介護主夫日記:認知症徘徊行方不明者発見!⇒劇的対面から一転し…

† 経緯は以下の記事を順に見て頂くとして、考え方としては館林市役所の通りなのだが、もう一つ考えられるのは介護認定を受けて有効になった状態で行方不明となった場合は、その効力がどうなのかという問題となるだろう。そうすれば施設入所の負担額は軽減される可能性があろう。認知症で行き倒れ状態にある人の保護という現代的な問題になりそうだ。

‡ 気になったのは、結城教授のコメントにあるように、認知症徘徊をさせないために本人を軟禁状態で自宅介護するということを加速させるのではないかという危惧である。それと当然警察に捜索願が提出されているだろうから、今まで彼女と確認できなかった理由はなぜかを検証しないといけない。家出人の数は数多あるだろうが、認知症であれば居場所は、施設か精神科病院か刑務所くらいしかないわけだから。厚労省は軽減策を考えるだろうが注目しておきたい。


①認知症の妻と7年ぶり再会…NHK番組きっかけ
 2014年5月12日 読売新聞

 認知症による 徘徊後に保護され、身元不明のまま7年間、群馬県館林市の施設で介護されてきた女性(67)について、NHKが11日夜に総合テレビで紹介したところ複数の情報が寄せられ、東京都内の男性(68)が12日、自分の妻と確認した。

 番組は、認知症による徘徊行方不明者を扱ったNHKスペシャル「行方不明者1万人」。NHKによると、発見時の写真や持ち物に記された名前などを紹介したところ、放送中から「知人かもしれない」との電話がNHKに相次いだ。連絡を受けた男性が12日、施設で女性に面会。女性は2007年10月、都内の自宅を出たまま行方不明となり、家族が警察に捜索願を出していた。

 この日は夫婦の41回目の結婚記念日で、夫の男性は「あきらめが9割だった。言葉では表しようがない」と話しているという。


②<認知症女性>7年不明 家族に生活費1000万円超請求か
 2014年5月15日 毎日新聞社

 ◇群馬県館林市も苦慮

 東京都台東区の認知症の女性(67)が2007年に群馬県館林市内で保護され、今月12日まで身元不明のまま民間介護施設に入所していた問題で、女性の7年間の生活費が、市から家族に請求される可能性のあることが分かった。7年間の生活費総額は1000万円を超えるとみられ、市は国や県と協議し慎重に対処するとしている。

 館林市や介護施設によると、07年10月に女性が保護されてから数週間は、一時的な保護措置として市が費用を全額負担した。その後、施設を居住先として仮の名前で市が住民票を作成、生活保護費を支給した。収入や資産、年金給付、親族による援助はいずれもないとみなした。

 女性は保護当時は「要介護3」で、約4年前から寝たきりになり、現在は最も重い「要介護5」と認定されている。しかし介護保険は適用されず、介護費用の全額が生活保護の介護扶助として施設側に支払われてきた。

 関係者によると、女性の生活にかかる費用は保護当初より増え、現在は月額30万円近くとみられる。7年間では総額1000万円以上に上る見通しという。

 館林市の担当者は「本人や家族に資産があることが判明した場合、市が立て替えた費用の返還をお願いするのが原則」と説明する。一方で「前例がなく、我々の対応が今後のモデルになり得る。県や国の指導を仰ぎ、どのように対処すべきか慎重に判断したい」と話している。

 田村憲久厚生労働相は13日の閣議後会見で、この女性の生活費の負担について「どういう解決方法があるのか検討する」と述べた。群馬県内のある行政関係者は「今回のケースを知って『認知症の家族を見捨てても、行政が金を出して施設が世話をしてくれる』と考える人が出てこないか心配だ」と話す。【尾崎修二】

 ◇家族が全額はおかしい、国がガイドラインを

 社会的弱者の保護制度に詳しい結城康博・淑徳大教授(社会福祉学)の話 認知症の女性を必死に捜していた家族が、施設入所に要した費用を全額支払うことになるのはおかしい。認知症の行方不明者が1万人を超えている時代だから、保護した認知症の人の生活費を国や市町村が負担するのは公共サービスの一環だ。家族に全額請求されるようなことになれば、認知症の人を外出させないようにする流れができてしまうのではないか。国がガイドラインをつくるべきだ。


③田村大臣閣議後記者会見概要 (抜粋)
 (H26.5.13(火)9:44~9:56ぶら下がり)厚労省【広報室】

(記者)
 関連してなんですけれども、そういう身元がわからない方を保護するのは法律で行旅病人、行き倒れの人を保護するという、法律に則って自治体は保護しているんですけれども、その家族が見つかった時にその保護にかかった費用というのは家族が負担するということも定められているんです。その法律に基づいて今回7年間の生活費と介護費を全て家族に請求するというふうに説明を家族側は受けたということなんです。この法律を所管する大臣として、こういうケースの費用の負担の在り方というのをお考えになる。

(大臣)
 事実関係を確認しないと、私その事実を確認しているわけではないんですが、そういうことも含めて検討するということじゃないですかね。警察といろんな問題点を抽出した時にそういう問題点が出てくるんじゃないですか。それに対してどういうような解決方法があるのか。もちろんかかった費用ですから、生活費というものは家族と一緒におられてもかかる部分だというのが本来のお考えだと思います。そういうことも含めて検討していくということだと思います。



結論 人道問題にしたために今後の道筋はできなかった

生活保護費請求せず 館林で保護認知症女性 人道的保護のため
2014年5月17日 東京新聞

 二〇〇七年に館林市内で保護された東京都の認知症の女性(67)が身元不明のまま民間介護施設に入所していた問題で、市は十六日、女性にかかった約七年分の生活保護費を家族に請求しない方針を明らかにした。総額は算出していない。

 市によると、生活保護受給者本人や家族に収入や資産があることが分かった場合、返還を求めるのが原則。しかし、人道的見地からの保護だったことから、「請求しない」と判断したという。

 女性は〇七年十月三十日に東武館林駅近くで館林署に保護された。県内の病院での検査で認知症と判明し、十一月中旬から生活保護費の受給を開始。十二月中旬から介護保険サービスを受け始めた。

 生活保護費の中から、入所した市内の介護施設の介助費用の自己負担分を支払ったり、暮らしに必要な生活費に充てたりしていた。

 発見当初、市は県警の情報を基に、埼玉県や東京都など東武沿線の自治体や、県内の福祉事務所に照会したが、身元は分からなかった。

 女性は要介護5と認定され、今も寝たきりに近い状態で施設で暮らしている。

 最近になって女性の身元が判明。保護当時、警察が女性の名前を間違ったまま関係機関に身元照会していたことが分かった。

 市は介護保険サービスについては、女性の住民票がある都内の区役所に引き継ぐ。 (美細津仁志)



検証記事 警察と自治体の情報共有問題は他にも・・・

認知症不明者:警察や自治体 情報共有難しく
2014年5月25日 毎日新聞

 認知症で行方不明になり氏名不詳のまま保護され長期間身元が判明しない人については、警察と自治体の連携不足や情報交換を巡る課題も指摘されている。個人情報保護への過剰な対応が情報共有を妨げることもあり、警察や自治体の担当者からは「連携や情報共有のルールを早急に作るべきだ」との意見が相次いでいる。【尾崎修二、銭場裕司】

 認知症による「迷い人」などを保護した警察は法令上、24時間を超えて保護できないため、自治体に対応を引き継ぐ。だが、その後の身元を捜す取り組みや情報共有を巡る規定はなく、警察と自治体がそれぞれの判断で動いているのが現状だ。

 2007年に群馬県館林市で保護された柳田三重子さん(67)=東京都台東区=は、家族が警視庁浅草署に行方不明を届け出ていたにもかかわらず、身元が7年間判明しなかった。このケースでは靴下に「ヤナギダ」、下着に「ミエコ」の記載がありながら、群馬県警は管外の警察に送った迷い人の照会依頼で「ヤナギダ」を記載しなかった上、「下着にはエミコ」と誤記していた。県警内で何らかのミスがあった可能性が高いが、女性を市と介護施設に引き継いだ後に十分な情報交換をしていれば、県警が正確な内容を把握する機会はあったとみられる。

 しかし、介護施設は「市とは女性の生活費に関するやりとりが毎月あったが、警察からの連絡はほとんどなかった」と証言。市も「初期の段階で県警から『身元が判明しない』と言われて以降、特に情報交換はしていなかった」と振り返る。

 県警も、文書が保存されている過去3年のうち11年と13年12月に館林署が施設に近況確認の電話をした記録が残るだけで、市とのやりとりは記録にないという。13年12月の電話で県警は「ヤナギダ」の名字を認識したと説明するが、その後も「エミコ」という誤った情報を正すことはなかった。

 女性が保護された館林駅は東武伊勢崎線の区間急行などの終点。施設によると、ホームで駅員に声をかけられて改札の外に出され、さまよっていたところを警察に保護された。市や施設は当時、「伊勢崎線起点の浅草駅方面からやってきたのでは」と考えた。

 実際、市は独自に沿線自治体に情報発信し身元確認を試みている。栃木県足利市と佐野市、埼玉県羽生市に電話し、同市と加須、久喜、春日部、越谷、草加の各市にファクスを送った。東京都墨田区と足立区、台東区にはメールを送り、埼玉県警本庄署と警視庁向島署にもファクスで照会した。それでも身元を特定できなかった。

 ある警察本部の幹部は「自治体に引き継いだ後も、警察から情報を求めていれば、再検索の(末に身元を特定できた)タイミングはあったのではないか」と話す。一方、別の警察本部の幹部は「一部の自治体では、情報を求めても『個人情報だから』と拒否されることもある。例えば子供の情報も、学校と警察で個人情報の関係で締結して(ルールを決めて)初めてやりとりできる」と指摘する。

 毎日新聞が政令市など74自治体に2~3月に実施したアンケートでも個人情報保護の問題を指摘する声があった。「身元特定に結びつく情報の共有が難しい」「警察や関係機関との連携システムが確立されていない」などの意見が寄せられた。



認知症不明者:確認強化 照会項目増やし…警察庁通達
2014年6月5日 毎日新聞

 ◇昨年の自治体引き渡し157人 うち13人身元判明せず

 認知症が原因で行方不明になる人が相次いでいる問題で、警察庁は5日、捜査の現場で活用されている身元確認照会システムを状況に応じて使うことや自治体との連携強化を求める通達を各都道府県警に出した。警察庁が認知症に特化した総合的な通達を出すのは初めて。2013年に警察で保護して自治体に引き渡した人数は157人で、このうち今年5月末時点で13人の身元が判明していないことも明らかにした。

 警察庁によると、13年に認知症で行方不明になったとして届けがあった人数は1万322人で、前年より715人(7.4%)増加した。認知症のため、保護されても名前が分からず身元が判明しないケースもあり、関係者から対応の見直しを求める声が上がっていた。

 通達によると、全国の警察をつなぐ従来の行方不明者照会システムでも身元が判明しない場合、捜査現場で身元不明遺体の照合用に使われている身元確認照会システムを活用することを求めた。着衣や写真資料など入力項目が15から28に増えるため、名前が分からなくても身元が判明する可能性が高まるとみられる。

 各警察本部が署任せにせず近隣の県警への照会(迷い人照会)作業に関与することも明記。親族らが希望すれば行方不明者の顔写真などをインターネットで公表することも検討する。

 また、警察による保護期間(24時間)以降も、行方不明者の引き継ぎ先の市町村と継続して連絡を取ることを改めて求めた。保護している市町村側が希望した場合は、顔写真などを添えた閲覧用の資料も警察本部などに備え付ける。

 警察庁によると、行方不明者の届けが出た認知症の人のうち13年中に所在が確認されたのは1万180人。内訳は、▽警察が発見6045人▽帰宅などで確認3464人▽死亡388人--などだった。全体の97・7%は1週間以内に確認された一方、32人は2年以上かかっていた。

 認知症の行方不明者を巡る問題は毎日新聞が1月から報じた。2年以上仮名で暮らす男性の存在が本紙報道で明らかになり、身元不明者の問題が顕在化していた。【長谷川豊】



認知症身元不明:情報共有化、ようやく着手
2014年6月6日 毎日新聞

 認知症のため行方不明になり長期間身元が分からない人がいる問題で、田村憲久厚生労働相は6日、自治体間などで情報共有して身元照会できるシステムを作る考えを示した。警察庁を含む関係省庁と協議する方針で、省庁をまたぐ対策にようやく着手することになった。

 田村厚労相は記者会見で「行方不明者が見つかった場合、他の自治体で捜索している方々にうまくマッチングできる仕組みを作らなければならない」と述べた。同省によると、自治体間や自治体と警察間で情報共有できるシステム作りを目指すものの、具体的な検討はこれから。既に各都道府県が身元不明者の独自調査を進めているが、同省は来週中にも都道府県に調査を依頼し、回答結果をシステム作りの参考にする。

 認知症の身元不明者を巡る問題では、4~6月に顔写真や映像が新聞やテレビで報道された男女3人の身元が判明したが、保護から身元判明までの期間は2~18年にも及んだ。3人はいずれも家族から警察に行方不明者届が提出され、うち2人は衣類への氏名記載や本人が本名を名乗るなど身元判明につながる材料もあり、自治体や施設、警察が正しく情報を共有していれば、早期に身元が判明していた可能性が高い。

 警察庁は、保護を引き継いだ自治体や施設が身元判明につながる情報を得た時は警察に連絡するよう依頼することなど、連携強化を図る通達を5日に出している。【遠藤拓、銭場裕司】


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