ザ・プレミアム 超常現象 第1集「さまよえる魂の行方」

ザ・プレミアム 超常現象 第1集「さまよえる魂の行方」
2014年1月11日 NHK-BSプレミアム

幽霊、生まれ変わり、透視、テレパシー…。超常現象を、科学的に解明しようという試みが、急速に進んでいる。第1集は、死後の世界や魂の謎を解明しようという科学者たちに迫る。イギリスで行われた幽霊城の大規模調査。電磁波や低周波音測定器などの最新機器が異常な数値を捉えた。その分析からは、心霊現象の意外な正体が明らかに。さらに、子どもたちが語る前世の記憶や、臨死体験の証言を、科学的に分析する試みを追う。89分

ナビゲーター:阿部寛(俳優)
語り:小林千恵
ディレクター:梅原勇樹


・ドラマ仕立てで番組を進行する構成は多くなっている。この案内役の俳優はミステリアスな民放ドラマの主人公もしているので適任と考えられたのだろう。つまり謎解きと科学の姿勢が一致するためだろう。

こうした番組は胡散臭いものと見做されるし、登場する研究者たちの評価も分からないのが現実なのだが、例えばNHKという看板があればニセ作曲家も信じてしまう危うさもある。だから疑いつつ見よう。

ただ個人的には、精神世界は探求している分野なので、それが現代のハイテク機器を使って、脳科学の知見を使って少しでも解明できるならば人間を知るうえで必要なことではないかと思う。

問題なのは、こうした体験と称するものは本人の自覚とは異なり絶対化されることで独り歩きしてしまう。自分自身の体験だから本物であり、他人にも通じるというのが違っているように思える。

自分自身の身の上に起きたことの本当のことが分かるほど、人間は自分自身に客観的になれるはずはなく、それを補って人間は知らず知らずのうちに記憶を修正していくことはよくあることだ。

この番組では科学的として脳科学などで一応の説明を試みるが、それでも未だ説明がつかない事柄があるという結論になる。こうした展開で番組作りをすることは新鮮味はない。それが例えば、地動説を唱えたガリレオなどを例に出されると始末に悪いのだ。

こうした研究が急速に進んでいるとするのは、ちょっと宣伝しすぎであり、幽霊の正体を解明してもノーベル賞はもらえないから実利性のある研究をするのがまっとうだろう。

つまり視聴者が判断できるほどの一般化できる問題でもないだろうし、在るともないとも言えないという曖昧なところに結局はなるからだ。そしてあったらいいね、というぐらいのスタンスで報道していることもどこかに入れてほしいくらいだ。

最近の説得力ある考え方は、生存本能と結びつけて脳の錯覚で説明付ける方法だ。

・気配を感じる⇒脳が恐怖を感じる⇒生存本能から体表面温度を下げる⇒背筋が凍る
・「パレイドリア効果」=無意味なランダムな模様の中に顔などを感じる脳の錯覚
・幽霊プラズマ説⇒電磁波が脳に影響を与え光の球の幻覚を見る

例えば、パレドリア効果なるものはゲシュタルト図形に意味を見いだすものであり、顔面石・顔面魚など、人が勝手に意味を見いだしていることだ。つまり人間は自分の見たいものを見る習性があるので、単なるシミが怪物に見えたりするのは容易に理解できる。

次に、脳死体験に話は移る。死んだらどうなるのか。

臨死体験の事例、似通った現象が起きるという。昔、立花隆が取材したNHK特集の臨死体験と同じ話であり変わったところはない。昨年発表されたミシガン大学の瀕死のネズミの脳波検査で、心臓停止後も脳波は30秒間に渡ってより活発に活動したという。またパイロット養成訓練で人為的に低酸素状態を作り出すと人間は同じような光景を見るという。つまり脳の作用で説明が可能だという。

体脱体験(意識が身体から抜け出る)も立花隆も報告していたが、これも脳の錯覚によるものとする実験を行っている研究者らの報告があった。それでも自由に意識が浮遊することから説明が困難があるということで未解明。

前世記憶を有する生まれ変わり体験。バージニア大学知覚研究室は、この研究では有名であるそうだ。2500件以上の事例があるという。3歳児前後で前世の体験を話し6歳ごろには話すことは忘れてしまうという。ただ発達心理学の研究者は2歳前後は脳の未発達な状態で形成過程にあるという。

個人的な結論としては、科学的なモノの見方をすることと、割り切れないこともあることを自覚することだ。私も有名な相対性理論の内容は知らないが、それを応用しロケットは打ち上げられているはずだろうし、理解できなくとも信じられることは多い。

そして決して番組では語られていないのは、いま自分自身が生きている不思議さなのだ。超常現象とは幽霊を見たり前世を想い起こしたりすることよりも、毎日の生活で感じる人と人との不思議なつながりに思いを馳せることだけでもインパクトがあるのだと思う。

そうした偶然といえる体験を幾度も人は経験しているはずで、それをことさら絶対化せずにいれば、お金など物質に支配されるだけの世の中の裏に隠されている神秘的な仕組みを感じることもできるのではないだろうか。

それにしても科学の謎解きは面白い。しかし人を騙すことで生きている体験者やマスコミも多くいて簡単には信じないこと、信じても信じ切らないことが大事なことである。人間はそれほど騙され易いしいい加減なものなのだとすることから全ては始まる。それがいかに科学的な手法であると説明されても信じ切ることは止めた方がいい。

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