<バチカン>銀行改革 資金洗浄防止へ体質改善

<バチカン>銀行改革 資金洗浄防止へ体質改善
2014年8月3日 毎日新聞

 キリスト教カトリックの総本山・バチカン(ローマ法王庁)が、資金洗浄(マネーロンダリング)疑惑のあった宗教事業協会(通称・バチカン銀行)や、権限が集中していた財産管理局のスリム化を柱とする組織刷新に乗り出している。フランシスコ・ローマ法王が昨年3月に就任して以来、最大規模の金融・財務部門改革。社会的弱者を支援する法王の「貧者の教会」路線に沿うようにバチカンの機構と体質を改善するのが狙いだ。

 バチカン銀行は口座の洗い直しや閉鎖の影響で昨年の収益が290万ユーロ(約4億円)にとどまり、一昨年の8660万ユーロ(約120億円)から大幅減となった。透明性の向上に取り組んできたエルンスト・フォン・フライベルク前総裁(ドイツ)が7月に退任し、ジャンバティスト・ドフランシュ新総裁(フランス)が率いる新体制となった。

 バチカン銀行は第二次世界大戦中の1942年、当時の法王ピオ12世によって設立された。世界各地のカトリック教会の活動のために修道会や聖職者の資産を守るのが目的だった。だが、長年にわたりマフィアによる資金洗浄や脱税などの疑惑がつきまとってきた。

 組織改編によって、バチカン銀行の業務は「教会を対象とする貯蓄、融資」(フライベルク氏)という原点に回帰させる。これまで行ってきた投資活動は別組織の「バチカン資産管理」に移行。法王庁財産管理局も不動産運用・管理部門を切り離し、「中央銀行」の役割のみを果たすようになる。

 法王から新設のバチカン「経済省」の長官に指名され、法王庁の財政、資産管理を統括するジョージ・ペル枢機卿(オーストラリア)は7月の記者会見で「バチカンがスキャンダルの提供源でなく、財務管理の模範となるのが目標だ」と述べた。

 法王庁のマネー・スキャンダルでは、財産管理局の元高官がバチカン銀行を使って資金洗浄していた疑いでイタリア当局に摘発されている。【ローマ福島良典】


・宗教とお金という永遠のテーマであろう。

日本においても、ブログで一部紹介しているように、宗教法人の莫大な資産をデリバティブで運用し多額の損失を与えた例があった。

信徒らは、当然のこととして組織に対して布施等の行為をし、税金が免除されることをいいことに、不明朗な会計で集められた資金が宗教団体に滞留する。それをどのように使うのかが問われていることになる。

バチカン銀行も、当初は教会事業のみに専念していたはずだが、事業を拡張する過程で、さまざまな資金をも抱えて運用・投資するという要素を得てしまった。

どの世界宗教もお金に執着してはならないと説くだろうが、お金を有効に使うことで宣教や組織の安定に資するという思いが強くなれば、経済活動にも口を挟むことになる。

宗教者も利息の誘いに弱いことは共通のようで、少しでも増やしたいという欲求はなくならないようだ。それが宗祖の考えに反してもだ。

その象徴としてバチカンの存在があったが、現法王は昨今の諸問題を緩和する意味でも、本来の考え方に戻ってカトリックの姿勢を正す意味があるのだろう。

金、金、金の価値観を打破すべき、イエスも当時の宗教指導者の欺瞞を糾弾した時があったが、これは宗教とお金という問題が、未だに人間の欲望と結びついている重要なテーマであることを示している。

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