NHKラジオ“ぼっち”を楽しめ~孤独のススメ~

“ぼっち”を楽しめ~孤独のススメ~
2015年5月6日(水・振休) NHKラジオ第1 午後5時05分〜6時50分

「“ぼっち”になるのが怖い」という風潮の中、「ひとりぼっちを笑うな」と大胆に提言したのは漫画家の蛭子能収さん。一人を楽しみ、孤独を力に変えて社会と折り合いをつけるには?明治大学教授の齋藤孝さん、タレントの光浦靖子さんと語り合います。

sp197.jpg

【出演】蛭子能収,光浦靖子,齋藤孝
【司会】出田奈々


・孤独であることを恥じずに中身を深めていくことをテーマにするというトーク番組。出演者の生き方、事前の街頭インタビュー、番組Webアンケートを引用しながら進行。

本当は独りでいたいけど誘われると断れないの、行っても乗りが悪い・・・
話の輪に入って行けない・・・
友達を作るために自分を変える必要はないのか・・・

蛭子能収さんの著作『ひとりぼっちを笑うな』が6万部発行という。同じ第一放送のラジオあさいちばん「著者に聞きたい本のツボ」(2014/10/12放送分)で本人自身が紹介されたのを偶然聞いていた。彼はテレビに登場する機会も多く特異なキャラである。その彼が処世術を語ったのが同書で彼なりの哲学があることが分かる。一方で周囲のタレントの蛭子能収さんの評価はかなり厳しく、その行動を奇行として感じている向きもある。

以下に、出演者の言葉から気になるところを拾う・・・と(要旨)

蛭子能収
平和島ボートによく独りで行く。特に誰ともしゃべらずに競艇、映画を楽しむ。「友達はいらない」自分のしたい行動をすることが一番。友達がいると断わりにくい。テレビに出ている人はテンション高くしているだけ。社会との関わりはきちんとする。ひとりぼっちである前に自分のやりたいことを見つけること。

光浦靖子
仲がいい少人数の飲み会は大好き。エロス、欲が人を動かすパワーに。誘われるって嬉しい。2回誘ってみる。他人の意見がすべて否定的に聞こえるときは自分が間違いだ。自分が折れる、バカなふりをできる生き方、道化を演じることができる人がカッコいい。

齋藤孝
「人づきあい体力」がある人ない人。今の人は、気を使い過ぎ。本当の友達ならば断われる。SNSばかりで本を読む時間がないのじゃないか。友達とコミュニケーションをするだけで一日が終わってしまうのはもったいない。現在「合コン」は死語になっている、なんとなく緩やかにつながっている。今の若者は消極的で優しいので誤解されやすい。人慣れしていない。最近若い女の子が男の子に「話が面白くない」という、テレビの影響か…。ヘンな人の方が面白い、学生たちにはヘンな人ばかりが登場するドストエフスキーの作品を読ませている。年齢が上がるにつれて友達の位置が変わる。独りになっても本があるから大丈夫。本には人格があり、著者が直接語りかけてくれる。「偏愛マップ」趣味を書き出してみる。何気ない雑談でもできる人・機会を作る。独りになったら楽しめること・時間をどんどん作っていく。

番組はベストセラー本の深読みということであるが、孤独は楽しむ、勧めるものなのだろうか。この放送を聞いていて最後のまとめで語られた、「一人ぼっち」の問題よりも単に人間関係の問題に触れているだけという発言が的を得ていた。

同調性社会の日本は知らない間に同調することを強要し、できない人を排除する傾向が強く、意志とは異なっても利益のためには相手に合わせることを良しとする文化。何かじゃれ合っていることで安心を得たいという心理が働くのだろう。

一方で、独りを楽しめる人は社会との軋轢を感じながらも、自らの個性を評価しマイペースを貫くほかないことを経験から学んでいる。だから独りでいても怖いという気持ちはない。

アウトサイダーを自認する私も、青年期までは悩みが多く孤立と感じる場面も多々経験した。その個性が正当に評価できるようになったのは、社会人になってからの経験からだ。ただ孤独は勧めるものでない。

テレビを見れば分かるが、そこで重用される芸能人に感心はしても尊敬の気持ちは起こらない。何か違うものを感じる。彼らは自分を主張する術に長けているが、その実はあるのかと思ってしまう。

齊藤先生の話を踏まえていえば、中身のない人間どうしがコミュニケーションばかりしても何か生まれるのだろうかということだ。

こうした番組がラジオでひっそりと放送されるのも頷ける。孤独と孤立は違うと言った人も過去にいたが、集団で生きる場、個人で生きる場は自ずと違い、その集団と個という繋がりさえあれば濃淡はどうでもいいように思う。蛭子能収さんの結論のように、好きなことに打ち込めば孤独であることは問題にならないし、光浦靖子さん、齋藤孝先生のように本を大事にして内省を深めることが重要だということだろう。


ひとりぼっちを笑うな (角川oneテーマ21)

20150507.jpg

新書: 229ページ
出版社: KADOKAWA/角川書店 (2014/8/18)

角川書店 特設サイト  http://www.kadokawa.co.jp/sp/2014/ebisuyoshikazu/

第一章
群れずに生きる
「つながる」は本当に必要?
大皿料理は大の苦手
食事会や飲み会はムダ話の宝庫
葬式が〝喜劇〟に見えてしまう
合作は手を抜く
友達はいらない


第二章
自己主張はしない
人の思考は十人十色
贅沢品・高級品で自己表現しない
誰かに「嫌われている」と思わない
余計なことしなければ嫌われない
「個性」は自分で決めない
自分を低く見積もっておく
「自分探し」と「自由」は違う


第三章
すべては自由であるために
いまの時代は生きづらくない
ときに友だちは自由を奪う存在になる
人生に「勝ち組/負け組」はない
自由でいるには稼ぎが必要
お金はとても大事なもの
限界に近づいたら迷わず逃げる


第四章
「孤独」と「死」について
幼少期からの孤独
ひとりだけどひとりでない空間
趣味は孤独を紛らわすもの
狂気は孤独の裏返し?
「死」は「孤独」よりも怖いもの
愛する人がいれば本当の孤独はない



制作担当
全画面キャプチャ 20150507 145858.bmp
株式会社すずまる  http://www.suzumaru.co.jp/



関連記事
スポンサーサイト

コメント


トラックバック

↑