NHK、脱原発テーマに難色=大学教授がラジオ番組降板

NHK、脱原発テーマに難色=大学教授がラジオ番組降板
2014年1月30日 時事通信

 NHKラジオ第1放送の番組に出演予定だった東洋大の中北徹教授(62)が「原発事故のリスクをゼロにできるのは原発を止めること」などと話す意向を事前に伝えたところ、担当ディレクターから「東京都知事選の期間中はやめてほしい」と難色を示され、テーマの変更を求められていたことが30日、同教授への取材で分かった。中北教授は同日朝の出演を拒否し、番組を降板したという。

 番組は午前5~8時の「ラジオあさいちばん」。中北教授は「ビジネス展望」のコーナーでコメントする予定だった。

 中北教授によると、29日午後にシナリオを作成しディレクターに送付。原発の稼働コストが上昇し、石炭や石油による発電コストと差が縮小しているほか、事故の発生確率を減らしても、1件当たりの損害額が巨額になる点を経済学者の観点から話すと伝えた。

 これに対し、ディレクターは「有権者の投票行動に影響を与える」「(脱原発は)選挙が終わってから扱ってほしい」などと答え、テーマのさしかえを求めてきたという。中北教授は「特定の立場に立っていない」と主張したが、受け入れられなかったとしている。

 中北教授は「長年出演してきたが、こんなことを言われたのは初めてだ」と話している。

 NHK広報部の話 意見が対立する問題を扱う場合、双方の意見を伝えるなど公平性を確保するよう努めている。今回の番組では演出上そうした対応を取ることが困難だったためテーマの変更を求めた。

 
・非常にびっくりとしている。

このNHKラジオ第一のビジネス展望だが、ほとんど欠かさずに視聴している。この番組は、電話か事前収録で18人の経済評論家や大学教授などが交代で時の経済問題を中心にして、批判的な見方を提示する数少ないNHKの良心というべきものである。

番組を聴いていると分かるが、登場する識者にNHKのアナウンサーが合いの手を入れる構成であり、識者が一人で語り切ることはない。アナウンサーが経済の専門家でないことからも、事前に打ち合わせしていることは自明であった。

この記事にあるように、シナリオをディレクターにファックス等で送付して、ディレクターが7~9分程度の番組内に収まるようにアナウンサーの合いの手を考えるのだろうと思う。

記事では、都知事選の主要テーマである原発ゼロを後押しするような内容が知事選期間中は相応しくないという意向を伝えられたということだ。NHKの理屈はそれで分かるとしても、この番組を長年視聴している立場として、その奇異さを感じざるを得ないのは中北教授のコメントと同じ感想を持ったためだ。

原発リスクに対しては、厳しく主張される番組出演者は多くて、中北教授の論調は異質ではないのだ。例えば、慶応大学の金子教授はもっと厳しい内容を、この番組でしゃべるのだ。

中北教授も、過去から学者としての立場から政権に批判的な見方をするのだが、それは当然のことだろうと思う。今回の中北教授の主張も、特定の立場でないことは明らかであり、原発の非効率性を経済学者としての分析から語る内容に過ぎない。政治的な意図はない。

加えて、NHK新会長の従軍慰安婦問題の認識や領土問題に対する報道姿勢が大問題となり、慌てて主張を個人の考えとぼかしたが、当然に職員らに対する政権寄りの報道を強要する可能性があることを浮き彫りにしている。

この中北教授の番組降板も、自らの主張が何らかの制限を受けたという思いからだろう。それは担当ディレクターの自主規制なのだが、それが多くの職員の深層意識に左右することになれば、本当に必要な情報を制限するという事態に拍車かかることに違いない。

国民の多くは、情報の信頼性という点からはNHK報道を一番信頼しているわけであり、そのNHKの会長人事や経営委員人事に政治家が介入しているとするならば、報道の自由はなし崩しになり政権寄りの言論機関に成り下がることだろう。

NHKは、この問題についてコメントすることは、これ以上ないだろう。ただ、現在出演している識者の方も呼応して出演を躊躇するようになる可能性がある。自分自身の主張が言えないならば、この番組の存在価値はないと思っても仕方ない。早朝にわざわざ安い出演料で厳しいことをしゃべることもないからだ。

個人が自主規制を行うことが進んでいるが、それがさらに生きずらい日本を形成していくことになる。何も特定秘密保護法を厳格に運用しなくても目的は達するのだ。

なお、記事では詳しく説明されていないので、以下に出演者リストを作成してみた。NHKのホームページにも出演者リストはない。放送時間は、NHKラジオ第一放送で「ラジオ体操」後の午前6:43~6:52で月~金曜日に放送されている。

追記
2015年度から、番組名を変えて放送を開始。ラインナップをみると30人のコメンテーターが日替わりということで、ビジネス展望時代は月に2回出演する人が多かったが、出演回数が減ることになる。

内容も科学やスポーツなど、およそ関連の薄いものも含まれており、内容を薄めたいという意向があるのかもしれない。政治・経済に批判的な見方をできた番組が、どのように変貌するのかしないのか、今後とも視聴を続けたい。


「ビジネス展望」出演者リスト 2014年1月現在(出演回数は異なる)
  
  経済アナリスト 森永卓郎
  早稲田大学ビジネススクール教授 遠藤 功
  慶應義塾大学教授 金子 勝
  キャノングローバル研究所研究主幹 山下一仁
  同志社大学大学院教授 浜 矩子
  日本総合研究所理事長 寺島実郎
  野村資本市場研究所シニアフェロー 関 志雄
  明星大学教授 関 満博
  経済評論家 内橋克人
  立教大学経済学部教授 山口義行
  経済アナリスト 藤原直哉
  嘉悦大学教授 黒瀬直宏
  京都大学大学院経済研究科教授 諸富 徹
  (株)日本総研調査部長 山田 久
  評論家 田中直毅
  東洋大学大学院教授 中北 徹 ⇒降板へ
  日本エネルギー経済研究所研究顧問 十一 勉
  信州大学経済学部教授 真壁昭夫



2014年度に入っての新しい出演者リスト
  作家 幸田真音
  (株)双日総合研究所チーフエコノミスト 吉崎達彦
  現代中国研究家 津上俊哉
  法政大学大学院教授 坂本光司
  早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授 川本裕子
  日本エネルギー経済研究所主席研究員 小山 堅
  九州大学大学院経済学研究院教授 篠﨑彰彦


▼「ビジネス展望」
世界経済の動向を見据えながら、日本経済の現状や再生に向けての動きを、第一線で活躍する18人の大学教授やエコノミスト、経済アナリストなどが、分かりやすく解説します。



NHK新番組 2015/3/30 から
NHKマイあさラジオ
社会の見方・私の視点
 月〜金 午前6時43分頃~

複雑化する社会、グローバル化の波、少子高齢化……ニュースだけでは分からない事象の背景を、どんな視点で考察すればいいのか、レギュラー専門家30人が日替わりで解説します。
政治・経済・福祉・科学・スポーツ……様々な分野の第一人者が、今の社会を読み解きます。


「社会の見方・私の視点」出演者一覧 (順不同) 2015年4月現在

  立教大学経済学部教授 山口義行
  消費社会研究家 三浦  展
  淑徳大学総合福祉学部教授 結城康博
  慶応義塾大学経済学部教授 駒村康平
  (財)日本総合研究所理事長 寺島実郎

  同志社大学大学院教授 浜 矩子
  京都大学大学院経済学研究科教授 諸富 徹
  (株)双日総合研究所チーフエコノミスト 吉崎達彦
  コンサルティング会社共同経営者 吉川尚宏
  経済アナリスト 森永卓郎

  法政大学経済学部教授 小黒一正
  経済評論家 内橋克人
  (財)日本エネルギー経済研究所常務理事 小山 堅
  嘉悦大学大学院教授 黒瀬直宏
  評論家 田中直毅

  一橋大学大学院経済学研究科教授 齊藤 誠
  法政大学スポーツ健康学部教授 山本 浩
  慶應義塾大学経済学部教授 金子 勝
  作家 幸田真音
  東京大学大学院教授 川島  真

  大和総研副理事長 川村 雄介
  宮城大学名誉教授 大泉一貫
  サイエンス作家 竹内 薫
  中央大学文学部教授 山田昌弘
  同志社大学学長 村田晃嗣

  筑波大学医学医療系教授 斎藤 環
  ジェトロ北京事務所次長 真家陽一
  福山大学経済学部客員教授 田中秀征
  放送大学 教授 高橋和夫
  東京大学公共政策大学院客員教授 増田寛也


追記 NHKのHPにやっと出したリスト
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追記 2016年度

20160419.jpg


NHK、都知事選中の脱原発論に待った 大学教授が降板
2014年1月30日 朝日新聞

 NHKの朝のラジオ番組に出演予定だった中北徹・東洋大教授が、番組内で脱原発をテーマに取り上げようとしたところ、NHK側にテーマ自体の変更を求められ、番組を降板していたことが分かった。「都知事選中は原発問題はやめてほしい」と言われたという。

 番組は月~金曜の午前5~8時のラジオ第1放送「ラジオあさいちばん」。中北教授は「ビジネス展望」というコーナーに20年来出演しており、30日朝も「原発の再稼働のコストと事故リスク」をテーマに出演する予定だった。だが、前日に原稿案を見せたところ、ディレクターに「テーマを変えてくれ」と言われたという。

 原稿案は「事故発生時の損害額が桁外れに大きい」として、原発稼働におけるコストの増大を指摘する内容だった。中北教授は外務省を経て研究者となり、第1次安倍政権で「アジア・ゲートウェイ戦略会議」の座長代理も務めた。「選挙期間中だからこそ本質的な議論をするべきだ。過剰に自主規制するNHKの対応は問題意識が欠けている」と話す。



NHKが原発テーマ変更求め、教授が出演拒否
2014年1月30日 産経新聞

 NHKラジオ第1の番組で、脱原発に言及しようとした東洋大の中北徹教授(62)が、NHK側に東京都知事選期間中を理由にテーマ変更を求められ、出演を拒否していたことが30日、分かった。

 NHKなどによると、番組は30日午前5時放送の「ラジオあさいちばん」。中北教授は「ビジネス展望」のコーナーで「原発稼働のコストとリスク」について解説する予定だった。NHK側が29日、中北教授の原稿案についてテーマの変更を求め、教授が出演を拒否した。

 NHK広報局は「意見が対立する問題を扱う場合、双方の意見を伝えるなど公平性を確保するよう努めている。都知事選では原発問題が争点の一つとなっており、より公平性を期す必要がある。今回の番組では演出上、そうした対応が困難だったため、テーマ変更を求めた」としている。



NHK、脱原発論に難色 「都知事選中はやめて」
2014年1月30日 東京新聞 朝刊

 NHKラジオ第一放送で三十日朝に放送する番組で、中北徹東洋大教授(62)が「経済学の視点からリスクをゼロにできるのは原発を止めること」などとコメントする予定だったことにNHK側が難色を示し、中北教授が出演を拒否したことが二十九日、分かった。NHK側は中北教授に「東京都知事選の最中は、原発問題はやめてほしい」と求めたという。

 この番組は平日午前五時から八時までの「ラジオあさいちばん」で、中北教授は「ビジネス展望」のコーナーでコメントする予定だった。

 中北教授の予定原稿はNHK側に二十九日午後に提出。原稿では「安全確保の対策や保険の費用など、原発再稼働コストの世界的上昇や損害が巨額になること、事前に積み上げるべき廃炉費用が、電力会社の貸借対照表に計上されていないこと」を指摘。「廃炉費用が将来の国民が負担する、見えない大きな費用になる可能性がある」として、「即時脱原発か穏やかに原発依存を減らしていくのか」との費用の選択になると総括している。

 中北教授によると、NHKの担当ディレクターは「絶対にやめてほしい」と言い、中北教授は「趣旨を変えることはできない」などと拒否したという。

 中北教授は外務省を経て研究者となり、第一次安倍政権で「アジア・ゲートウェイ戦略会議」の座長代理を務めた。NHKでは「ビジネス展望」だけでなく、二〇一二年三月二十一日の「視点・論点」(総合テレビ)で「電力料金 引き上げの前に改革を」と論じたこともある。

 中北教授は「特定の立場に立っていない内容だ。NHKの対応が誠実でなく、問題意識が感じられない」として、約二十年間出演してきた「ビジネス展望」をこの日から降板することを明らかにした。

◆詳細は答え控える

<NHK広報局の話> 中北さんに番組に出演していただけなかったのは事実です。詳細は番組制作の過程に関わることなのでお答えを控えます。

<解説>公平公正 裏切る行為
 中北徹東洋大教授のNHK降板問題で、中北教授はNHK側に「都知事選期間中は原発の話はやめてほしい」と迫られたという。再稼働を進める安倍晋三政権の意向をくんで放送内容を変えようとした可能性は否定できない。

 選挙期間中であっても、報道の自由は保障されている。中北教授は予定原稿で「現状では原発稼働がゼロでもアベノミクスが成果を上げている。原発ゼロでも経済成長が実現できることを実証した」「経済学の観点から、巨大事故が起きた際の損害額のリスクをゼロにできるのは、原発を止めることだ」と指摘した。

 NHK側が問題視した中北教授の原稿は、都知事選で特定の候補者を支援する内容でもないし、特定の立場を擁護してもいない。

 NHKの籾井(もみい)勝人新会長は就任会見で「国際放送で日本政府の意向を伝える」としている。原発再稼働を強く打ち出している安倍政権の意向を忖度(そんたく)し、中北教授のコメントは不適切だと判断したとも推測できる。

 原発政策の是非にかかわらず受信料を払って、政府広報ではない公平公正な報道や番組を期待している国民・視聴者の信頼を裏切る行為と言えるのではないか。 (中村信也)



NHKコーナー休止 ラジオ 脱原発の教授拒否番組
2014年1月30日 東京新聞 夕刊

 NHKラジオ第一放送の番組で、中北徹東洋大教授(62)が原発の問題を話そうとしたところ、同局が「東京都知事選中は原発の話はやめてほしい」と難色を示したために番組を降板した問題で、同局は三十日、中北教授が出演予定だったコーナーを休んだ。

 このコーナーは、月~金曜の各日午前五時から放送される番組「ラジオあさいちばん」の中で、六時半台に設けられる「ビジネス展望」。

 三十日は男性アナウンサーがコーナー休止を告げ、コーナーと無関係の聴取者からの便りを読み上げた。休んだ理由は説明しなかった。三十一日以降は通常通り放送するという。

 「ビジネス展望」は、経済評論家の内橋克人氏や日本総合研究所理事長の寺島実郎氏らが交代で出演し、ニュースや話題を約十分で解説。中北教授は約二十年間にわたり出演していたという。

 NHK広報局は「都知事選では原発をめぐる問題が一つの争点になっており、選挙期間中はより公平性を期す必要がある。今回の場合、中北教授が出る翌日などに、別の視点を持つ方に出演してもらうことなども考えられたが、選挙期間中の出演者は既に決まっており、テーマの変更を求めた」としている。

◆言論封殺おかしい
 戸崎賢二・元NHKディレクターの話
 選挙期間中は、特定の候補を推薦しない限り、争点となっている問題の論評を控える必要はない。放送が民主主義の発達に資するべきだという放送法の精神からすれば、この期間中こそ有権者の判断に役立つ意見や情報を豊かに伝える必要がある。原発は意見が対立している問題だが、多角的な視点は編成全体で実現すればよく、出演者の言論の自由を封殺する対応はおかしい。政権側の批判を恐れた疑いも捨てきれないのではないか。



「選挙中テーマ変更求めた」 脱原発降板でNHK会長
2014年2月5日 朝日新聞

 NHKの籾井勝人(もみいかつと)会長は5日午前、参院予算委員会に参考人として出席した。同局の朝のラジオ番組に出演予定だった中北徹・東洋大教授が、脱原発をテーマに取り上げようとして認められずに降板した問題について「1月30日に放送する予定だったが、今回は(東京都知事)選挙期間中でもあり、テーマの変更を求めた。コメントそのものを修正するような注文はしていない」と答弁した。

 民主党の有田芳生氏が「脱原発を語ろうとした教授が『それを話すな』と言われた。事実か」と質問したのに答えた。



NHK会長、理事らの辞表預かる 就任初日に要求、人事権を強調か
2014/02/22 共同通信社

 NHKの籾井勝人会長が1月25日の就任初日に理事らに辞表を預けるよう求め、会長の人事権を強調していたことが21日、複数のNHK関係者への取材で分かった。現在までに任期途中で辞任した理事はおらず、辞表は籾井氏が預かっているとみられる。

 関係者によると、1月25日午前、臨時役員会が開催され、籾井会長は就任のあいさつなどとともに「あなた方は前の会長が選んだ。今後の人事は私のやり方でやる」という趣旨の発言をし、辞表を預けるよう出席者に求めた。



<記者の眼> NHK新会長決定の裏 
2014/2/4 中日新聞夕刊

 NHKの新会長に元日本ユニシス特別顧問の籾井勝人(もみいかつと)氏が就任、会見で持論を展開して問題になっているが、そもそもNHKの会長になぜ外部の財界人が就くのかと思う読者も多いのでは。実は、会長選出の仕組みには政治との密接な関係があった。

 次期会長人事を取材し始めた昨年八月。翌年一月に一期三年の任期を終える松本正之前会長は続投するだろうと考えていた。受信料を値下げしたにもかかわらず収支を改善させたこと、誰も手をつけられなかった職員給与の引き下げに着手し、震災を乗り越え危機防災体制を構築・強化したこと-など、その手腕は高い評価を得ていたからだ。

 しかし、秋になると状況は一変。安倍晋三政権は、会長を外部の別の経済人と交代させたい意向が強いようだとの情報が流れるようになった。この動き、何か不思議な気がしないだろうか。

 一般の会社なら、トップは内部昇格が多そうだ。売り上げ増やリーダーシップが評価の対象だろう。関連会社やメーンバンクから送り込まれるというのもよくある話だ。NHKは営利目的でない特殊法人だから単純に比べられないにしても、人事情報が局周辺でなく「政権から」出て、現役幹部の人物や能力の評価をする前に「外部起用」が既定路線のように流れてくるのは果たして当然のことなのか。

 カギは、会長の任免権を持つNHKの最高意思決定機関・経営委員会にある。会長は十二人の委員のうち九人以上の合意で決められるが、その委員一人一人は国会の承認を受け、首相が任命して選ばれる。つまり経営委員会は、その時々の政権が望めば政治的思惑を反映させることも可能な組織であり、間接的に会長選びも影響を受ける可能性が高い。

 実際、昨年十一月に任命された五人の新経営委員のうち、再任の一人を除いた四人は安倍首相と極めて近い間柄とされる。次の会長選びが佳境に入る時期でもあり、十二月に松本氏が突然退任の意向を表明したのも、この経営委人事が影響しているとみるのが妥当だろう。

 松本氏は、退任理由についてほとんど語っていない。だが、寡黙で実直、失礼な言い方をすれば面白みのない発言に終始した松本氏が、会見で三年間を振り返り「やるべきことはやった」と、珍しく色のついた発言をしたのは、仕事をやり遂げた職人のプライドと、それでも追われる無念さの表れではなかったか。

 経営委員の中には、松本氏の続投を望む声も少なからず出ており、職員からも信頼を寄せられていたと聞く。惜しまれつつ去った松本氏は、新会長の発言や、組織の行方をどうみているのだろうか。 (東京放送芸能部)


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