人生いろいろ:テレビ番組違法投稿の攻防とネット配信の将来

<著作権法違反>米動画サイトに違法投稿…容疑の4人逮捕
2014年9月25日 毎日新聞

 米国の動画投稿サイト「FC2」に人気ドラマやバラエティー番組を投稿したとして、警視庁サイバー犯罪対策課などは25日、著作権法違反(公衆送信権侵害)容疑で、川崎市麻生区岡上、無職、鈴木了容疑者(51)ら男4人を逮捕し、東京都小平市の無職の男(36)ら12人を書類送検した。

 FC2は、動画を投稿すると、後日換金可能なポイントが与えられる仕組み。同課によると、鈴木容疑者は「約4000回投稿し約240万円を稼いだ」と供述し、他の15人も容疑を認めている。

 16人の逮捕・送検容疑は昨年6月~今年5月、それぞれの自宅パソコンから、TBSドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」など27番組を投稿し、民放5社とNHKなどの著作権を侵害したとしている。

 民間放送事業者でつくる日本民間放送連盟の井上弘会長(TBSテレビ会長)は「違法アップロードは、放送事業者などの経済的な利益を毀損(きそん)する。配信抑止に向けて、対策を講じたい」とのコメントを発表した。【林奈緒美】



「犯罪のインフラ」FC2にメス 運営実態解明なるか
2014年9月30日 産経新聞

 わいせつ動画や著作権法違反の動画などが数多く投稿され、捜査関係者からは「犯罪のインフラ」とまで呼ばれるようになっていた動画投稿サイト「FC2動画」。京都府警などは30日、捜査員約60人態勢で、大阪市北区のインターネット関連会社「ホームページシステム」などの家宅捜索に着手。同社がサイトを実質的に運営していた可能性があるとみて、運営実態の解明に乗り出した。 

 同社の本社が入居する同区中之島のビルにはこの日朝、黒いかばんなどを持った捜査員が相次いで入り、周辺は緊迫した空気に包まれた。報道関係者も集まり、テナントの関係者らが警備員に状況を問い合わせる場面もみられた。

 FC2動画を運営する米国法人「FC2」の公式サイトによると、法人は1999年に設立され、本社は米国・ラスベガスにあるとされる。米国に拠点を置きながら、主に日本向けのサービスを展開し、事業を拡大してきた。

 投稿動画の視聴回数に応じ、換金可能なポイントが投稿者に与えられる仕組みを定着させ、過激な動画を呼び込むことでネットユーザーの人気を集めていた。

 「帽子君」と名乗り、自身の性行為をライブ配信したとして京都府警に公然わいせつ容疑で逮捕された大阪市北区の男(31)は、平成25年12月から約3千万円の売り上げを得ていたとされる。

 人気ドラマなどをFC2に無断で投稿したとして、警視庁や神奈川県警などに著作権法違反容疑で逮捕された男も3年半の間に300万円以上を稼いでいた。

 これまで摘発が投稿者に限られ、運営側に及んでいなかった背景には、サイトが米国で運営されているとみられていたことが大きい。京都府警に公然わいせつ容疑で現行犯逮捕された男も、「FC2は海外のサーバーなので大丈夫だと思った」と供述していた。

 警視庁などは米国の運営法人に対し今月25日、違法な動画投稿を防ぐための措置を講じるよう通知したが、今回の強制捜査で日本国内での運営実態について、どこまで解明が進むのか注目されている。


・著作権法や公然わいせつほう助と風営法違反(無許可営業)の疑いで次々に問題視されているFC2だが、このブログも同社の無料サービスの一部である。問題となっているのは動画を投稿できるFC2動画で、そのなかにあるFC2ライブという中継できるサービスも摘発されている。

摘発対象となっているのは今のところ有料会員向けに集中していると思われるが、さらに拡がれば一般会員の無断投稿もいつでも逮捕・立件できることを利用者に示すことになるだろう。むろん、この摘発を契機に他の動画サイトへの違法なものを抑制したいとする意志の表れだ。

これらを伝えるマスコミも、NHKも民放も番組動画を無断で投稿公開されて被害者としての立場もあり、FC2動画に関する逮捕は時間をかけて執拗に伝えている。NHKも民放もオンデマンド有料放送やDVD化することで利益を受けているわけで、それを阻止したいという思いは強くあり、警察の摘発には諸手で賛成の立場である。

FC2動画のビジネスモデルは、有料会員制度を作り有料会員になれば無制限に高画質で動画を楽しめるということになる。そして、それらを投稿する人にもキックバックがあるので半ばアルバイト感覚で動画を投稿していたということだ。

こうした動画投稿サイトはYoutubeやニコニコ動画など誰もがネット環境があれば楽しめる。特に中国の投稿サイトなどは無法地帯というべきもの。それぞれ動画投稿に対して守るべき警告文を掲げているが十分に守られているわけではない。

著作権法の改正で著作物の利用に対する規制が高くなり、グレーゾーンがあることから今でも公に推奨されることのないものの、無料で見聞きしたいというニーズはあり、できるだけ違法性を問われないように海外サイトを使用する可能性もある。

ユーザーは警察の意向を見ながらネット動画を楽しみたいという思いもあり、厳しく規制すれば本当に日本人の関与しないサイトへ逃げたり地下に潜ったりするだけである。この類の問題はネット規制と深く関わり、例えば中国では世界で当たり前に使えるFacebookやTwitterに接続できない。極端に言えば、思想・表現の自由をも奪うことはできてしまうのだ。ただ中国でも体制を批判するやり方を巧妙に考えている人たちも多い。

一方で、NHKや民放は放送をネットで見られる環境づくりの検討を始めており、こうした違法録画番組の問題もいずれは解消するかもしれない。ただ本当に見るべき面白い番組があるかにもっと考えを巡らしてほしいと感じる。

それにしても本気で立件するのか、できるのか、米国に籍がある会社を実質的に管理するという疑惑で捜査ができるならば、他の案件でも可能性が出てくるだろう。今回は違法投稿する人が儲けるという構造があり、それはさすがに許されないとする意向なのだろう。もし立件されるような事態となればネット環境に大きなインパクトを与えることとなるだろう。


追記 FC2の運営はどうなるのか・・・注目!

FC2創業者弟ら逮捕=公然わいせつ容疑―動画配信で収益・京都府警など
2015年4月23日 時事通信社

 動画投稿サイト「FC2」で会員がわいせつ行為を実況中継した事件で、国内の関係会社「ホームページシステム」(HPシステム、大阪市北区)が収益を上げるため、わいせつ動画を配信していた疑いが強まったとして、京都府警サイバー犯罪対策課など5府県警は23日、公然わいせつ容疑で、FC2米国法人創業者(41)の実弟でHPシステム元社長高橋人文容疑者(38)と、現社長の足立真容疑者(39)を逮捕した。

 同課などは昨年9月、公然わいせつほう助容疑などで関係先を一斉捜索。押収資料などを分析した結果、サーバーは米国にあるものの、HPシステムが主に日本国内向けのわいせつ動画配信によって広告収入などを得ていたと判断した。今後、FC2創業者の関与のほか、高橋容疑者らについてわいせつ電磁的記録媒体陳列容疑での立件を視野に調べを進める。

 捜査関係者によると、高橋容疑者らは昨年6月3日、自称ライブチャット配信業の男(31)=公然わいせつ罪などで有罪判決=と共謀し、「FC2ライブ」上でわいせつ行為を実況中継した疑いが持たれている。



性行為ライブ配信にメス…犯罪のインフラ「FC2動画」の実質的運営者を逮捕 京都など5府県警
2015年4月23日 産経新聞

 わいせつな動画や著作権法違反にあたる映像などが投稿される事件が相次いでいる動画投稿サイト「FC2動画」で、性行為のライブ配信に関与したとして、京都、三重、島根、山口、高知の5府県警合同捜査本部は23日、公然わいせつの疑いで、大阪市北区中之島のインターネット関連会社「ホームページシステム」代表、足立真容疑者(39)を逮捕した。捜査関係者によると、容疑を否認している。さらに関係者の逮捕状を取っており、容疑が固まり次第逮捕する。捜査本部は同社がFC2の日本側の実質的な運営者とみており、運営の実態解明を進める。

 捜査関係者によると、足立容疑者は昨年6月、FC2で性行為をライブ配信した男(31)=公然わいせつ罪で有罪確定=と共謀し、わいせつな動画を不特定多数に閲覧可能な状態にした疑いが持たれている。

 捜査本部は昨年9月、男の配信を手助けしたとして公然わいせつ幇助(ほうじょ)容疑で同社などを家宅捜索。FC2は米国の法人が運営しているとされていたが、日本国内では同社が実質的に運営していたとみて調べていた。

 法人登記によると、同社は前身である有限会社が平成14年に設立され、20年に株式会社化。資本金は1億円で、インターネットを利用した情報提供サービスやサーバーの設置・管理などを行っているとされる。



追記

FC2創業者弟ら釈放=京都地裁、勾留認めず
2015年5月26日 時事通信社

 動画投稿サイト「FC2」上のわいせつ動画有料配信事件で、京都府警サイバー犯罪対策課などは25日までに、公然わいせつ容疑で逮捕したFC2米国法人創業者の実弟で国内の関連会社「ホームページシステム」相談役高橋人文(38)、社長足立真(40)両容疑者を釈放した。京都地裁が勾留決定を取り消したという。

 2人は4月、ネット配信の「FC2ライブ」上でわいせつな行為を実況中継したとして逮捕され、5月14日に別のわいせつ動画中継の容疑で再逮捕された。

 捜査関係者によると、京都地裁は再逮捕容疑について、いったん勾留を認めたが、弁護人の準抗告を受け取り消し、府警は21日に釈放した。同課などは今後、任意で捜査を継続する。



追記

FC2創業者弟らに有罪=わいせつ動画公開―京都地裁
2017/3/24 時事通信社

 動画投稿サイト「FC2」のわいせつ動画をめぐる事件で、わいせつ電磁的記録媒体陳列罪と公然わいせつ罪に問われたFC2米国法人創業者の実弟高橋人文(40)、関連会社「ホームページシステム」社長の足立真(41)両被告の判決が24日、京都地裁であった。

 中川綾子裁判長は、2人に懲役2年6月、執行猶予4年、罰金250万円(いずれも求刑懲役2年6月、罰金250万円)を言い渡した。弁護側は即日控訴した。

 弁護側は、わいせつ動画のアップロードに関与しておらず、投稿者との共謀などは成立しないとして、無罪を主張していた。

 これに対し中川裁判長は、「被告らはサイトで相当数のわいせつ動画が配信されることを認識し、利用者を増加させようとしていた」と指摘。投稿者も、閲覧者が増えるとポイントがたまり換金できるサイトの仕組みに動機付けられ、動画をアップロードしていたと認められると判断した。

 判決によると、両被告は米国にあるサーバーからサイトを運営。2013年6月19日に投稿者と共謀し、無修正のわいせつ動画を不特定多数の人が閲覧できる状態にするなどした。 




参考

番組ネット配信し課金「3年以内に」 NHK・籾井会長
2014年7月24日 朝日新聞

 籾井会長は23日、朝日新聞のインタビューに応じ、今秋にも決める今後3年間の経営計画の中で、テレビ番組をインターネットで配信する「放送と通信の融合」を進め、サービスの利用に課金する方針を明らかにした。現在は放送後の番組に限り、有料で提供している。

 籾井氏は「通信との融合は時代の流れ。海外では実行されている。課金についても、しなければならない」と明言。次期経営計画に盛り込み、3年以内に実現させたいと語った。

 現在の放送法では、放送と同時に番組をネット配信する「同時再送信」は国内ラジオと大規模災害時、国際放送に限られており、法改正にも期待を寄せた。



過去番組を無料でネット配信 在京民放5社、検討開始
2014年9月18日 朝日新聞

 在京の民放キー局5社が、放送後のテレビ番組をインターネットで無料で流す共同サイトを作る検討を始めることで合意した。日本民間放送連盟の井上弘会長が18日、定例記者会見で明らかにした。実現すれば番組視聴のあり方が大きく変わるとみられるが、地方テレビ局の経営に与える影響など課題も多い。

 井上会長は、ネットに民放番組を流す違法行為が横行していることや、番組を録画で見る「タイムシフト視聴」など、テレビ番組の見方が多様化している実態を重視。共同サイトではCMを飛ばして見られない技術を導入し、広告収入を得て無料で配信したい考えだ。「来年度にも実験できないか」としている。

 構想が実現すれば、スマートフォンなどで「いつでもどこでも」テレビ番組を見られるようになる可能性がある。ただ、実現には課題も多い。経営難にある地方の系列テレビ局から理解を得た上で、出演者らから著作権上の許諾を得る必要がある。

 現在は、NHKや民放テレビ局が、それぞれのサイトで過去の番組を有料で配信している。NHKでは放送と同時にネットでも視聴できる「同時再送信」を課金制で実現することに、籾井勝人会長が意欲を見せている。(中島耕太郎)



追記

<NHK>ネット課金見送りへ 受信料制度を変更せず
2014年10月15日 毎日新聞

 NHKは2015年度から3カ年の経営計画案で、受信料制度の変更を見送ったことが14日分かった。籾井勝人会長は、放送法を改正し、インターネットを通じてパソコンやスマートフォンでも放送と同時に番組を見られるようにする「同時再送信」を実現し、ネット視聴者からの受信料徴収に意欲を示していたが、次期経営計画の期間内での制度変更は難しいと判断した。

 籾井会長は今年7月、毎日新聞のインタビューなどで、3年以内の実現に強い意欲を示していた。しかし、関係者によると、法改正に向けた総務省や国会議員との十分な協議はなく、改正時期のめども立たないことから、現実路線に転換したとみられる。

 計画の議決機関である経営委員会は方針を了承する見通しだが「放送と通信の融合」に積極的な経営委員の中には「(会長は)任期をまっとうしようと、安全運転を始めた」と批判的な意見もある。

 浜田健一郎・NHK経営委員長はこの日の委員会後、記者団に「年内に計画案を議決したい」と話した。来年度施行の改正放送法では、1日のうち一定時間であれば同時再送信の実施は可能。計画案にも試行が盛り込まれる見通し。【望月麻紀、須藤唯哉】



NHKネット配信拡大で実施要綱 スポーツ生中継も
2014/10/28 共同通信社

 NHKは28日、番組のインターネット配信の拡大などを盛り込んだ改正放送法が来年施行されることを受け、スポーツの生中継を放送と同時に配信することなどを盛り込んだ実施基準の要綱を発表した。

 29日正午からホームページ上で公表し、視聴者の意見を募った上で実施基準案を策定。総務大臣の認可後、サービスを開始する。

 またNHK経営委員会の浜田健一郎委員長は、28日の委員会後、この実施基準の認可状況を見極めた上で、来年1月に2015~17年度の次期経営計画を議決する方針を明らかにした。

 ネット配信するのは国内ラジオや国際放送、災害時の情報と、スポーツの生中継など。



<NHK>災害や選挙、スポーツなど ネットも同時試験送信
2014年11月25日 毎日新聞

 NHKは25日、放送中の番組をインターネットで同時に送信するサービスの内容を明らかにした。災害や選挙情報を提供するほか、スポーツの生中継は年に5件程度、試験送信する。また受信契約者1万人以内を対象に1日最長16時間、期間限定で試験送信する。

 「インターネット実施基準」に盛り込み、同日あった経営委員会の議決を経て、総務相に認可申請した。

 NHKは来春施行予定の改正放送法に基づきインターネットサービスの拡大を検討してきた。受信料財源で費用を負担するため、視聴は無料。ただし受信料支払者に不公平感が広がらないよう、災害や選挙以外の同時送信は、番組や対象者を限定した。

 NHKのネット活用をめぐっては、民放連の井上弘会長(TBSテレビ会長)が定例記者会見で「NHKが資金力にものをいわせてネットに入れば、ローカル局だけでなくキー局も影響を受けて苦戦することは必至だ」と指摘するなど、民放各局が懸念を表明。そのためNHKは、受信料財源でまかなう個人向け無料サービスの費用総額を当初「(受信料収入の)3.0%以内」としていたが、2.5%(今年度予算ベースで約160億円)に引き下げた。【望月麻紀】


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