NHK日曜美術館 祈りのまなざし イコン画家・山下りんと東北

NHK日曜美術館
祈りのまなざし イコン画家・山下りんと東北
2015年3月8日 Eテレ

東日本大震災から4年。東北の地で、人々の心の支えとなってきた絵がある。描いたのは、山下りん(1857-1939)。明治時代、聖書の物語や聖人を描く“イコン”と呼ばれる聖像画に生涯をささげた女性画家だ。

2015030204.jpg

りんのイコンは、震災後の停電の中、教会でろうそくの明かりの下で過ごす信者たちを励ました。町が破壊されてしまった中、慣れ親しんだ姿でそこにあるイコンは、いまだ復興の途上にある人々の心のよりどころとなっている。

りんのイコンが飾られている日本の東方正教会・ハリストス正教会は、その4割近くが東北地方にある。明治時代、戊辰(ぼしん)戦争で敗北した旧東北諸藩の士族たちが、函館のロシア領事館付設の教会で信者となり、郷里にその信仰を広めたためだ。明治の近代化政策から遅れをとっていく東北の地に、新たな時代の光明をもたらしたいとの思いからだった。信者となった人々は、山から切り出した木材や石で建てた聖堂に、りんのイコンを迎え、祈りをささげてきた。どこか日本的な風貌をもつイコンは、誕生や収穫の喜びのときも、飢きんや災害のときも、人々に寄り添い、時を刻んできた。

りんの世界に強くひかれるという姜尚中さんが、東北を訪れ、山下りんのイコンが、今なぜ人々の心を捉えるのかを読み解く。

出演:姜尚中(政治学者/聖学院大学学長)

編集:村上安弘(株式会社キャバレット)
ディレクター:藤村奈保子


・NHKクロニクルで過去の放送番組を見ると次のように特集が組まれていた。

①日曜美術館 イコンにこめられた情熱 明治の女性画家 山下りん
 1986年12月14日
②新日曜美術館 イコンと生きる 山下りん・祈りの美
 2004年6月13日

明治期に西洋画を学び、縁あって正教に入信、ロシアに赴いて修道院でイコンの修得をするも西洋画を志したこととの葛藤があり帰国。その後、イコンを日本人のために書き始めて300点に上るものが現存する。日本人初のイコン画家である。

この番組では、特に東日本大震災の被災地が、山下りんのイコンがある東北地方に重なり、取り上げられた正教会は、津波の被害後に火災で焼失しイコンもなくなった。ただ信者にとっては、信仰の拠り所としてイコンの存在があり、それほど被災地の信者には励ましを与えた。

イコンについては詳しくなかったが、過去のイコンを模して書くことが義務であり、書き手の個性を表す余地はない。この点で、画家としての心境とは大きく異なることは理解できる。彼女が葛藤の末に辿りついたのは、信仰が深まった故なのかは想像するしかない。

絵画の評価は私はできないが、ロシアのイコンと比べると表情があって明るい色調である。研究者によると一般的に光と影を象徴するためにイコンの濃淡がはっきりするらしいのだが、彼女のイコンは明るい。

番組では、教会風景や信者宅にもあるイコンを通して、信仰の風景と日常を描いていた。編集が優れており、一般的なドキュメンタリーのような凹凸がなくスムーズに構成されて、とても見やすいもので、これが芸術番組には相応しい。

以下に、ネット上で調べたものを記すがあくまでも芸術鑑賞用のものではなく、信仰上の対象物として捉えることが相応しい。彼女の生涯については、興味があれば調べてもらいたい。


盛ハリストス正教会
岩手県大船渡市盛町字町1-2

山下りん聖像所蔵教会一覧表(日本正教会) http://www.orthodoxjapan.jp/seizou.html

KIRIN~美の巨人たち~山下りん -「ウラジーミルの聖母」(テレビ東京)
2005年12月24日放送分

山下りんと白凛居 (白凛居 山下りん記念館)
茨城県笠間市笠間1510番地
http://www010.upp.so-net.ne.jp/yamashita-rin/index.html

関連記事
スポンサーサイト

コメント


トラックバック

↑