バチカン~秘められた神秘の世界~

バチカン~秘められた神秘の世界~
原題:Vatican: Life Within
制作:ナショナルジオグラフィック National Geographic 95分 2011年

ローマ・カトリック教会の権力の中枢に秘められた驚くべき歴史や聖職者たちの任務が今語られる!

バチカン、そこは謎に包まれた権力の中枢。中に入ることを許されるのは、選ばれた少数の者だけだ。そのうちの8人が沈黙を破り、ローマ教皇のそばでの任務について口を開いた。彼らは神に仕える者であり、彼らの守るものの価値は計り知れない。小さな町なら機能停止するほど絶え間なく訪れる観光客を監視する一方で、教皇のイメージを形成し、その言葉を全世界に向けて発信する。8人の語る内容は、独特な高級感の漂う映像とあいまって、ここでしか見られない未知の世界へと視聴者をいざなう。

DESCRIPTION
Vatican: Life Within takes you on a journey into a rarely seen world and to the heart of an ancient religion. As the leader of over 1 billion Catholics worldwide, Pope Benedict XVI wields almost unparalleled religious and political influence. But to many, the Vatican is as secretive as it is spiritual.

With unprecedented access to Vatican staff, including security chiefs and the Pope's official photographer, Francesco Sforza, the daily tasks involved in managing the life of Christ's representative on Earth are revealed in full.

For these men on a mission, serving the Pope is a deeply sacred task while modern-day media pressure ensures it is also a challenging one. From supervising millions of visitors to maintaining the Vatican's extraordinary cultural archives, find out how this tiny state in the centre of Rome controls and delivers God's message to the world.


・バチカンの秘められた実情を描く。ベネディクト16世の代に撮影された番組。

番組では、バチカンの行事を支えている人たちのインタビューと仕事ぶりを追っている。教皇付き専属カメラマン。教皇のボディガード。侍者。バチカン放送職員。機密文書館職員。バチカン美術館職員。バチカン天文台職員。そしてサンピエトロ寺院の長たる枢機卿。それらの人たちを通してバチカンの表情を歴史的な建造物や遺物とともに伝える。

16人いる侍者らは寄宿舎生活をしながら宗教行事の補佐をする。バチカンの衛兵と警察官は合わせて約250人だという。

さて秘められた世界であることは確かだが神秘に包まれているのかは分からない。そして取材も自由にできているわけでないことは承知としても単にバチカンの紹介番組に終わってはもったいない。

ここに登場する人たちは、教皇にお仕えすることを仕事以上のものと捉えていることは確かであろう。それは権威ある人に仕えているという自負と喜びと高揚感のようなものが感じられる。それほどバチカンは世界の一つの中心地ということもいえる。

2000年の伝統があれば、そこにはさまざまな歴史が潜んでいることは確かであり歴史と伝統には抗いがたいものがあるのは確かなことだ。日本の天皇制度も、その是非はともかくとして、式年遷宮で過去最高の参拝者を記録した伊勢神宮をはじめとして深い神秘と魅力があることは確かだろう。

この番組が制作されてから、ベネディクト16世は退位という経過を辿っている。

番組の中で、良くも悪くも階級社会であるという答えがあった。末端の教会はいざしらずとも、ここはカトリックの中枢であるという印象は受けた。バチカンの不祥事には最後に4分ほど僅か入れただけで、これが精一杯だろう。

登場したバチカン幹部が、教会が世俗に流されてしまっている現状を憂いていた。つまり内部に巣食っている問題は見えていないということだろう。

信仰がなくなってしまったのは、科学の台頭でも娯楽の氾濫でもないのだ。伝統だけで信仰を語ることはもはや難しい時代になり、問われるのは現代に生きる指針を提供できるか否かだと気づいていないのだ。新法王となり新たな歴史を作り出せるのか、バチカンの行く末を見守りたい。

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