自治体の半数以上が「火葬対策」

自治体の半数以上が「火葬対策」
2015年1月15日 NHK

高齢化の進展で今後、国内の死亡者数が大幅に増えることを見越し、火葬場を設置している政令指定都市や県庁所在地の自治体の半数以上が施設の新設などの対策に追われていることが、NHKの行ったアンケート調査で分かりました。

厚生労働省によりますと、去年1年間の国内の死亡者数はおよそ127万人と推計され、この10年で20万人以上、増えています。また、国立社会保障・人口問題研究所は、死亡者数がピークとなる平成51年には166万人と、去年より40万人近く増えると推計しています。

NHKは、火葬場を設置している全国51の政令指定都市と県庁所在地の自治体などを対象に、火葬場の現状や今後の見通しについてのアンケート調査を行いました。

この中で、今後、亡くなる人の数が大幅に増えることを見越し、対策を取っているか尋ねたところ、施設の新設など対策をすでに取っていると答えたのが17、これから対策を取るという所が12と、全体の57%、合わせて29の自治体などが、何らかの対策に追われていることが分かりました。

また、対策にあたっての課題については、新たな火葬場の「建設費用の負担」と答えた自治体が最も多く19に上り、次いで、火葬場を建設する際の「立地地域の選定と住民の合意」を挙げたところが17ありました。

死亡者数がピークを迎えるとされる平成51年ごろの火葬場の状況については、24の自治体が「受け入れが限界に達するおそれがある」と答える一方、26の自治体などは「受け入れには余裕がある」と答えました。

葬儀などの現状に詳しい京都女子大学宗教・文化研究所の槇村久子客員研究員は「火葬場はいわゆる『迷惑施設』と思われがちなうえ、整備を進めるのは自治体にとっては財政的に大きな負担になる。将来的に、国の支援を考える必要も出てくるのではないか」と話しています。

1週間待ちのケースも
亡くなる人の数が多い自治体では、火葬するまでに数日から1週間かかるケースもすでに起きています。

横浜市に住む山田由香さんは去年10月、99歳の祖母を亡くした際、葬儀社から「市営の火葬場に空きがなく、火葬するまでに1週間かかる」と伝えられました。そのため、火葬の日程にあわせて葬儀も1週間後に先送りし、その間、親族が交代しながら祖母の自宅などで遺体を見守ったということです。

横浜市によりますと、昨年度1年間、市営の施設で火葬した件数は2万7448件と、10年前に比べて7200件余り増えているということです。横浜市は、亡くなる人の数が多い冬場の特定の時間帯を除けば、受け入れには余裕があるとしていますが、将来的には対応が難しくなるおそれもあるとしています。

横浜市環境施設課の松永正彦課長は「今後、火葬の需要が増えるのははっきりしており、市全体で取り組まなければならない課題だと考えている」と話しています。

遺体を長期間安置できる施設も
火葬までに時間がかかるケースが増えるなか、遺体を長期間安置できる施設を使う遺族も増えています。

このうち川崎市にある葬儀社「神奈川こすもす」は、火葬を待たされている遺族からの要望を受け、およそ10年前、施設を設けました。去年1年間に安置された件数は837件と、10年前の6倍以上に増えたということです。

去年の大みそかに亡くなった夫をこの施設で10日間にわたって預かってもらったという、川崎市に住む70代の女性は「亡くなった時点で年が明けたらすぐに火葬したいという気持ちはあったが、火葬場が混んでいたため、しかたなく預かってもらいました」と話していました。

施設を運営する清水宏明社長は「以前に比べると火葬の予約が取りづらくなってきたと実感しています。遺体を安置する施設は今後も増えていくと思います」と話していました。


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