ローマ法王:中東を歴訪…24日から

ローマ法王:中東を歴訪…24日から
2014年5月23日 毎日新聞

 世界約12億人のキリスト教カトリック信徒の頂点に立つフランシスコ・ローマ法王が24日から3日間の日程で中東を歴訪する。キリスト教の正統性を巡って11世紀にカトリックとたもとを分かった東方正教会との和解を確認し、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の共通の聖地エルサレムで他宗教との対話を推進する。法王による融和の呼びかけと平和の祈願が中東和平交渉のこう着打開につながるかどうかが焦点だ。【ローマ福島良典】

 法王の中東の聖地巡礼は前任のベネディクト16世が2009年に訪れて以来、5年ぶり4回目。ヨルダンの首都アンマン、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベツレヘム、聖都エルサレムを歴訪する。狙いは(1)正教会との和解と協力の確認(2)ユダヤ教、イスラム教との宗教間対話の促進(3)イスラエル政府とパレスチナ自治政府に対する和平の呼びかけ--だ。

 カトリックと正教会の関係では、1964年にローマ法王・パウロ6世と、正教会の精神的支柱であるアテナゴラス・コンスタンチノープル総主教がエルサレムで和解の会談に臨んでから50周年の節目。フランシスコ法王は今のコンスタンチノープル総主教、バルトロメオ1世と共にキリスト教各派を招いて記念式典を行い、東西教会の関係強化をうたう共同宣言を出す。

 宗教間対話ではイスラエルのチーフ・ラビ(ユダヤ教の導師)2人やグランド・ムフティ(イスラム教指導者)と会談する。歴訪には、友人であるアルゼンチンのラビ、アブラハム・スコルカ師と、イスラム団体「アルゼンチン・イスラム・センター」前事務局長のオマル・アブード師が同行する。

 イスラエルとパレスチナ自治政府の和平交渉はオバマ米政権が妥結期限に設定していた4月末が過ぎ、決裂状態が続く。パレスチナ側は法王のベツレヘム巡礼を「パレスチナ(国家)の承認にあたる」(ジャマル・ハデル神父)と歓迎、予定されている難民キャンプ訪問で「イスラエルによる占領の実態」がクローズアップされると期待している。

 法王歴訪が中東和平交渉に与える影響について「米国ユダヤ人委員会」のデイビッド・ローゼン国際部長(宗教間問題担当)は「歴訪中、法王がネタニヤフ・イスラエル首相とアッバス・パレスチナ自治政府議長を引き合わせる機会はない」と悲観的だ。

 だが、宗教対話を推進するイタリアの非政府組織(NGO)「テベレ対話協会」のムスタファ・チェナプ・アイデン氏(36)は「法王の対話姿勢は中東イスラム世界で支持されている。ユダヤ教、イスラム教の指導者が法王に同行することが、イスラエルとパレスチナの世論に和解を促すメッセージとなる」と指摘する。

 ◇東方正教会、ユダヤ教と関係深化を

 バチカン(ローマ法王庁)でキリスト教東方正教会、ユダヤ教との関係強化を担当するクルト・コッホ枢機卿(64)にフランシスコ・ローマ法王の中東歴訪の意義を聞いた。【ローマ福島良典】

 --歴訪の力点は。

 ■1964年のパウロ6世とアテナゴラス総主教の会談が(東西教会の)対話の出発点だった。50年の記念式典を機に両者の関係をさらに深化させたい。

 --東西教会にとって共通の課題は。

 ■第一に現代社会で進む世俗化(宗教離れ)だ。公共の場から宗教が遠ざけられる傾向がある。第二に中東からのキリスト教徒の流出だ。キリスト教徒が中東にとどまることができるよう連帯の精神で支援しなければならない。全世界で信仰を理由に迫害されている人々の80%はキリスト教徒だ。

 --イスラエルとの関係は改善されますか。

 ■法王とチーフ・ラビ2人の会見は極めて重要で、キリスト教とユダヤ教の関係を深めることが大切だ。法王はホロコースト(ナチス・ドイツのユダヤ人大虐殺)記念館「ヤド・バシェム」と(シオニズム=ユダヤ人国家建設運動=指導者)テオドル・ヘルツェルの墓を訪れる。

 --反ユダヤ主義への対応は。

 ■原理主義は解決が難しい大問題だ。共に戦わなければならず、全キリスト教徒は反ユダヤ主義に反対しなければならない。


・課題が多い世界に何かしらの希望を導くことができるだろうか・・・

同じ時期に出た以下の記事、清貧法王にとって問題は他宗教ではなく、まず身内の綱紀粛正にあろう。法王にとって当たり前のことでも、教会の官僚たちには何も響かないのだろう。

これはカトリック教会の問題だけではなく、あらゆる宗教・宗派にかかる等しい問題である。清貧を知らずにイエスの行動が分かるはずもなく、いくら神学を極めても机上のものに過ぎない。

こうした行為を咎めるとともに処分するくらいの迫力があればカトリック教会も大きく変わるだろうに。とりあえず指揮官は模範を示すのみか。

清貧なるローマ法王の怒り 枢機卿のぜいたく新居に
2014年5月18日 産経新聞

 ローマ法王フランシスコは、枢機卿時代からおよそぜいたくとは無縁の暮らしを送ってきた。

 法王に選出されても、バチカン宮殿内の十数室からなる法王専用住居は、1人には広すぎると、執務や外国使節の謁見などにしか使っていない。普段は市内のサンタ・マルタ館の、2部屋とバスルームだけという質素な住居に住んでいる。

 サンタ・マルタ館とは、4月に聖人になった故法王ヨハネ・パウロ2世が1996年に、法王選挙のために世界中から集まる枢機卿の宿泊施設として改築させたもので、普段はバチカン勤務の聖職者や外部からの訪問者の宿舎になっている。法王フランシスコは、食事も宿泊者と同様、セルフサービスの食堂で済ませている。

 ところが、前法王庁国務長官のベルトーネ枢機卿が、サンタ・マルタ館の隣にある法王庁所有建物の最上階に、700平方メートルの住居を新築中とメディアに報じられた。自分と家事に従事する尼僧4人のためのついのすみかという。現法王は「聖職者のぜいたくや見え」を厳しく戒めたばかりである。法王はこの件を知り、激しく怒ったとも伝えられている。

 前国務長官は結局、新居は半分の350平方メートルだと明らかにしたが、それでも法王の住まいの5倍もある。(坂本鉄男)


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