長崎のキリスト教文化、ウェブ発信 県、世界遺産へPR

長崎のキリスト教文化、ウェブ発信 県、世界遺産へPR
2014年6月9日 朝日新聞

 世界遺産登録をめざす「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の歴史的背景や、地域に根ざしたキリスト教文化を広く知ってもらおうと、県が「おらしょ――こころ旅」(http://oratio.jp)というウェブサイトをつくった。

 ラテン語の「oratio(オラショ)」は「祈り」を意味する。これまでも、長崎市の大浦天主堂など世界遺産候補の13の構成資産を中心に、建築物としての価値をまとめたサイトはあったが、今回は「祈りの場としての教会や人々の信仰の姿を通じ、キリスト教の物語を紹介することに重点を置いた」と、県の担当者は説明する。

 各教会の歴史や聖地の魅力を地元の人や専門家が伝える「コラム」を150本ほど掲載。「信仰のすがた」と題されたページでは、厳しい弾圧の最中に貝殻や自然石を信仰の対象にしたことや、奈留島では現在も月に一度、江上天主堂に信徒がミサのために集まり、教会堂を守っていることを読むことができる。


・世界遺産候補「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の担当課がまとめをしている。イベントやコラムなど観光も含めて当地の魅力を伝える試み。

なお検索すると世界遺産推進課、世界遺産課、世界遺産登録推進課、世界遺産登録推進室など、県市レベルで担当部署を設けている自治体がある。


長崎の教会とキリスト教関連の歴史文化遺産群のウェブサイト「おらしょ-こころ旅」

URL http://oratio.jp/

開設日:平成26年5月20日

管理・運営
長崎県、熊本県、長崎市、佐世保市、平戸市、五島市、南島原市、小値賀町、新上五島町、天草市

担当:長崎県企画振興部 世界遺産登録推進課


追記

教会群 世界遺産推薦正式決定
2014年09月17日 NHK長崎放送局

政府は長崎市の国宝・大浦天主堂などからなる「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」などについて、再来年の世界文化遺産への登録を目指してユネスコに推薦書を提出することを決めました。

「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」は、長崎市の国宝・大浦天主堂や五島市の重要文化財・旧五輪教会堂など、長崎県と熊本県の13の資産から構成されています。

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17日は外務省で関係省庁連絡会議が開かれ、今月中にユネスコに暫定版の推薦書を提出することを決めました。

長崎の教会群は、去年も文化庁の審議会が推薦を決めたものの、最終的に政府の有識者会議が推薦した「明治日本の産業革命遺産」が日本からの候補となり、文化庁の審議会はことし7月、改めて推薦を決めました。

政府は長崎の教会群について、「日本におけるキリスト教の伝来と普及の歴史を示す文化財が残っている」などと評価しています。

政府は来年2月までに正式な推薦書を提出し、ユネスコの諮問機関による調査を経て、再来年・平成28年に世界遺産委員会で登録するかどうかの審査が行われます。

「教会群」地元は喜び
世界文化遺産への登録を目指して政府が「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」をユネスコに推薦書を提出することを決めたことについて、地元では喜ぶ声が多く聞かれました。

構成資産の1つである長崎市の国宝・大浦天主堂の近くでカステラ店を経営している、南山手地区観光推進協議会の会長の長谷川進さんは、「世界文化遺産の登録が決まれば観光客の動向に与える影響は極めて大きく、いい知らせだ。増加する観光客をどのように受け入れるか課題もあるが、あまり心配せずに大きく構えていたい」と話していました。

大浦天主堂を訪れた静岡県の30歳の男性は「富士山も世界文化遺産になったことで、国内外からの観光客が増えているので、長崎にとっても観光の活性化につながる絶好の機会になると思います」と話していました。

また、長崎県の中村知事は「1つのハードルを越えられて率直にうれしく思う」と語りました。その上で「キリスト教関連の遺産は世界に数多くあるが、長崎の場合はキリスト教が伝来して栄えただけでなく、禁教の時代の弾圧と信者の潜伏を経て奇跡の復活を遂げるなど、一連の流れは類のないもので宗教史上の奇跡とも言われる。こうした価値をしっかり説明できるよう取り組んでいきたい」と世界文化遺産登録への意気込みを語りました。

一方、「原城跡」などの構成資産がある南島原市の松本政博市長は「大変うれしい。今後も市民と一体になって体制整備に努めたい」と話していました。

南島原市には「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」のうち▼島原の乱で一揆軍が立てこもった「原城跡」と▼キリシタン大名・有馬氏の城があった「日野江城跡」があります。

南島原市では世界文化遺産の登録に向け盛り上げていこうと、南蛮との貿易が行われた口之津港開港450年の式典や400年前のクリスマス行列の再現などさまざまな催しを行ってきました。

今回ユネスコへの推薦書の提出が行われることが決定したことを受け、南島原市では▼中学生を対象としたキリスト教の神学校・セミナリヨを再現した授業や、▼原城跡と日野江城跡を歩くウォーキング大会などの催しを行う計画で、市企画振興課の末永透参事は、「ことしこそはと思って市民の皆さんと頑張ってきた。もっとたくさんの人を巻き込めるようなことを考えながら、さらなる登録推進に取り組んでいきたい」と話していました。


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