性婚が事実上、合法化されることになります。

アメリカでは、全米50州のうち37の州と首都ワシントンで同性婚が認められる一方、中西部オハイオ州など4つの州を管轄する連邦高等裁判所は、去年11月、同性婚を認めない判断を示しました。
同性婚の是非に対する司法の判断が州で分かれたことから、連邦最高裁判所が審理を進めてきましたが、26日、すべての州で同性婚を認める判断を示しました。

この判断は、9人の判事のうち5人が支持したもので、多数派の代表の判事は、判決文で「ある州で認められた結婚が別の州で否定されることは、当惑や苦悩を与える」と指摘したうえで「同性愛者が求めているのは法の下での平等な尊厳だ。憲法は同性愛者にその権利を与える」と記しました。

アメリカでは、同性婚の是非を巡って長年、世論を二分する議論となってきましたが、今回の判決で同性婚が事実上合法化されることになり、同性婚の支持派は「歴史的な勝利」と今回の判決を喜んでいます。

大統領が声明「アメリカにとって勝利」
アメリカの連邦最高裁判所が、男性どうしや女性どうしが結婚する同性婚をすべての州で認める判断を示したことについて、オバマ大統領は26日、ホワイトハウスで声明を発表しました。この中で、オバマ大統領は、「すべての人たちが、誰を愛しているのか問われること無く、平等に扱われるべきだと再確認された。自分たちが結婚できるのかどうか、多くの同性愛者が、不確かな状況におかれてきたがこれで終止符が打たれる。同性愛者や支援者、そしてアメリカにとっての勝利だ」と述べ、歓迎しました。

また、与党・民主党の大統領候補ヒラリー・クリントン前国務長官も、「この歴史的な勝利を祝えることを誇りに思っている」と評価するなど、民主党側からは歓迎する声が相次いでいます。

一方で、同性婚に反対する人が多い野党・共和党では、大統領候補のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事が、「私は伝統的な結婚を支持している。連邦最高裁判所は、それぞれの州に判断を委ねるべきだ」とする声明を出しました。また、共和党のベイナー下院議員も、「失望している。結婚は、男性と女性との間での神聖な誓いのもとで、行われるべきだ」として、キリスト教の教えや伝統的な価値観などを重視する保守派を中心に反発の声が上がっています。

オバマ大統領は、みずからの政権発足時には、同性婚は全米で2つの州しか、認められていなかったとしており、今後、すべての州で同性婚が認められることについて、みずからの実績だとして、強調するものとみられます。

変化する世論 著名人も告白
アメリカで男性どうしや女性どうしで結婚する同性婚に対する世論は、過去およそ20年間で大きく変化してきました。

世論調査会社「ピュー・リサーチセンター」によりますと、2001年、同性婚を法律で認めることについて、賛成すると答えた人は35%、反対すると答えた人は57%で反対が賛成を大きく上回っていました。その後、賛成する人たちが徐々に増加し、2011年、賛成が46%、反対が45%で初めて賛成が反対を上回ります。そして、ことし5月の調査では、賛成が57%、反対が39%と、賛成が多数となり、2001年の調査と比べて賛成と反対の数が逆転する形となっています。

党別では、民主党支持者の65%が同性婚に賛成すると答えたのに対し、共和党支持者では賛成が34%にとどまるなど、民主党と共和党の支持者の間で大きな開きがある一方、「同性婚が全米で認められるのは避けられない」と答えた人は、どちらの党の支持者でもそれぞれ72%を占め、共和党支持者の間にも同性婚を取り巻く状況に対し一定の理解があることがうかがえます。

アメリカの著名人も、次々にみずからが同性愛者であることを明らかにしています。CNNテレビのキャスター、アンダーソン・クーパーさんは、2012年、同性愛者であることを告白しました。また、俳優のジョディ・フォスターさんは、おととし、ゴールデングローブ賞の授賞式で同性愛者であることを公表し、去年、女性のパートナーと結婚したことが明らかになりました。アメリカの四大スポーツのひとつ、プロバスケットボールNBAでは、おととし、ジェイソン・コリンズ選手が四大スポーツの現役選手としては初めて、同性愛者であることを告白し大きな注目を集めました。さらに、去年10月には、IT企業アップルのティム・クックCEO=最高経営責任者が、「ゲイであることに誇りを持っている」として同性愛者であることを告白するなど、さまざまな分野で活躍する著名人による公表は、アメリカで同性婚を容認する雰囲気を広げていきました。

法律で同性婚認める 約20か国
同性婚を法律で認めているのは世界でおよそ20か国に上ります。このうちアイルランドでは、先月、同性どうしの結婚を認める憲法の改正案への賛否を問う世界で初めての国民投票が行われ、その結果62%の賛成で改正が認められました。アイルランドは、国民の多数がカトリック教徒で、教義が憲法に反映されて同性愛は犯罪だとされてきました。しかし、同性どうしの結婚を盛り込む憲法の改正案は、若者を中心に賛成への動きが広がり、首相も支持を表明するなど、伝統的な家族観への変化が見られています。

イギリスでも、イングランドとウェールズでおととし7月、同性婚を認める法律が成立したのに続いて、スコットランドでも去年2月、同性婚を認める法案が議会で可決されました。法律の成立を受けて、イギリスで人気歌手のエルトン・ジョンさんは、去年12月、同性のパートナーと正式に結婚し結婚式を挙げました。

ヨーロッパではこのほか、フランスやフィンランド、それにデンマークやポルトガルなどで同性婚が認められており、同性婚を合法化する動きが広がっています。

ヨーロッパ以外で同性婚を法律で認めているのは、ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン、ニュージーランド、南アフリカ、カナダで、これらの国をすべて合わせるとおよそ20か国に上ります。


・歴史的な決断となる。米国以外でも合法化する動きが広がりつつある。

宗教界に与える影響は大きく、今後の対応が注目されることなる。

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