人々の悲しみに寄り添う「臨床宗教師」養成へ 震災機に龍谷大、西日本初

人々の悲しみに寄り添う「臨床宗教師」養成へ 震災機に龍谷大、西日本初
2014.2.27 産経新聞

 東日本大震災を機に認証が始まった「心のケア」を担う宗教者「臨床宗教師」を、龍谷大大学院(京都市下京区)が養成することになり、27日、同大が発表した。平成26年度に在学生向けの研修を始め、翌27年度以降は社会人にも門戸を広げる。全国2例目で、西日本では初の試み。

 臨床宗教師は、宗教や宗派の違いを超え、被災地や医療現場などで人々の悲しみに寄り添う宗教者。教会以外で活動する欧米の牧師「チャプレン」をモデルに、東北大大学院が24年度に養成講座を設けた。これまでに宗教者57人が認証されている。

 龍谷大大学院では4月から、東北大大学院と連携し、浄土真宗の教義を学ぶ既存の科目に加えてグリーフ(悲嘆)ケアを研究する必修科目を新設。実習で、東日本大震災の被災者や緩和ケア病棟の患者、広島の被爆者らへの傾聴を行う。

 1年間の研修後に修了証を交付。鍋島直樹教授(真宗学)は「苦しみや悲しみに全人的に向き合える宗教者を育てたい」と話した。


・「臨床○○○」という名称はさまざまある。この臨床宗教師なるものも分かりにくいものであるが、欧米のチャプレンを想定したものということである。

2012年4月から東北大大学院文学研究科に実践宗教学寄附講座が開設された。そして2014年4月から龍谷大大学院でも臨床宗教師を養成するという。以下の龍谷大学のプログラムを見ると必要なカリキュラムが分かる。

東北大はとりあえず3年間だけの寄付講座として開設された。龍谷大学は今後とも養成を続けていくことになるのだろう。この契機となったのは東日本大震災での宗教家やボランティア等の援助活動を支援するという目的があるようだ。

(龍谷大学、外部リンク)
心のケア」を実践する宗教者 「臨床宗教師」を養成 龍谷大学大学院実践真宗学研究科と東北大学大学院文学研究科が連携協力する大学院教育プログラムがスタート

日本では病院や施設に宗教家が入っていることは、まだ珍しいことで、欧米の文化とは違う。このような試みがあったことは知らなかったが、心理系には様々な民間資格があり特に死について重点を置くものも多い。近年、こうした研究も盛んであり別に驚くことはない。

グリーフケアにしても傾聴にしても、心理系や福祉系、医療系に加えて宗教系が加わることでさらに複雑な様相となっていくのだろう。ご承知の通り、日本にはカウンセラーの国家資格が未だに存在しない。学界認定や民間資格が乱立しており混乱してしまう。戦争に負けたことにより徹底的に解体された国家宗教と教育の仕組みの負の遺産に未だに苦しんでいるようだ。

他人の悲嘆を受け止めることと、こうした資格制度については直接的に結び付くのかは個人的には分からない。関連の研究成果を学ぶことや実習することで、そうした基本的な態度が身につくかは分からない。一定の宗教的な知識があるからこそ、相手に対して素直に対することがかえってできなくなるような気もする。


4月から「臨床宗教師」養成、東北大と連携- 龍谷大、全国2例目
2014年02月28日 キャリアブレイン

 龍谷大大学院(京都市)は4月から、宗教的な側面から心のケアを行う「臨床宗教師」を養成する講座を開く。初年度は、主に実践真宗学研究科の学生を教育し、次年度以降に社会人まで対象を拡大。既に養成がスタートしている東北大大学院と連携し、東日本大震災の被災地での実習も行う。臨床宗教師の教育プログラムは全国2例目。【敦賀陽平】

 東日本大震災の発生後、医療者や宗教者らが被災地で支援活動を行う中で、家族や友人を亡くした被災者の悲しみに寄り添う「グリーフケア」の重要性が高まった。

 東北大は一昨年春、教会以外の場所で活動する欧米の聖職者をモデルに、臨床宗教師の養成講座を全国で初めて開設。同大では、これまで57人が臨床宗教師の認証を受けている。

 新設される講座では、東日本大震災の被災地のほか、病院や社会福祉施設などでの実習を取り入れながら、学生自身の死生観や人生観などを養う。期間は1年間で、初年度は5-10人の受講生を予定している。

 臨床宗教師の認証を受けた卒業生は、終末期医療やリハビリテーションの現場などでの活躍が期待される。龍谷大によると、実践真宗学研究科には、医師や看護師の資格を持つ学生もいるという。同大では4月24日、講座の開設を記念するシンポジウムを京都市内で開く。



制度の背景と問題点
「臨床宗教師」の可能性を社会のニーズから探る~「臨床宗教師」をめぐる考察 前編~
2012/06/01 宗教情報センター

「臨床宗教師」資格制度の可能性を探る~「臨床宗教師」をめぐる考察 後編~
2012/06/07 宗教情報センター


追記

宗教者と医療・介護現場の橋渡し役に
2014年08月14日 キャリアブレイン

 関西の仏教者らでつくるNPO法人「ビハーラ21」は9月にも、一般社団法人「臨床宗教師・ビハーラ協会」を設立する。東北大などで養成が始まっている「臨床宗教師」と医療・介護現場をつなぐ橋渡し役を目指す。同大の実習先にも指定されている岐阜県大垣市の沼口医院に本部を置き、沼口諭院長が代表に就任する。【敦賀陽平】

 臨床宗教師は、患者や家族らの心のケアを担う宗教者で、2012年春に同大大学院で養成が始まった。今年4月からは、龍谷大大学院(京都市)でも養成プログラムが開設され、その動きは全国に広がりつつある。

 だが、修了者が医療や介護の現場で働きたいと思っても、仲介する組織がないため、個人がボランティアとして活動することが多かった。また、宗教に対する誤解などから、トラブルに発展するケースもあったという。

 ビハーラ21の三浦紀夫理事は、「臨床宗教師を必要としている病院や福祉施設などの声を集め、修了者とのマッチングなどの支援を行っていきたい」と話している。


関連記事
スポンサーサイト

コメント


トラックバック

↑