ヨハネ・パウロ2世「聖人」に=2法王認定、80万人祝福―バチカン列聖式

ヨハネ・パウロ2世「聖人」に=2法王認定、80万人祝福―バチカン列聖式
2014年4月27日 時事通信社

 世界各地を精力的に外遊し「空飛ぶ法王」と親しまれた故ヨハネ・パウロ2世(在位1978~2005年)ら、20世紀に即位したローマ法王2人が27日、「聖人」に正式に認定された。バチカン市や周辺には世界各地から約80万人の信者が詰め掛け、列聖式を祝った。

 カトリックの頂点に立つ法王2人が同時に聖人認定されるのは初めて。フランシスコ現法王(77)はサンピエトロ大聖堂前に設けられた台座に座り「2人は(激動の)20世紀で悲劇に直面したが、屈することはなかった」と功績をたたえた。式典には昨年退位した前法王ベネディクト16世(87)も白い祭服姿で参列。身体を支えられながらフランシスコ法王と抱き合って祝福した。

 ヨハネ・パウロ2世と共に聖人に認定されたのはヨハネ23世(在位58~63年)。カトリック教会の近代化を決めた「第2バチカン公会議」を催した実績で知られる。【ジュネーブ時事】

 
・記事にもあるが信者からの要望もあり人気のあった法王らを利用することで勢力挽回を図りたいという意向が見え隠れする。

このように異例ずくめで長い伝統を変えることに抵抗を感じる信者もあるだろう。バチカンは転機にあるのだろう。


ヨハネ・パウロ2世 異例の早さで聖人に
2014年4月27日 NHK

バチカンでは、生前、敬けんな信仰を貫いた人をカトリック教会の最高の位である「聖人」とする式典が行われ、東ヨーロッパの民主化を後押しした法王としても知られるヨハネ・パウロ2世が、死去から9年という異例の早さで聖人に列せられました。

バチカンのサンピエトロ広場では、27日、大勢のカトリック信者が集まるなか、ローマ法王のフランシスコ法王と前法王のベネディクト16世が参加し、生前、敬けんな信仰を貫いた人をカトリック教会で最高の位である「聖人」とする式典が行われました。

この中でフランシスコ法王は、「ヨハネ23世とヨハネ・パウロ2世を『聖人』とすることを宣言する」と述べ、2人の元法王を同時に「聖人」と認めました。

「聖人」となるには、通常、死後、2つの奇跡を起こしたことが認定される必要があり、このうち、ヨハネ・パウロ2世は、フランスの修道女と中米コスタリカの女性を重い病から回復させたことが奇跡と認められました。

ヨハネ・パウロ2世は、信者の間から、早く「聖人」にしてほしいという声が強く、長い場合は数百年かかる認定手続きが異例の早さで進められ、死去から僅か9年で「聖人」に列せられました。

ヨハネ・パウロ2世は、1978年から2005年まで法王を務め、1980年代、当時のソビエトの強い影響下にあった出身地のポーランドで民主化運動を支持するなど、東ヨーロッパの民主化を後押しした法王としても知られています。



ローマ法王:2人同時に列聖式 2000年の史上初
2014年4月28日 毎日新聞

 フランシスコ・ローマ法王(77)は27日、先々代のヨハネ・パウロ2世(在位1978~2005年)と第261代のヨハネ23世(同1958~63年)をキリスト教カトリックで最高の崇敬対象である聖人とする列聖式をバチカンのサンピエトロ広場で開いた。元法王が2人同時に聖人となったのは、約2000年のカトリック史上初めて。信徒に広く敬愛されていた元法王2人を聖人と宣言したことでフランシスコ法王は就任から1年余でカトリック界における求心力を一層強め、バチカンでの地歩を固めた。

 聖人は生前、イエス・キリストの教えを模範的に実行した聖職者・信徒に与えられる最高位の称号。式典には昨年2月の退位で「名誉法王」となったベネディクト16世(87)も参列、現職と前任の法王が元法王2人をたたえる前代未聞の場となった。元法王が聖人となるのは1954年の第257代、ピオ10世(在位1903~14年)以来。

 ヨハネ・パウロ2世(ポーランド出身)は在位中に129カ国を歴訪して「空飛ぶ法王」の異名を取り、東欧民主化を後押しして「ベルリンの壁」崩壊と冷戦終結に道を開いたが、教義面では保守派だった。

 一方、ヨハネ23世(イタリア出身)は親しみやすい人柄で「善良な法王」と呼ばれ、カトリック教会を現代社会に合った形に改革するため、第2バチカン公会議(62~65年)を招集し、バチカン中心主義をただすよう提唱した改革派。

 聖人に列せられるには通例、科学的に説明できない病気の回復などの奇跡2件が必要となるが、フランシスコ法王は二つ目の奇跡が認定されていないヨハネ23世について死後50年の昨年、聖人とすることを決めた。ヨハネ・パウロ2世は死後わずか9年の異例の早さで聖人となった。

 聖人となった元法王2人は20世紀を代表し、カトリック教会の2大潮流である改革派と保守派を象徴する聖職者。フランシスコ法王による2人の「同時列聖」にはバチカン内の改革、保守両派を掌握する狙いがありそうだ。近年のスキャンダルで傷ついたカトリック教会の威信を高め、現代社会で進む宗教離れに歯止めをかけたい意向もうかがえる。

 昨年3月に中南米出身初のローマ法王となったフランシスコ法王は、社会的弱者に寄り添う「貧者の教会」を掲げ、格差是正や戦争回避を訴える外交を展開している。一方でローマ法王庁の機構改革に取り組み、「第2バチカン公会議の精神を実践している」(バチカン専門家)とされる。

 ヨハネ・パウロ2世時代にバチカン日刊機関紙オッセルバトーレ・ロマーノの副編集長を務めたジャンフランコ・ズビデルコスキー氏(77)は「フランシスコ法王は一般信徒や高位聖職者の枢機卿からは広く支持されているが、お膝元の法王庁は一枚岩ではない。列聖式でフランシスコ法王の地位が強まるだろう」と推測する。

 式典には34カ国の首脳、推定約80万人の信徒が参列し、イスラム教、ユダヤ教の聖職者も出席した。 【ローマ福島良典】

 ◇カトリック教会の「聖人」

 宗教的な崇敬の対象となる特別な人物。カトリック教会では、生前、類いまれな英雄的な徳を示した聖職者・信徒に死後、ローマ法王が称号を付与する。「聖人」になるにはそれに先立ち、「神のしもべ」、「尊者」、「福者」と段階を踏んで認定されなければならない。聖人、福者となるには殉教者の場合を除き、通例、その人物が死後に起こした「奇跡」の認定が必要とされる。日本には16~17世紀のキリシタン迫害で殉教した42人(日本人29人、外国人13人)の聖人がいる。


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