介護主夫始末記:絶対量不足の介護時代に・・・

† 介護保険制度成立以前から関係した者として、現在の状況を予測しえなかったというのは嘘になる。鳴り物入りで始まった制度発足の異常とも言える熱気を覚えている方も多いだろう。今はなきコムスンの華々しい宣伝で未来は明るくなると錯覚した方もいただろう。さまざまな資料を用いて将来推計は可能であるが、残念ながら目先のことのみを考える人たちの意識は後手後手である。

‡ NHKの調査では無届介護をする事業者が存在し行政側が把握できていない実態が明らかになった。利用者や従業員の置かれた環境は一般の法定施設に比べて劣悪であることは予想できる。ただ業者はニーズがあるからと強弁し、一方で行政や病院も無届業者を当てにしているという極めて歪な状況である。最大の問題は財政問題ではなく、国民をどのように処するかという国家のあり方の問題に過ぎない。施設は増やさない、外国人看護師・介護士は移民させない、自助を基本とし在宅で生活させ家族負担を増やし国の関わりを抑えるなどの方針から考えられる当然の帰結である。経済政策優先で何を大切にするのかがまともに議論されないのが不幸である。


行政未把握 「無届け介護ハウス」急増
2015年1月18日 NHK

介護が必要な高齢者が増え続けるなか、法律で義務づけられた届け出を行わないまま空き家などで高齢者に介護サービスを提供する有料老人ホーム、「無届け介護ハウス」が行政が把握しないまま急増していることが、NHKの取材で分かりました。

今後高齢者の数が全国で最も増加する東京では、その数は都が把握している3倍以上に上り、専門家は「行政の指導や監督が及ばず虐待や事故などの発見が遅れるおそれがあり、行政はニーズがあることをきちんと受け止め実態を把握すべきだ」と指摘しています。

高齢者を入居させて食事や介護などのサービスを提供する施設は、「有料老人ホーム」として都道府県への届け出が法律で義務づけられ、国のガイドラインでは個室の整備や広さに応じた防火設備の設置が定められています。

ところが、届け出を行わないまま介護などのサービスを提供する施設は、おととし10月時点で全国の自治体が把握しているだけで911と前の年の2.3倍になっています。

ただ、住民などからの情報の提供以外に自治体が把握する方法はなく、実態は明らかになっていないのが現状で、NHKは、今後高齢者の数が全国で最も増加する東京で地域包括支援センターにアンケート調査を行うなどして独自に調べました。

その結果、有料老人ホームに当たるのに届け出を行っていない施設は都内に少なくとも86か所あり、都が把握している3.6倍に上りました。

多くは空き家になっている一軒家やマンションの空室、使われなくなった社員寮などを利用した「無届け介護ハウス」で、家賃を低額に抑える一方で介護サービスを提供することで介護報酬を得ていました。

事業者の8割近くは自治体や医療機関から高齢者を紹介されていて、特別養護老人ホームなどの介護施設が不足するなか、届け出を出していないいわば「違法状態」となっている施設が、1人暮らしや所得が低く行き場をなくした高齢者の受け皿になっている実態が浮き彫りになりました。

取材に応じた無届け介護ハウスの多くは、ガイドラインで定められた個室などの居住環境や防火設備などの安全対策が不十分でした。

届け出を行っていないことについて、取材に応じた事業者の多くは「個室の整備などのガイドラインの基準を満たすにはコストがかかるため」と答えました。

高齢者の住まいの問題に詳しい医療経済研究機構の白川泰之研究主幹は、「行政の指導や監督が及ばず虐待や事故などの発見が遅れるおそれがあり、行政はニーズがあることをきちんと受け止め実態を把握すべきだ」と指摘しています。



追記 「技能実習生」という詭弁!低賃金期間労働(最長5年)で対応できるだろうか!?

外国人を介護に、2016年度にも開始へ
2015年1月23日 TBS

 人手不足が深刻な介護分野で外国人の受け入れを広げるため、「外国人技能実習制度」の対象に介護を加えることについて、厚生労働省の専門家会議は実習生が一定の日本語能力を身に付けていることを要件とすべきとする案をまとめました。

 「外国人技能実習制度」は外国人に国内で働きながら技術を身に付けてもらうことを目的とするもので、現在は農業や製造業などに限られていますが、政府は介護分野を新たに加えることを検討しています。

 政府は今後、具体的な要件を決めたうえで、2016年度にも実習生の受け入れを始めることにしています。



外国人実習生、介護分野に拡大 厚労省、16年度実施も
2015/01/23 共同通信社

 厚生労働省は23日、一定の日本語能力や専門知識といった要件を設定した上で、外国人技能実習制度の対象職種に介護分野を加える方針を固めた。2016年度中の実施を目指す。受け入れを議論してきた有識者検討会に報告書案を提示した。

 国内の人手不足を背景に、政府は昨年6月にまとめた新たな成長戦略で技能実習制度に職種を追加するかどうかを検討すると規定。厚労省が議論してきた。

 介護分野での外国人労働者は現在でも、経済連携協定(EPA)に基づきインドネシア、フィリピン、ベトナム3カ国から受け入れているが、日本語の習得などがネックとなり、合格者は約240人にとどまっている。



外国人の介護実習生、日本語条件は「小学校低学年程度」
2015年1月27日 朝日新聞

 厚生労働省は26日、外国人が日本で働きながら技術を学ぶ技能実習制度で受け入れる介護人材について、その条件とする日本語の能力を、入国時点で「基本的な日本語が理解できる」レベルにする方針を決めた。小学校低学年程度にあたる能力という。

 主な日本語の能力試験は読む力と聞く力を試し、5段階で認定している。厚労省の有識者検討会はこれまで、小学校高学年程度とされる第3段階の「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる」レベルを軸に検討してきた。

 ただ、介護業界の委員から、実習後に帰国する外国人にあらかじめ求める能力としては高すぎるとの意見が出ていた。さらに実習1年目は指示された作業をその通りやることが中心と想定されることもふまえて再検討。26日の議論とりまとめの検討会で、入国時点では1段階レベルが低い小学校低学年程度の試験に合格すれば受け入れを認めることにした。



外国人介護職、入国時は日本語能力「4級」で可
2015年1月27日 読売新聞

 外国人技能実習制度に介護分野を加える方針を決めていた厚生労働省は26日、実習生の受け入れ要件などを盛り込んだ報告書を有識者検討会に提示、大筋で了承を得た。

 受け入れは2016年度に始まる見通し。

 焦点だった実習生の日本語力の要件が当初より引き下げられ、「ハードルを低くして多くの実習生を入れたい」という国の意向が反映された形だが、介護の質の確保に関する懸念も出ている。

 報告書では、具体的な要件として、国際交流基金などが実施している日本語能力試験の3級(日常的な日本語をある程度理解できる)程度を基本としつつ、入国時(1年目)は、より簡単な4級程度とした。2年目も働き続ける場合には、3級程度を要件にした。



<外国人実習制度>対象職種、介護にも 15年度実施目指す
2015年1月26日 毎日新聞

 厚生労働省は26日、外国人が働きながら技能を学ぶ外国人技能実習制度の対象職種を介護分野に広げる方針を決めた。日本語能力や介護の知識を要件とし、2015年度の実施を目指す。

 介護分野は、製造業や農業など従来の技能実習と異なり、初めての対人サービスとなるため、日本語の能力は不可欠として固有の要件を設けた。日本語能力試験の「N3」(日常的な日本語をある程度理解できる)程度を基本とする。実習生の受け入れ先は設立から3年以上の施設に限り、一対一の業務となる訪問介護サービスは除いた。実習生の指導は原則として介護福祉士が担当する。

 厚労省は「相手国への技能移転が目的」と強調しているが、同制度を巡っては、国内の労働力不足を緩和する手段に利用されているとの指摘もある。

 介護分野は慢性的な人手不足にあり、政府は昨年6月に閣議決定した成長戦略「日本再興戦略」で技能実習制度に追加するかどうかを検討するとしていた。介護分野の外国人労働者は08年度から経済連携協定(EPA)に基づきインドネシアなどから受け入れてきた。しかし原則4年間で介護福祉士の試験に合格しないと帰国しなければならず、働いているのは約1000人にとどまっている。【金秀蓮】



外国人介護実習 低賃金固定化しないか
2015年1月31日 中日新聞社説

 厚生労働省は海外から「強制労働」とも批判される外国人技能実習制度の対象職種に介護職を加える方針だ。日本人の介護職員全体の待遇引き下げや、サービスの低下につながりかねず、問題だ。

 外国人技能実習制度は、外国人に日本で働きながら技術を学んでもらい、その技術を途上国に移転させることを目的として一九九三年に導入された。しかし、実態は安価な労働力を供給する仕組みと指摘され、賃金未払いや低賃金の長時間労働といったトラブル、実習生が逃げ出すのを防ぐためにパスポートを取り上げるなどの人権侵害も起きている。

 現在、製造業や農業など六十九職種を対象に約十五万五千人受け入れている。期間は最長三年。厚労省が二〇一三年に実施した調査では、実習生が働いている二千三百十八事業所のうち、八割で労働関係法令の違反があった。賃金不払いが二割あった。「日本人と同等額以上の報酬」と規定されているが、実習生の平均月収は十二万五千円。失踪者は増加傾向にあり、法務省によると一三年は約三千五百人に上っている。

 米国国務省は一三年の人身売買報告書で日本の実習制度は「強制労働」と批判し、パスポートの取り上げや行動制限などを厳しく取り締まるよう勧告している。

 問題の多い制度の対象に介護職を追加する狙いは人材確保だ。介護現場は人手不足が深刻だ。厚労省は二五年度に介護職員が最大二百五十万人必要になると見込むが、三十万人も不足するという。

 厚労省の検討会がまとめた報告で、特別養護老人ホームなどの施設に限定する方針が示された。受け入れの条件とする日本語能力は小学校低学年程度のレベルに相当する第四段階。小学校高学年程度の第三段階で議論は進んでいたが、最終的に一段階落とされた。

 介護は対人サービスであり、コミュニケーション能力は欠かせない。施設関係者は「日本語がまともにできなくては、高齢者との交流はできない。また、一番怖いのは事故。介護の事故は死に直結する」と不安を隠さない。

 また、介護現場の人手不足の要因は低賃金だ。常勤の施設職員の平均月収は全産業平均よりも約十万円低い。実習制度の対象になることで、介護職員全体の賃金引き上げが妨げられる恐れがある。

 厚労省は一五年度中に介護職を追加する方針だ。介護保険の将来に関わる問題であり、国会での活発な議論を求める。


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