バチカン銀行:強制捜査 元総裁ら3人、85億円着服か

バチカン銀行:強制捜査 元総裁ら3人、85億円着服か
2014年12月08日 毎日新聞

 キリスト教カトリックの総本山・バチカン(ローマ法王庁)は、不透明な運営が指摘されていた宗教事業協会(通称・バチカン銀行)の元総裁ら3人に対する強制捜査に着手したと明らかにした。フランシスコ・ローマ法王は昨年3月の就任以来、法王庁改革の一環としてバチカン銀行の浄化に取り組んでいる。

 バチカン銀行は6日の声明で、2001?08年の運営を巡って「元幹部2人と弁護士1人」を告訴し、3人の口座が司法当局によって凍結されたと発表した。ロイター通信によると、3人はアンジェロ・カロイア元バチカン銀行総裁(75)、レリオ・スカレッティ元同銀行事務局長(88)、ガブリエレ・リウッツォ弁護士(91)。

 バチカン銀行は第二次世界大戦中の1942年、修道会や聖職者の資産を守るため設立された。ロイター通信によると、バチカンが保有するローマやイタリア北部ミラノの建物29棟を売却した際、譲渡所得を過少報告して差額を横領した疑い。凍結された口座資金は計1600万ユーロ(約24億円)だが、5700万ユーロ(約85億円)が横領、着服された可能性があるという。

 強制捜査の対象となった3人はいずれもイタリア人で、バチカンに巣くっていた「守旧派」とみられている。バチカン銀行の声明によると、昨年、実施した内部調査で3人の疑惑が浮上した。

 今年7月に就任したドフランシュ・バチカン銀行総裁は声明で「当局が断固たる措置を取っているのは喜ばしい」と述べた。一方、フランシスコ法王は7日付アルゼンチン紙ナシオンのインタビューでバチカン銀行の現状について「うまく機能している。私たちは多くの仕事を成し遂げた」と語り、改革の成果を自賛した。バチカン銀行は近年、資金洗浄(マネーロンダリング)疑惑がつきまとい、フランシスコ法王が昨年来、透明性の向上に努めている。【ローマ福島良典】


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