「墓じまい」自分の代で 少子高齢で維持困難、無縁墓も増加

「墓じまい」自分の代で 少子高齢で維持困難、無縁墓も増加
2015年5月3日 神戸新聞

 少子高齢化による後継者の不在などで、墓を撤去し、寺などに遺骨の管理を任せる永代供養に切り替える動きが広がっている。「閉眼」「お性根(しょうね)抜き」などの法要から撤去までを総称する「墓じまい」という言葉も浸透。時代の流れと言えるが、「墓の文化が廃れていくのは寂しい」との声も聞こえる。(黒川裕生)

 神戸市兵庫区の井上元子さん(71)は昨年10月、両親と父方の祖父母、2人の兄が眠る同市須磨区の墓を処分した。立つのは長い階段のある傾斜地。年を重ねるごとに「しんどい」「来られるのはこれで最後かも」と思い悩んだ末の決断だった。

 夫の幸一(ゆきかず)さん(77)との間には一人娘がいるが、とうに嫁いで墓を継ぐ人はいない。元子さんは姉(75)と相談して、元気なうちに墓じまいすることを決意。同区にある菩提(ぼだい)寺の住職に墓前で読経してもらい、同寺の納骨堂に遺骨を納めた。墓の撤去も含め約20万円かかった。

 「昔は墓がないと恥ずかしいと思われたが、魂を大切にしていれば形にこだわる必要はない。肩の荷が下りました」

 「閉眼法要は、ここ4~5年で目に見えて増えてきた」と語るのは、7年前に納骨堂を設けた瑞龍寺(同市兵庫区)の矢坂誠徳(せいとく)住職(63)。2012年に10件余りだったが翌13年には30件を超え、14年も40件以上。「子や孫に墓の管理を任せるのは申し訳ない」「遠方で墓参りが難しい」などの理由で処分する人が多いという。

 一方で管理費などが要らない納骨堂の人気は高く、約千のうちすでに約800が埋まった。「墓の時代は終わったとすら感じる」

 市営の鵯越墓園(同市北区)などに約8万区画を備える神戸市によると、墓じまいして区画が市に返還される数は10年度の275件から微増傾向が続き、14年度は324件。同時に急増しているのが、管理者の死亡などで使用料が払われない「無縁墓」だ。立て札などで親族に連絡を呼び掛けるが反応は鈍く、雑木が生い茂るなど荒れ放題になった区画が点在する。同市斎園管理課は「中途半端に残されるのが一番困る」とこぼす。

 墓石の処分を担うのは石材店。新たな商機と見て広告で打ち出す店もあるが、中野石材(同市須磨区)の中野隆司社長(71)は「心を込めて作った墓石をつぶすのは商売抜きで悲しい」と漏らす。維持できない事情に理解を示しつつ、「先祖供養が死語にならないよう願うばかり」と話す。


・以前の記事に次いでダブルショックかな。

「墓じまい」なんて言葉が出てしまった。墓の時代は終わった、先祖供養は死語に!?

葬送文化が瓦解する理由が少子高齢化なのかというと違うだろう。それはモノ・人を大事にしない時代に、過去の遺産を継ぐ意志のない私たちの姿だといえる。

そこで失われていくものは人間の営みであり、受け継いだ心である。

個人的には、供養する心が大事で物理的な墓や儀式が大事でないことは明らかだが、供養する空間が実は自分や家族を振り返る時間でもある。墓参りに意味は、その工程における気づきにあろう。

墓不足の中国で価格急騰、A4サイズで160万円 – TBS News
2015年04月06日
 都市部では墓地が不足していて、中国の人たちはお墓の価格急騰に頭を抱えています。例えば、上海ではA4サイズの面積の小さなお墓がなんと160万円になってしまいました。中国政府は、海への散骨を促進する異例の政策を打ち出しました。


先月の報道では、中国のお墓事情を伝えた。わずかA4サイズの土地にしてである。散骨は人気がなく、やはりお墓を持つことがステータスなのが都市部の状況だそうだ。

最近、テレビ東京系番組でリサイクル業者のものを見ていた。お墓が粉々にされて道路の舗装材などになっている。これにも費用がかかる。以下の記事とも符合する。

管理されていない墓が目立つようになっており、勝手に手を出すことは誰にもできない。急速に消えていくものを止めることはできないのだろうか。それが自然の理なのか。


長年放置された無縁墓はリサイクルされている
2015年4月22日 マイナビスチューデント

日本人は信仰心が深いと言われている。先祖代々の墓を守り、お彼岸、お盆、正月と年に平均3回は墓参りに行くとされていた。しかし、近年核家族がどんどん進み、全国的に無縁墓が増えているという。無縁墓とは、長年誰もお参りにこないお墓のことで、持ち主もわからず、荒れ果てて、近隣住人や、自治体は困っている。

行政が動き出したところもあるが、費用もかかる上に手続きが必要で、なかなか進まない。

「ちちんぷい」(関西テレビ)では、無縁墓はどうなるのかを追った。長年放置された無縁墓は、まず骨を取り出して、その骨は合同墓に入れられるそうだ。そして、墓石はリサイクルセンターへと運ばれ、建築廃材になり重機を使って粉々に粉砕。

その後は砂利の建築資材として再利用され、駐車場などの土台として使われるそうだ。和歌山にあるリサイクルセンターには、年間2000トン~3000トンの墓石が集まってくるとか。リサイクルセンターには、墓石を扱うため敷地内に観音様が祀られている。もちろん無縁墓でも、骨を取り出す時には魂を抜く儀式を行う。

最近は無縁墓になる前に親族が「墓閉まい」をするケースが増加。とはいえ、撤去するためには埋葬許可証が必要で、一体数十万円から数百万円かかるため、簡単ではない。

その一方で、自分が死んだ後に入るために新たにお墓を購入する人が増えている実態もある。高齢化が進む日本。死んだあとのことも考えなくてはならないとは…。


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