NHKこころの時代 福島を支えるということ。(安斎育郎)

こころの時代 シリーズ 私にとっての“3.11”「福島を支えるということ。」
2015年6月7日 Eテレ

安斎育郎さんは放射線防護学者。毎月福島に通って放射線を測定、子どもたちのため安全な散歩道を探し、自らスコップを振るって除染するなどボランティア活動を続けている。

放射線防護学者の安斎育郎さん75歳は、原発事故の後、毎月福島に通って住民を支えるボランティア活動を続けている。「反原発を主張する異色の原子力研究者」として知られる存在だったが、原発事故が現実のものになると、専門家として事故を食い止められなかった責任を痛感。住民の安全を確保するため除染などに取り組んできた。原子力の未来を夢みた若い時代から、次第に危険性に気づく過程、現在の思いなどを聞く。

【出演】放射線防護学者、立命館大学名誉教授、安斎育郎


・安斎先生は東京大学原子力工学科第一期生。専門は放射線防護学。

こころの時代ではシリーズとして著名な方々の活動を取り上げている。今回は福島での除染活動の様子が多く、安斎先生発言はかなりマイルドな感じになっていた(編集されていた!?)。

安斎先生が語ったように、「信」が崩れた。電力会社、政府、専門家、マスコミという今まで安全を担保していた言説がおよそ嘘であったということ。その信頼崩壊が、今後とも社会を混乱させていく。

安斎先生らが現在福島で行っている除染活動も、原子力に少なくとも関わってきたものとしての反省であるとし、愚直な努力しか信頼を回復する術はないという。批判的な学者でさえこのような思いを抱いていることと、体制側にあった学者らは、そうした努力をしているのだろうかと問われれるだろう。

安斎先生も語っていたように、誰も答えを持っていないからこそ、それぞれの立場で福島の汚染濃度を減らす努力をすること。それは原発推進派だろうが反対派だろうがすべきことというのは正論。

電気の恩恵を受ける私たち世代の意思決定だけで、管理が困難で危険な放射性廃棄物を今後とも産み出し続けてよいものだろうか、その答えは難しい。それも原発から遠く、中間貯蔵施設からも程遠い私が何かを言える立場にはない。

安斎先生は、経歴を見れば分かるが東大助手として長年干されていた。こうした学者は何人かいる。この道に進むきっかけは、大学時代にネズミに致死量の放射線を浴びさせて、どのように死んでいくかや臓器解剖から影響を知るという授業の実験であったという。

放射線が管理されて閉じ込められることが完全にできるならば外界に対する影響はないだろうが、一端事故があった時にはどうなるのか、そのような当たり前の議論が海外ではあった。日本では原発は絶対に安全であるという神話に思考停止していた。

今では絶対に安全などと言うバカげた主張をする人はいなくなったが、それでも安全は確保されるだろうという期待から技術を信頼するしかないという。福島原発の事故で、首都圏壊滅という事態も予想されたほどの過酷事故だったが、壊滅的な事態まで進行しなかったのは幸運だったというだけのこと。

安斎先生は、オカルト批判の著書多数で、こちらの方の著作を持っている。それは私の関心である騙す・騙されるという心理と科学の裏付けを導く、数少ない専門家の一人ということがいえる。

反体制の学者という評価も間違いではないだろうが、筋の通った真面目な学者らしい学者ということだろう。精悍で眼光鋭く、切れのよい思考をみると、こうした学者が科学・技術をリードすれば日本は大きく変わったことだろと感じる。

東日本大震災による原発事故だが、すでに脳裏から離れていく。現在、安全保障問題という難題があって国民不在のところで着々と実績が作られていく。歴史を直視できず学べない日本人は致命的だ。この番組で実はもっと過激な発言があったのではないかと推測するが、今のNHKではそれを放送する勇気はないかもしれない。

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