<遍路道>朝鮮人排斥訴える貼り紙 徳島、高松の5休憩所
<遍路道>朝鮮人排斥訴える貼り紙 徳島、高松の5休憩所
2014年4月10日 毎日新聞
四国遍路の巡礼者が使う休憩所のうち、徳島県と高松市の計5カ所で、朝鮮人排斥を訴える紙が貼られていたことが10日、分かった。貼り紙は「日本の遍路道を守ろう会」との名で、「礼儀しらずな朝鮮人達が気持ち悪いシールを四国中に貼り回っています。見つけ次第、はがしましょう」などと印刷されていた。事態を受けて、徳島県は遍路道のある県内各市町村に確認を呼び掛け、徳島県警も軽犯罪法違反(はり札乱用)容疑を視野に情報収集している。
徳島県内では、徳島市の観光施設「阿波おどり会館」前の休憩所で4枚▽吉野川市の休憩所で1枚▽阿波市の休憩所で2枚−−の計7枚が見つかった。一番札所「霊山寺(りょうぜんじ)」(鳴門市)でも枚数は不明だが、発見された。
高松市一宮町の休憩所では、先月28日朝、管理人の男性(71)が貼り紙1枚を発見し、はがしたという。男性は「非常に腹立たしい。今年は四国遍路開創1200周年で、国も『おもてなし』を言っているのにこんなことするなんて」と憤った。
札所の寺院で組織する四国八十八カ所霊場会は、4度目の結願(遍路終了)をし外国人として初めて遍路道の案内役や巡拝作法を手ほどきする「先達(せんだつ)」に、韓国人女性の崔象喜(チェ・サンヒ)さん(38)=ソウル市=を昨年12月認定した。崔さんは、インターネットで遍路文化を紹介するサイトや、遍路宿や休憩所にハングルで書かれた自作のシールを貼るなど海外に遍路を紹介する活動を続けており、貼り紙は崔さんを中傷したものとみられる。【加藤美穂子、立野将弘、伊藤遥】
・観光立国をめざす気になった日本なのだが、その実効には疑問がある。
この事件だが、四国遍路を紹介する韓国人女性に対しての中傷が目的らしい。四国遍路の参加したことはないが外国人も関心があろうし中には歩いている方もいるはずだ。
昨今の中国・韓国との政治的対立を背景にしたものとしても、文化交流、それも日本の伝統文化を世界に伝えるということが大事なことであることは誰しも理解している。地元の人たちも同意するだろう。
国は海外にならって観光地に表示されている看板を多言語表記することを推進している。日本は知られている観光地を除いて、こうしたソフト面に配慮してこなかった。
また最近ではイスラム圏からの観光誘致をめざして、宗教や食文化に配慮した施設ができ始めている。
日本人がこれからも世界で生きていくためには、日本の伝統文化を海外に知ってもらい、日本に興味を持ってもらうことが近道である。円安で、今後とも観光客は伸びるだろう。
中国・韓国とは千年単位の交流があり過去にもさまざまなことがあった。昨今のヘイトスピーチ現象の奥底にあるのは、人間の持つ複雑な感情なのだろう。
どこかのプロサッカーチームが無観客試合を命じられたのも記憶に新しいが、差別すれば差別される社会を助長し自らも影響をこうむる可能性があることは明白だろう。
四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ http://www.88shikokuhenro.jp/
参考 外部リンク
ヘイトスピーチ” 日韓友好の街で何が・・・
2013年5月31日 NHKおはよう日本
参考 産経も好意的に紹介!
外国人女性初の「先達」に 韓国の崔象喜さん 香川
2013.12.3 産経新聞
■「人と人との交流を深めたい」
四国八十八ケ所霊場会(四国霊場会、香川県善通寺市)公認の「先達(せんだつ)」に、韓国・ソウル市在住の崔象喜(チェ・サンヒ)さん(38)が3日、海外の外国人女性として初めて認証される。先達とは、初心者に作法などを教え導く役目。お遍路での人との出会いに感動した崔さんは「もっと人と人との交流を深める活動をしたい」と意欲をみせている。
崔さんは平成22年3月、インターネットなどで四国遍路を知り、18年に亡くなった父親の供養のためお遍路に挑戦。困ったときに地元の人が親切にしてくれる「お接待」に感動した。交流を通じて日本語はみるみる上達し、いつしか春のお遍路は恒例となっていた。
「高齢の男性から『一緒にお遍路を回ってほしい』と白衣(びゃくえ)を託され、すごくうれしかった」、「子供たちが声をかけてくれ、がんばろうという気持ちになった」と、5月に4周目を達成したお遍路の思い出は尽きない。帰国後も連絡を取り合う友人が次第に増え、今年6月に訪れたスペインでは、お遍路の話題で地元の人やドイツ人と盛り上がったことも。お遍路を通じて深まる縁を感じる。
そんな崔さんは「私も少しでもお接待がしたい」と、お遍路の缶バッジを感謝の気持ちとして配ったり、遍路道を示すステッカーを作成したりしている。
四国霊場会によると、公認先達になるには、お遍路を4周以上するとともに霊場88カ所のうち1カ所からの推薦が必要で、11月現在で約9千人がいる。3日の研修会では新たに約400人が加わり、心得を記した「先達教典」、朱色の金剛錫杖などが贈られる。
「韓国でお遍路に興味を持つ人をしっかり案内したい」と意気込む崔さん。日韓両国間の関係は問題を抱え、冷え込んでいるが、「お遍路で本当に日本人、日本のことが好きになれる。人と人とは仲良くしていくことはできるはず。これからもお遍路のために活動したい」と力強く語った。
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