<性同一性障害>自分偽らない…男から女に、記者から僧侶に

<性同一性障害>自分偽らない…男から女に、記者から僧侶に
2014年10月27日 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20141027k0000e040218000c.html

・毎日新聞の特集記事の一つである。

四国遍路のルーツとも言うべき古典から江戸初期の一僧侶の記録を検証した研究・資料を基に以下の本を作成した。著者は元読売新聞記者で阪神大震災を機に、縁を得て仏教を学び、新聞社を辞めて高野山大学院で研究生活に。記事にもあるように2010年に性別も変更しているという。

日常を離れた異空間で厳しい自然と人間の温かさに触れることで何かを得られるという体験は人間にあるべきところを考えさせる機会となることは確かだろう。いささか観光化されて手軽になっていても、このような旅行+プチ修行のような時間は大切な気がする。

さて最近、入手した本に江戸・明治期の「巡礼の心得」のいくつかが書かれているが実に厳しい作法があり、現代人のような手軽な気持ちで臨めるようなものでないことが分かる。やはり仏道修行というのが本筋だろう。四国遍路に行ってきたことよりも何をつかんできたかが大事であろう。スタンプラリーと早計するなかれ。

記事では著者の性同一性障害のことは詳しく書かれていない。彼がどのように仏教を語るのかも、これから興味深いところだ。

また僧籍を取ってから性別を変えたことに、教団はどのような考え方で臨んだのだろうか。女性の宗教職を認めない宗教もあるだろうし、これも興味深い。


江戸初期の四国遍路 澄禅『四国辺路日記』の道再現
柴谷宗叔著

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B5判 345頁 2014.04
法蔵館 税込9180円

江戸初期の僧・澄禅による、現存最古とも言える遍路記録『四国辺路日記』を解き明かした書。現在の遍路道と江戸初期の道とを比較できる地図付き。四国霊場開創1200年記念出版。


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柴谷宗叔
1954年、大阪市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。高野山大学大学院博士課程修了。博士(密教学)。
読売新聞大阪本社編成部次長などを経て、現在高野山大学密教文化研究所研究員、園田学園女子大学公開講座講師、四国八十八ヶ所霊場会公認大先達など。高野山真言宗大僧都、司教。高野山布教師。
四国、西国など全国四十数か所の霊場を巡拝、四国遍路は徒歩を含め八十周を超す。四国ヘンロ小屋プロジェクトを支援する会役員、西国三十三所札所会公認特任先達など多方面に活躍。


参考

<性同一性障害>自分偽らない…男から女に、記者から僧侶に
2014年10月27日 毎日新聞

 長年、性同一性障害に悩んできたが、阪神大震災(1995年1月)を機に新聞記者から高野山真言宗の僧侶に転身し、性別も変えた人がいる。四国八十八カ所巡りを通して「自分を偽らずに生きていい」と思えるようになったという柴谷宗叔(そうしゅく)さん(60)=和歌山県高野町=だ。2010年に性別適合手術を受けて戸籍上の性別を男性から女性に変更。性的マイノリティーのための駆け込み寺を作ることを目指している。

 幼い頃から性別に違和感を抱いていた。大学卒業後、読売新聞大阪本社に入社。「周りに知られると仕事を続けられなくなる」と思い、男性として振る舞い続けた。

 旅行で西国三十三カ所の一番札所、青岸渡寺(和歌山県那智勝浦町)に行ったことがきっかけで、四国八十八カ所巡りを始めた。病気や障害、家族の自殺など、さまざまな苦難を乗り越えた巡礼者に出会った。脳性まひの若い女性は「笑顔に励まされる」と同行する人が増加。霊場を開創したとされる弘法大師になぞらえ、「笑顔の大師」と呼ばれていた。

 そんな頃、阪神大震災が起きた。当時神戸市東灘区に住んでいたが、発生した1月17日は大阪府内の実家に帰省していた。会社に泊まり込んで仕事を続け、1週間後に自宅に戻ると全壊。東灘区の死者は1471人に上り、自分も捜索対象になっていた。

 がれきの中からずたずたになった四国遍路の納経帳を見つけた。その瞬間、「助けてくださってありがとうございます」と弘法大師に手を合わせた。「生かされた恩返しとして、苦しんでいる人の力になりたい」と考えるようになった。

 弘法大師について学ぶため03年、高野山大学に入学し、僧侶になろうと決めた。2年後に会社を退職。得度して僧名を与えられた。10年に戸籍上の性別を変えると同時に、高野山真言宗では初めて僧籍簿の性別も変更した。

 昨年、高野山真言宗の教えを説くことができる「本山布教師心得」の資格を取得。今年4月には、約10年間の集大成として「江戸初期の四国遍路」(法蔵館発行)をまとめた。高野山開創1200年の来年、本山で説法する。柴谷さんは「社会に合わせれば周囲とのあつれきはなくなるが、自分の中に葛藤が生まれる。それを解決できるのが宗教。人知れず悩んでいる人に寄り添いたい」と話す。【谷田朋美】


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