瞑想の「うつ」などへの効用は限定的=米研究

瞑想の「うつ」などへの効用は限定的=米研究
2014年 1月7日 ウォール・ストリート・ジャーナル

瞑想は、不安や鬱(うつ)、痛みをある程度和らげるかもしれないが、薬物乱用や劣悪な食習慣、睡眠障害、肥満の抑制・改善などをもたらすという証拠はほとんど見つからなかったとする研究報告書が発表された。

この報告書は、6日発行の米医師会雑誌のJAMA内科に掲載されたもので、無作為に抽出された、合計3515人の成人を対象にした47の過去の治験を検証して分かった。

多くの人がストレスの緩和や健康の増進のために瞑想を行っている。研究リーダーのジョンズ・ホプキンズ大学のマドハブ・ゴヤル内科准教授は、報告書の狙いは、過去の治験を基にして医師が瞑想の効用と限界について患者に最適の助言を与えるのを手助けすることだったと述べた。

 参加者はマントラ瞑想法とマインドフルネス瞑想法のどちらかについて専門的な訓練を受けた。マントラ瞑想法は、言葉を繰り返すなどして注意を向ける対象がなくなる状態に気持ちをもっていくもの。これに対しマインドフルネス瞑想法は、注意を集中させる訓練を重視するやり方。

 報告書によれば、ある程度の効用があったのはマインドフルネス瞑想だけだった。例えば、軽い鬱の症状がある患者のマインドフルネス瞑想による回復は、抗うつ剤を服用した場合に期待されるものと同程度だった。マントラ瞑想法による治験はほとんどなく、そのためこの瞑想法の効用を示す証拠はほとんど見つからなかった。また、瞑想が有害であることを示す証拠もなかったという。

 研究者らは、瞑想に関する1万9000件近い研究から科学的なものを抽出した。ハーバード大学医科大学院(マサチューセッツ総合病院)のアラン・H・ゴロール教授はJAMA内科誌に掲載された解説文の中で、今回の研究は瞑想がストレスに関連した症状の軽減効果が恐らく一般に考えられているより小さいことを示唆すると述べた。同教授は「マインドフルネス瞑想が、小さいものの潜在的に有意義な精神的苦痛軽減をもたらしたという重要な例外があったものの、研究は全体として、苦痛軽減ないし全般的な健康状態の改善という点で瞑想がもたらす効果を示せなかった」と述べた。

 ただし、同教授は被験者が瞑想の訓練を30~40時間しか受けていないため、「瞑想はマスターするのに時間がかかる技能」であることを示唆している可能性があると指摘した。同教授は瞑想の効用に関する確固たる結論を出すには、より多くの証拠が必要だとも述べている。

 マインドフルネス瞑想を推進する「ニューヨーク・インサイト・メディテーション・センター」でインストラクターを務めるジョン・アーロン氏は、「人々は何かしら 苦しんでいるから瞑想のクラスにやって来る」と述べ、人々は瞑想を通じ、より生産的な手法でストレスと関わることを学ぶと話した。


・非常に興味深い内容である。

瞑想に関しては、有用性を説く人たちが多くいて、それらが実体験を元にしているだけに説得力もある。今回は医学的に瞑想から何らかの有効な結果を期待できるかを調べたものだ。

結論の前に、記事の最後にあるように瞑想の訓練を受けて30~40時間しかないとする指摘は重要であり、つまり生活習慣に瞑想がなっているのかという疑問はある。

結論としては、大きく宣伝されいるような医学的な効果はないと結論付けたとする。これは一部の人々にはショッキングな内容だろう。

瞑想についての多くの誤解があろうが、それは瞑想に対する意味づけがあるか否かの問題であろう。病気を治すために、悩みを消すために瞑想を利用するならば期待外れになることだろう。

競争社会に生きるためには他人よりも強いマインドを持ち、時間管理や脳の使い方をマスターするべきだという類の自己啓発本が溢れている社会では、常に強いストレスがかかる。つまり今のままでは競争に負けるという脅迫的な観念に支配されるからだ。

私は瞑想の熟達者でもなく生活の一部としているわけでもないが、少し経験してみて思うことは、自分自身の時間や居場所を一日の内で確保する重要性を感じる。居住まいを正して呼吸を整えることが、特に自律神経系にリズムを付加することで心身ともに調和することは知られている。

その程度のことに過ぎないのだと思う。ただ、そこから己の生活習慣を見直して健康的な生活習慣を身に着けていくことで生活が大きく変化する可能性は秘められていると感じる。

人間は動物である。ただ大脳が支配するために、この世の中に適応すべく多くのエネルギーを本来のところ以外に割り当てて使用している。過度の緊張や厳しい生活の中で、例えば動物ならば自己修復するような動きを忘れてしまっている。

そうした本来性を回復するためには、薬物やアルコールなどよりも害がなく費用も掛からない瞑想などの運動が必要なのだ。病気直しや悩み解消を目的とするならば、それは瞑想の意味すら分からない人たちの迷妄に過ぎない。

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