スーダン:改宗の女性に死刑判決 人権団体が強い批判

スーダン:改宗の女性に死刑判決 人権団体が強い批判
2014年5月16日 毎日新聞

 アフリカ東部スーダンからの報道によると、首都ハルツームの裁判所は15日、キリスト教徒の男性と結婚した女性に対し、イスラム教からキリスト教への改宗が「背教の罪」に当たるとして死刑判決を言い渡した。判決には国際人権団体などから強い批判の声が上がっている。

 死刑判決を受けたのはメリアム・イブラヒムさん(27)で、現在妊娠中。イブラヒムさんは裁判所からイスラム教に戻るよう勧告されたが、これを拒んだため、死刑判決が出された。また、異教徒と性的関係を持ったとして、むち打ち百回の刑も言い渡された。

 スーダンはイスラム教徒が多数派で、1983年以降、シャリア(イスラム法)に基づく統治が行われている。イスラム教から他宗教への改宗には死刑が科せられ、イスラム教徒の女性が異教徒の男性と結婚することも許されない。

 イブラヒムさんはスーダン人のイスラム教徒の父と、エチオピア出身のキリスト教徒の母との間に生まれた。幼児期に父と離れ、母親にキリスト教徒として育てられたとも伝えられる。判決に対し、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は「恐るべきことで許し難い」との非難声明を出した。【ヨハネスブルク服部正法】


・こうしたことが同じ時代にあるのです。それをよく知らないだけ。

女性が大統領をする国もあれば、女性を家長の持ち物として教育すら与えない国もある。

それは宗教のせいというよりも男性優位の家父長制をとる部族社会をもとに構成された国家であるということだろう。その支配の道具として宗教を用い、厳格な戒律のもとで自分たちの支配の構図が壊れないようにしているだけだろう。

イスラム国家といっても開放的な国もあろうし厳しい国もある。それはキリスト教でも同じだろう。

このところ各地で民族紛争が活発化している。これだけ経済的に密接になりインターネットで情報が即座にやり取りされる時代になっても社会制度を変えることは簡単ではない。

世界宗教の大義は人類愛に目覚めることに違いないだろう。そうした意識を持つことはなかなか困難であり永遠の課題に違いない。ただ家族を愛せない人が人類平和を説いても仕方ないだろう。

この記事の女性だが処刑されてしまうのだろうか。海外に出してでも信仰の自由を与えることが人権だが、どうなるのか。


その後の展開

スーダンの死刑判決、国際社会が「NO」…信仰貫き女性無罪
2014年7月25日 産経新聞

 アフリカ・スーダンの裁判所で5月、キリスト教徒の女性が背教の罪による絞首刑を言い渡された。妊娠8カ月だった女性はその後、刑務所で女児を出産するなど信仰を貫いた。一方で、異なる宗教や価値を認めない判決に対し、国際社会から非難が集中。スーダン政府はこうした圧力に屈する形で6月23日、女性を釈放した。(坂本英彰)

 ◆足かせされ獄中出産

 この女性は、メリアム・イブラヒムさん(27)。ANSA通信などによると、釈放後に出国したイブラヒムさんは7月24日、バチカンを訪れ、夫のダニエル・ワニさん(27)と2人の子供らとローマ法王フランシスコと面会した。勇敢に信仰を持ち続けたことをたたえた法王に対し、イブラヒムさんは支援に対する感謝の言葉を述べた。

 ただ、刑務所生活を含め、信仰を貫くことはたやすくなかった。

 英紙デーリー・メール(電子版)などによると、イブラヒムさんはスーダンの首都ハルツームの刑務所に入れられ、当時1歳の長男も一緒に暮らした。出産時は診療所で足かせをはめられていたという。それでも、面会にきたワニさんにこう訴えた。

 「イスラム教徒になれば生きられるけど、私は本当の自分でいたい」

 ワニさんは1998年にスーダンから逃れて米国籍を取得したが、筋肉が萎縮する難病で車いすが手放せない。2人は2011年に結婚した。

 英紙ガーディアン(電子版)などによると、イブラヒムさんは難民キャンプで暮らしていた6歳の時に父が出奔。以来、母に育てられた。父はイスラム教徒だが、隣国エチオピア出身の母はキリスト教徒だ。

 イブラヒムさんは昨年、父方の親類が「異教徒との結婚」を告発し逮捕された。背景にはイブラヒムさんが営むビジネスの経営権問題があったとされる。

 ◆過激思想台頭に懸念

 イブラヒムさんは法廷で「私はずっとキリスト教徒だった」と主張したが、スーダンが1983年から導入しているシャリア(イスラム法)では父の宗教が子の宗教とされ、改宗者には死刑が科される。信仰を貫くイブラヒムさんに裁判所は5月、絞首刑とむち打ち100回の刑を言い渡した。背教およびワニさんとの関係が姦通(かんつう)の罪にあたるとされた。

 スーダンは西部のダルフール紛争をめぐる戦争犯罪などで国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているバシル大統領が、強権体制を敷く。そんな国で出た妊婦への極刑判決に、国際社会は大きく反応した。

 人権団体アムネスティ・インターナショナルは非難声明を出し、判決の撤回を求める署名を世界に呼びかけた。米英政府も「深刻な懸念」を表明。キャメロン首相は「野蛮で今日の世界からはみ出した行為だ」と非難し、米国のクリントン前国務長官ら多くの著名人も批判の声に加わった。

 スーダンの裁判所は結局、イブラヒムさんを無罪とした。

 男女同権を認め、死刑廃止にも向かう人権重視の欧米と、反発するかのように厳罰化を強める一部のイスラム諸国。国境を越えた人の移動や犯罪が増える中で、異なる宗教や価値を認めない過激思想の台頭は大きな懸念になっている。


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