5間で仏像など458点盗難

5年間で仏像など458点盗難
2013年11月01日 NHK大阪放送局

関西の2府4県で、この5年間に寺や神社が所有する仏像など少なくとも458点が盗難の被害にあっていたことが各地の警察や府県への取材でわかりました。

関西各地の警察や府県の教育委員会によりますと平成20年から去年までの5年間に寺や神社が所有する仏像や絵画、掛け軸など少なくとも458点が盗難の被害にあいました。

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府県別の被害は▽和歌山県で282点▽滋賀県で93点▽京都府で41点▽奈良県で33点▽兵庫県で8点となっています。

大阪府では指定文化財の盗難被害のデータしかありませんが平成22年の3月に能勢町にある今養寺で国の重要文化財の「木造大日如来坐像」が盗まれているのが見つかりました。この大阪の寺は無人だったほか奈良県や和歌山県などでも警備体制が薄い無人の寺が相次いで狙われているということです。

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地域の文化財に詳しい関西大学の長谷洋一教授は「このままではまだ評価が定まっていない重要な仏像の盗難が続き地域の文化財がますます減ってしまう。行政や住民、それに警察がネットワークをつくり対策をとるべきだ」と話しています。


・NHK大阪放送局では、ニュース特集として以下の報道をした。

価値のある仏像にはブローカーが寺社側に接触し高値で売買を持ちかけるという。重要文化財は文化財保護法により売買には届出が必要というが所在不明のものもある。

その背景には、檀家不足のために寺社の経営が難しくなっている現状があるという。補助金削減で修復費等が賄えないという。

また無人となった寺では盗難に気づかれていない場合もあるというのが実態であるそうだ。インターネットでオークションされる場合もあるとのことで盗まれてから転売を繰り返すという。特定の富裕層に向けて国内・海外に流出していることもある。

この対策として仏像のデータベースを作っておく滋賀県のような自治体もある。このように闇で売買されたり盗難にあったりと文化財的な価値のある仏像は財産的な価値も高いようだ。

つまり買う側が一方にいることで、仲介するブローカーや美術商らが入り、経済的に困っている寺などの保管者が売買したり、盗んだりする人たちがいる。需要と供給があるわけだ。宗教的な価値よりも経済的な価値に目を奪われている人たちを、仏様はどう見つめておられるのだろうか。

どちらにしても価値ある報道。

追加情報
NHKでは、以下のような文化財問題取材班を組織して取材を進めていることが判明した。この取材の中心となっているのが京阪神の放送局だろう。

別の観点からも参考にしたいものだ。


参考
追跡 消えた重要文化財 (外部リンク)
2013年11月1日 NHK WEB特集

文化財問題取材班を結成
 報道局特別報道チームは、この夏、NHKにできた新しい部署です。
 政治、経済、社会、国際の各部で経験を積んだ記者が、その専門性を活かして、独自の調査報道を展開しようというのが目的です。
 文化財問題の調査報道は、社会部で事件取材の経験を積んだ2人の記者を中心に、大阪、京都、奈良、大津、福岡、札幌、それに松山の各局の記者も参加して、取材をスタートさせました。


①消えた仏像 不正売買に迫る
 2013年10月31日 NHK大阪放送局 9分7秒

国の重要文化財の仏像や絵などのうち全国で76点の所在が分からなくなっていることがNHKの取材で明らかになりました。関西でも2府3県のあわせて14点が所在不明になっています。取材を進めると不正な売買の実態が浮かび上がりました。
 石川由季(NHK大津放送局)

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②仏像盗難 無人の寺が狙われる
 2013年11月01日 NHK大阪放送局 8分47秒

国の重要文化財の仏像などが全国各地で所在不明になっています。関西では去年までの5年間で文化財の盗難被害が458点に上っていますが特に狙われているのは無人の寺です。被害の現状や対策を取材しました。
 法花(ほっけ)直毅(NHK京都放送局)

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「重文」美術品85件所在不明…仏像、刀など
2013年11月15日 読売新聞

 文化庁は15日、所在不明の国重要文化財(重文)の美術工芸品が少なくとも85件に上ると発表した。

 また、それらと一部重複する可能性があるが、郵送による別の調査で、個人所有の388件の所在が未回答などで確認できていないことも公表した。管理の不備があらわになった形で、同庁は今年度内をメドに、約1万件に上る重文の美術工芸品すべての所在調査を急ぐ。

 85件は刀剣や仏像、陶磁器など。内訳はまず、盗難届が出され、今も見つかっていない57件。仏像に付いた鈴など一部のみだが、国宝6件も含まれる。さらに、重文が全国で行方不明になっているとの報道を受け、今月、報道分の緊急調査を行った結果、無届けの売却や相続などで行方不明になった例が28件あった。



国重要文化財:85件が行方不明 その内57件は盗難届
2013年11月15日 毎日新聞

 文化庁は15日、国の重要文化財に指定されている刀、仏像などの美術工芸品のうち、少なくとも85件の所在が分からず、うち国宝6件を含む57件で盗難届が出されている、と発表した。同庁は今後、国指定重文の美術工芸品約1万500件を全数調査するとともに、所有者に国への届け出の徹底を求める。

 文化庁によると、同日時点で盗難届が出され所在不明となったままの重要文化財は57件(部分的な盗難を含む)で、うち6件は国宝だった。また、今月上旬、所在不明と報道された重文73件について緊急調査したところ、既に把握していた盗難分以外に新たに28件が所在不明であることが判明し、合計85件となった。

 国宝など重文の所有者は、文化財保護法で売買や移動、相続する際、国への届け出が義務付けられているが、徹底されていないのが実態。江崎典宏美術学芸課長は「調査結果は衝撃的だ。今後は所有者や所在地をしっかり把握しなければならない」と話している。【福田隆】

 ◇盗難届が出され所在不明のままの国宝(届け出順)

 金銅燈籠(とうろう)1基(奈良・興福寺。最上部の擬宝珠がもぎ取られた)▽木造兜跋毘沙門天立像(もくぞうとばつびしゃもんてんりゅうぞう)1体(京都・教王護国寺。収蔵庫で陳列中宝塔を盗まれる)▽同像に付属する鈴2個(同。宝物館1階展示中になくなっていた。ただし鈴自体は国宝指定外)▽木造四天王立像(東金堂)広目天の結び紐(ひも)(奈良・興福寺。拝観中に盗まれる)▽木造四天王立像(東金堂)多聞天左膝下の結び紐(同。国宝館陳列中に盗まれる)▽塑造四天王立像(所在戒壇堂)4体のうち増長天が右手に持つ戟(げき)の石突部(奈良・東大寺。拝観者の指摘により判明)



追記

国宝・重文の109件、所在わからず 刀剣が半数近く
2014年7月4日 朝日新聞

 文化庁は4日、国の国宝・重要文化財で絵画や彫刻、刀剣などの美術工芸品1万524件のうち、国宝1件を含む109件が所在不明だと発表した。調査は全て済んでおらず、行方不明の国宝や重文はさらに増える可能性がある。

 文化財保護法は、国宝・重要文化財の所有者や所在地が変わった場合、文化庁長官への届け出を義務づけている。しかし昨年、所在不明のものが多数あることが判明。文化庁は都道府県教育委員会に依頼し、全件の所在調査を進め、6月12日現在で国宝1件、重文108件を「所在不明」と判断した。このうち、刀剣が半数近い52件を占め、国宝の「短刀 銘国光」が含まれている。同庁は、刀剣は個人所有が多いうえ、売買や相続の対象になりやすいことが原因になっていると見ている。ほかに、仏像などの彫刻が17件、絵画が10件などとなっている。

 不明の理由として最も多いのは盗難で33件。所有者の転居先が把握できないものが31件、所有者が亡くなり行方が分からないものが23件だった。さらに、所有者が判明しても現物が確認できないなど、調査が済んでいないものが238件(うち国宝は12件)ある。

 文化庁によると、所有者変更などを届け出る法律の規定を知らないケースも多いという。同庁は今後、年1回、所有者と連絡を取り情報を把握するほか、4年に1回をメドに、現物確認をする方針だ。(藤井裕介)



国宝含む文化財72点 所在不明に
2015年1月21日 NHK

国の重要文化財100点余りが所在不明になっている問題で、文化庁が追加で調査したところ、新たに2つの国宝を含む72点が所有者の死亡や転居などで所在不明となっていることが分かりました。

国の重要文化財を巡っては、文化庁が1万500点余りの所在確認を行った結果、これまでに国宝1点を含む108点の所在が分からなくなっていて、文化庁は、状況が把握できなかった238点について、追加で調査を行っていました。

その結果、98点は所在が確認できたものの、国宝に指定されている鎌倉時代の太刀と南北朝時代の刀の2点、それに重要文化財70点が所在不明になっていることが新たに分かりました。

このうち、国宝2点は、それぞれ東京都の個人が所有していましたが、死亡したり転居したりして所在が分からなくなっているということです。

所在不明になっている重要文化財は、国宝3点を含む180点に上ることになります。

一方、今も国宝9点と59点の重要文化財の状況が把握できていないということで、文化庁は、さらに調査を続けるとともに不明となった文化財の行方を追跡することにしています。

文化庁の早川俊章美術学芸課長は「国民の共有的な財産が不明になっていることは大変重く受け止めており、再発防止に向け、しっかり対応していきたい」と話しています。



関連 保存・継承が困難な時代に・・・

文化庁選定の戦争遺跡、32カ所が損壊 朝日新聞調査
2015年3月22日 朝日新聞

 明治から第2次世界大戦までの主要な戦争遺跡を保存するため、文化庁が2003年から実態調査している全国50カ所の遺跡(群)のうち、32カ所が取り壊されたり破損したりしていることがわかった。同庁は調査結果を報告書にする予定だが、その間にも荒廃が進む実態が明らかになった。

 29都道府県に点在する戦争遺跡の保存状況などを聞いた朝日新聞社のアンケートに、関係市区町村の文化財担当者が答えた。

 取り壊されたり、工場や住宅に転用されたりして、一部または全て消失したという遺跡は、土浦飛行隊(茨城県阿見町)や砲兵本廠(しょう、東京都板橋区など)、鎮守府と要塞(ようさい、京都府舞鶴市)など13カ所。存在はするが傷みが進むのは、松代大本営地下壕(ごう、長野市)や回天特別攻撃基地(山口県周南市)、八日市飛行場(滋賀県東近江市)など19カ所あった。




追記 報道の先に演出・やり過ぎが!? 週刊文春で指摘されたのは大阪放送局・N記者

<「やらせ」報道>NHK放送総局長 文春記事を否定
2015年3月18日 毎日新聞

 NHKの報道番組「クローズアップ現代」で「やらせ」があったと18日発売の週刊文春が報じた問題について、同日の放送総局長記者会見で、担当の森永公紀理事は「取材のプロセスを確認しているが、今の時点ではやらせがあったとは考えていない」と述べた。

 指摘された番組は昨年5月14日に放送された「追跡“出家詐欺”~狙われる宗教法人~」。同雑誌で出演者の一人が「番組に登場するブローカーは架空の人物。記者に依頼されて私が演技した」などと証言している。

 NHK広報局は「詳細な記事なので、一つ一つ内容を精査し、取材のプロセスを確認したい」としている。【須藤唯哉】



クローズアップ現代 No.3496
追跡 “出家詐欺” ~狙われる宗教法人~

2014年5月14日 NHK



参考
最後に笑うのはアノ人!? NHKの”やらせ疑惑”は今後こうなるという予測!
2015年3月21日 Yahoo! JAPANニュース
水島宏明 (法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター)

http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20150321-00044068/

NHKやらせ疑惑で番組出演男性が1日にヒアリング
2015年3月31日 日刊スポーツ

 週刊文春3月26日号で、出家詐欺をテーマにしたNHK「クローズアップ現代」において、やらせ疑惑があると指摘された問題で、番組に出演した男性が、4月1日にNHKによる聴き取りに応じることが31日、分かった。男性の代理人の弁護士が、報道各社に送付した書面で明らかにした。

 番組は昨年5月に放送され、出家詐欺のブローカーとされる男性が登場したが、同誌によると、男性は、自分がブローカーではなく、出家詐欺にかかわったこともなく、NHKの記者に依頼されて演じたとしていた。

 男性は代理人の弁護士と同席し、NHKに対し、同様の趣旨の説明をするとみられる。弁護士はNHKと話し合いの結果次第ではBPO放送人権委員会に人権侵害を申し立てることも検討中としている。



NHKやらせ疑惑、出演男性会見「ノイローゼ寸前」
2015年4月1日 日刊スポーツ

 NHKの報道番組「クローズアップ現代」で昨年5月14日に放送された「追跡“出家詐欺”~狙われる宗教法人~」をめぐり、やらせ疑惑が浮上している件で、ブローカー役に仕立てられたと主張する大阪府内で飲食店を経営する男性(50)が1日、大阪市内で、代理人弁護士とともに会見した。

 男性は同日、代理人とともに、同市内で、NHK側の聞き取り調査に応じ、局側に訂正報道を求める申し入れ書を提出。男性側は7日以内の回答を求め、今後、局側の対応が意に沿うものではなかった場合、放送倫理・番組向上機構(BPO)に申し立てるとした。

 やらせ疑惑が持ち上がった番組は、昨年4月25日に「かんさい熱視線」で最初に放送され、その後、同5月14日に「クローズアップ現代」で全国放送。寺で出家の儀式「得度」を受ければ、戸籍上も法名への変更が可能となる制度を悪用した「出家詐欺」を扱った内容。多重債務者が別人になりすまし、ローンや融資などをだまし取るなどする詐欺を取り上げた。

 番組内では、NHK大阪放送局の社会部記者が、出家詐欺のブローカーの事務所を突き止めたとしてインタビューし、同所を訪ねてきた多重債務者とブローカーの会話が放送され、記者は多重債務者の後を追い、直撃取材もしている。

 ここでブローカーとされた男性が、この日、会見し「私はNHKの記者に依頼されて、再現映像か何かと思い、ブローカー役を演じた。私はブローカーではない」と訴えた。

 また、同番組に多重債務者として登場しているA氏とは旧知の仲で、男性はA氏から一昨年秋に記者を紹介された。初対面の段階では「氏素性を名乗らなかったので(NHK記者と)分からなかった」が、男性が寺修業の経験があることから、寺宝の話などをしたという。

 それから約半年後、昨年の3月か4月ごろ、男性は再びA氏に依頼され、大阪市内のホテルで記者と面会。番組収録の意向を把握したという。当初は、記者から、男性が多重債務者、A氏がブローカーを演じるよう指示されたが、途中で入れ替わった。

 収録の際には、室内には布に覆われたカメラのような物があり、録音機器も確認していた。男性は「再現VTRを撮るのだろう」と思い、協力したという。

 この一連の流れについて、男性はA氏から50万円の借り入れがあり「断りにくい負い目、詳細を聞き出しにくい雰囲気があった。お察し願いたい」とし、詳細が把握できないまま、協力を続けたと説明した。

 収録後、不安になった男性は記者側に「いつ、どういう形で放送されるのか、問い合わせたが返答はなかった」といい、知らぬままに昨年4月に関西地区で放送。その時点では放送に気付かず、同5月に全国地区での放送があり、全国版での放送を一昨年秋に知った。その後、インターネットの過去番組検索などで、番組内容を確認した。

 番組では、自分の映像の際に「ブローカーとのテロップがあった」ため、初めて、男性は自らがブローカー役に仕立てられていたことを確認。記者を紹介したA氏に確認の電話を入れ、深夜の時間帯に通話ができ、A氏から「ブローカーやろ?」などと言われたという。

 その際の音声通話には「ずっとハレーションを起こしていて、感覚では、録音しているのではないかと思った」と振り返った。その後、A氏とは連絡がとれなくなったという。

 男性は困惑し、以前から知っていた弁護士に相談。3月下旬に週刊誌報道があり、NHK側からの接触も受け、この日の聞き取りに至った。

 男性は「私自身、家族からもこんなこと(ブローカー)をやっているのか、などと言われ、ノイローゼ寸前になった。記者に説明を求めたが、謝罪はなく、言い訳から始まり、もみ消しまで求めてきた。私としては謝罪していただければよかった」と、訂正報道を求めた心境を語った。

 また、法的措置について、代理人は「金銭評価(賠償請求学)が難しい案件で、しかも顔が見えないように首から下を撮影し、音声も変えてあるため、司法的には考えていない。何より、本人は訂正を一番に求めている」とし、現状では訴訟へ発展させる可能性はないとした。



<NHK>「捏造なかった…過剰演出」会長ら20人処分
2015年4月28日 毎日新聞

 NHKの報道番組「クローズアップ現代」などでやらせが指摘されていた問題で、NHKの調査委員会(委員長、堂元光副会長)は視聴者に誤解を与える過剰演出があったとする一方、やらせによる捏造(ねつぞう)はなかったとする最終報告をまとめたことが、27日分かった。担当記者の停職など約20人の処分とあわせて28日に公表する。籾井勝人(もみい・かつと)会長を含む会長ら役員は、処分の規定がなく、報酬を自主返納する方向。

 問題の番組は、昨年5月14日に放送した「追跡“出家詐欺”~狙われる宗教法人~」。多重債務者がブローカーを介して、出家の儀式を受け、名前を変えて融資などをだまし取る詐欺の手口を紹介した。同様の内容は同年4月25日の関西ローカル「かんさい熱視線」でも放送されていた。いずれも大阪放送局の男性記者が担当した。

 やらせが疑われているのは、取材で突き止めたブローカーとされる男性の元に、多重債務者とされる男性が相談に訪れる場面。ブローカーとされた男性はブローカーであることを否定。同調査委の中間報告では、記者は多重債務者とされる男性と8~9年前から知り合いで、この男性にブローカーとされた男性を紹介されていた。

 最終報告は、やらせではなく、ブローカーとされる男性と知り合った実際の過程が、放送では逆になっていたことなどから、演出が過剰だったと判断した。【望月麻紀】



NHKの過剰演出認める 「クロ現」問題、最終報告へ
2015年4月28日 毎日新聞

 昨年5月放送のNHK「クローズアップ現代」で「記者の指示によるやらせがあった」と指摘されている問題で、NHKの調査委員会は最終報告を取りまとめ、28日に公表する方針を固めた。記者が詐欺の活動拠点を突き止めたかのような番組の構成などについて、過剰な演出があったと認める一方で、関係者の言い分が食い違うことから、演技指導などの意図的なやらせや、事実のねじ曲げがあったとの認定には至らなかったという。

 複数のNHK関係者によると、調査委は27日に会合を開き、最終報告書の内容について外部委員の弁護士ら3人の了解を得た。記者のほか籾井勝人会長や関係理事らの処分も検討するといい、28日のNHK経営委員会に報告したうえで、公表する見通し。

 番組は、出家して戸籍名を変えることで債務記録の照会を困難にする「出家詐欺」の特集。多重債務者に出家をあっせんするブローカーとして登場した大阪府内の男性が、「私はブローカーの経験はなく、記者にやらせ指示を受けた。憤りを感じる」として、NHKに対して訂正を求める申入書を提出し、21日には放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に審理を申し立てている。(後藤洋平、岩田智博)



<NHKやらせ疑惑>国谷キャスター 涙ぐみながら謝罪
2015年4月28日 毎日新聞

 ◇「クローズアップ現代」番組最後に「残念でおわび」

 NHKの報道番組「クローズアップ現代」などでやらせが指摘されていた問題で、同番組は28日、同日発表されたNHKの調査委員会(委員長、堂元光NHK副会長)の調査報告書に基づき、検証内容とこの日の記者会見の抜粋を番組内で放送した。この日、調査委員会の検証内容をチェックする長谷部恭男・早稲田大大学院法務研究科教授ら外部委員から、「自律的に真実を追求する報道番組を全国の視聴者に送り届ける」ように見解が出されており、自らその姿勢を示したものと見られる。

 国谷裕子キャスターは番組の最後に、「22年間番組を放送してきましたが、事実に誤りがある番組を放送してしまったこと、視聴者の信頼を損ねてしまったことをおわびいたします。常にフェアで事実に誠実に向き合うことで番組に取り組んできましたが、今回調査委員会により、その一部が視聴者の信頼に反する内容と指摘されました。私としても残念でおわび申し上げます」と、涙ぐみながら頭を下げた。【中村美奈子】



<NHKやらせ疑惑>男性がBPO放送人権委に申し立て
2015年4月21日 毎日新聞

 NHKの報道番組クローズアップ現代の「やらせ」疑惑を巡り、番組内で「出家詐欺ブローカー」とされた大阪府内の男性(50)が21日、真実ではない放送で人権を侵害されたとして、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に申し立てを行った。男性は大阪市内で記者会見し、「自分の名誉のため、ブローカーではないと訂正してほしい。(BPOには)第三者として適正な調査をしていただけると思う」と語った。

 男性は「記者の指示でブローカー役を演じた」などと主張し、訂正放送を求めてきた。会見では、これまで2度にわたり応じたNHKの聞き取り調査について「身内の(記者の言い分の)裏付けをしたいようなヒアリングだった」と批判。男性の代理人の弁護士は「指定した期限までにNHKから明確な回答がなく、基本的な話し合いは成立しなかったと判断した」と説明した。

 問題の番組は昨年4月25日「かんさい熱視線」、5月14日「クローズアップ現代」で放送された。NHKは調査委員会を設置して検証作業を行い、9日に発表した中間報告では、ビルの一室を詐欺の「活動拠点」としたのは誤りだったと認めた。近く最終報告を公表する見込み。

 申し立てを受け、NHK広報局は「現在調査を進めている。BPOには協力していく」とコメントを発表した。【棚部秀行、望月麻紀】



「クローズアップ現代」報道に関する調査委員会報告


追記

BPOが放送への圧力と自民批判 NHK番組やらせ問題
2015年11月6日 中日新聞

 NHKの報道番組「クローズアップ現代」でやらせがあったと指摘された問題で、同番組を審議してきた放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は6日、「重大な放送倫理違反があった」とする意見書を公表した。同番組をめぐり、総務省がNHKを厳重注意したことを「極めて遺憾」とし、自民党が同局幹部を呼び出して事情聴取したことも「政権党による圧力そのもの」と強く批判した。

 BPOによると、同委員会決定で総務省と自民党を批判したのは初めて。(共同)



NHK総合テレビ『クローズアップ現代』"出家詐欺"報道に関する意見
2015年11月6日 放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会

NHK総合テレビ『クローズアップ現代』(2014年5月14日放送)と、その基になった『かんさい熱視線』(同年4月25日放送 関西ローカル)は、寺院で「得度」の儀式を受けると戸籍の名を変更できることを悪用した"出家詐欺"が広がっていると紹介。番組で「ブローカー」とされた人物が、演技指導によるやらせ取材だったと告発したのに対して、NHKは「過剰な演出」などはあったが「事実のねつ造につながるいわゆるやらせは行っていない」との報告書を公表していた。

委員会は、NHK関係者のみならず、番組で紹介された「ブローカー」「多重債務者」に対しても聴き取り調査を行った。その結果、2つの番組は「情報提供者に依存した安易な取材」や「報道番組で許容される範囲を逸脱した表現」により、著しく正確性に欠ける情報を伝えたとして、「重大な放送倫理違反があった」と判断した。

その一方で、総務省が、放送法を根拠に2009年以来となる番組内容を理由とした行政指導(文書での厳重注意)を行ったことに対しては、放送法が保障する「自律」を侵害する行為で「極めて遺憾である」と指摘した。

2015年11月6日 委員会決定 PDF


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