NHKスペシャル 中国激動 "さまよえる"人民のこころ

NHKスペシャル 中国激動
"さまよえる"人民のこころ
2013年10月13日 NHK総合 58分

“先に富める者から豊かになれ”鄧小平氏による改革開放の壮大な実験から始まり、急速に経済成長を続けてきた中国。しかし今、貧富の格差が拡大するなど、13億すべての民に「豊かさの約束」を唱え続けることが難しくなってきている。2回目は、経済的な成功に代わる新たな“心のより所”を模索し始めた中国の人々の内面に迫る。

今、人々の間で急速に求心力が高まっているのが、2500年の伝統を誇る中国生まれの“儒教”だ。「他人を思いやる」「利得にとらわれない」ことを重要視する儒教にこそ、中国人の心の原点があるとして、儒教学校の設立や、儒教の教えを経営方針に掲げる企業が続出。現代風にアレンジした新興グループまで登場し、中国全土に儒教ブームが広がろうとしている。

国も、かつては弾圧の対象でもあった儒教を認め、支援することで人々の心を掌握しようとしている。孔子の故郷、山東省曲阜では国が主催する孔子生誕祭が盛大に行われるなど、仁徳の国を復活させるための取り組みも始まっている。

拝金主義の夢から覚め、「心の平安」を求める人々――。次なる時代へと向かおうとする中国の姿を描く。


・上記の番宣とはかなり異なった内容となっていた。

この儒教ブームを挟んで、キリスト教の公認教会と未公認の「家庭教会」の動きを前後に入れていた。また儒教の教えを経営方針に掲げる企業はまったく紹介されなかった。

導入部で、子どもが親の足を洗う行為をして親孝行を実践させている風景が映されたが、やはり違和感を感じた。この行為は、「洗脚礼」といって儒教の伝統だと説明されていた。

キリスト教の布教に関しても、地方から都会へやってきた若い女性が店のノルマをこなせずに辞めさせて意気消沈していて家庭教会を訪ねた。その場面で、信者らの女性から「悪魔よ去れ!」と祈られていた。

これに関して、NHKのナレーションでは、「拝金主義」を「悪魔」と呼ぶと解説していた。これは間違いだろう。彼女たちは、本当に悪魔が彼女を妨害していると言っているのだ。拝金主義ということで番組の主張に沿った説明に変えてしまったのだろう。

この番組を最初みて感じたことは、残念ながら自己啓発セミナーの一場面かと見間違うような情景であったことだ。中国人民が直面する経済格差、政府の腐敗、人心の荒廃は経済成長の見返りとして発生するものだが、規模が大きい社会だけに矛盾も計り知れないことだろう。

そこで競争に疲れた成功者も失敗者も、お金儲けだけという虚しさと、気がつけば他人との交流もない現状に唖然として、拠り所を求めて彷徨うという風景となることは分かる。これは日本でも過去のあったことだからだ。

中国共産党政府も、2007年の共産党大会で示された宗教勢力を利用して人民の不満を押えようとする政策の一環として、儒教精神の復興を目論んで各地で行事を行っているという。その儒教の精神とは親を敬うとかいうことで、つまり上に従うことを学ぶという政府にとっても都合がいい教えといえよう。

非常に気になってしまったことは、番組ではすでにキリスト教徒は1億人になると言っていたことだが、例えば家庭教会で行われている洗礼風景の場面で、その教会では一回で100人もの信者が生まれたと報じていた。

本当に宗教の中身を知って信じているというよりも、半ば場の雰囲気で勢いで洗礼を受けてしまったり、キリスト教の組織の仲間らに依存できることを目的とするような印象を持ってしまった。

そして信仰とは、このようなものでいいのかと率直な疑問が湧いた。儒教の紹介場面でも、成功した女性企業家が没落していた時に触れた儒教の教えに共感して、自分の葛藤を解決していく挿話を入れていたが、これも何か雰囲気で行っているような感じをもった。

これは中国だけの問題ではなく、宗教をどう捉えるかという問題であり、救いを求めている人には何であろうと真実に見えるということを忘れているように感じる。儒教などの道徳がなぜ廃れてしまったかは、それが単なる教えに成り下がってしまったからだろうし、宗教の教えも同じようになってしまっている。

結論として、自己啓発セミナーのように、中途半端に自分を分かった気になってしまった人たちが、仲間を増やしていくことを推し進めるような場面が重なって映ってしまう。それが実は巧妙に作られた心理操作=洗脳であることに気づくことができない。

昨今の中国の台頭を見せつけられている日本だが、こうした人々ら一人一人が非常に不安にあえいでいることが、結局は強力なナショナリズムに変換され見えざる仮想敵に怒りをぶつけるという構図となっているのだろう。非常に危惧を覚えた。


中国政府が弾圧する“地下教会”の実態! 暴行、リンチ…冤罪被害者も!? 
2013年7月18日 ハピズム

 今年4月22日、米新聞大手ニューヨーク・タイムズは、昨年4月に逮捕され、裁判にかけられていた中華人民共和国河南省の地下教会の指導者7人に、実刑判決が下ったと報じた。

 女性4人、男性3人の指導者(牧師)たちが有罪となったのは、「違法カルト組織に属し、法秩序を破壊した罪」。テキサスを拠点に活動する、中国に住むクリスチャンの人権を擁護するNGO団体「ChinaAid」によると、7人に科された罪は、3年~7年半の禁固刑とのこと。刑は、4月1日に河南省葉県の人民法院(裁判所)で確定したが、被告である7人には2週間以上、告げられなかったというずさんなものだった。

「地下教会」という言葉から、「迫害され、地下洞窟に身を潜めているキリスト教信者たち」をイメージする人が多いと思うが、実際はどうなのだろうか。中国政府が言うように、彼らはカルト寄りの組織なのだろうか。

■中国キリスト教の歴史
 中国には、6000万ものキリスト教徒がいると推定されているが、その3分の2が「政府から公認されていない教会」、すなわち、地下教会に通っていると英BBCは伝えている。その背景には、中国では教会を運営するにも、政府の許可が必要で、公認の教会は政府の監視下に置かれており、政府に不満を抱え嫌う人たちが地下教会に流れ込んでいる実態があるというのだ。

 中国にキリスト教が伝来したのは、635年。中国におけるキリスト教の歴史は長いが、かなり複雑だ。
 1942年に中華人民共和国を建国した共産党が、外国人聖職者や、海外勢力が自国に影響を及ぼすことを嫌い、ローマ教皇をトップに全世界に広がる一大宗教組織であるカトリック教会を弾圧。

 これを受けて、プロテスタント教会は教団の存続をかけた「中国人たちだけで教会を支え、運営し、伝道する」という「三自愛国運動」を展開し、その結果、活動を監視・指導する「中国基督教三自愛国運動委員会」が設立され、プロテスタント系の「中国基督教協会」とバチカンから独立したカトリック系の「中国天主教愛国会」が、政府に公認された。

 新たに教会を設立するには、政府の役人や「中国基督教三自愛国運動委員会」役人との交渉を行わなければならないうえ、何かと干渉されるため、「ただただ、神に自由に祈りを捧げたい」と願う人たちが、地下に極秘教会を作るようになった。

 さらに、1966年から1977年まで続いた文化大革命の最中は、公認の教会までもが「資本主義」の対象とみなされ、活動を停止させられたことから、地下教会の数は爆発的に増えたと伝えられている。ちなみに、共産党員は、党理論により無神論者であるよう命じられており、宗教を邪悪なものとみなす傾向にあるそうだ。

■弾圧される地下教会
 地下教会の指導者たちは、政府公認ではないため、地元の役人たちから何かと目をつけられ、迫害されてきた。酷い暴行なども受けてきたという。80年代に迫害は激化し、90年代にその動きは弱まり、現在は地区により未公認の教会に理解を示す役人もいるとのこと。地下ではなく、一般の住宅を教会とし、礼拝を行っているケース、いわゆるハウス教会も増えているそうだ。

 だが、政府が多くの信者を導く指導者たちのことを脅威に感じていることは変わっておらず、2008年には北京オリンピック時に活動することを恐れて、山東省の地下教会の指導者21人を労働キャンプに送り込むなど、あからさまな圧力をかけている。

 地下教会の指導者が逮捕されるケースは年々増えているのだ。
 現在、地下教会は、河南省と浙江省を中心に数を増やしており、この2つの省にある地下教会を拠点とし、中国全土で福音宣教も行っていると伝えられている。

■地下教会の実態とは?
 You Tubeに掲載されている、アメリカ人牧師が地下教会を訪問した際に撮影した映像を元に製作されたドキュメンタリーを見ると、暗く狭い部屋の中に、大勢の信者がすし詰めになり、両手をあげ、涙を流しながら神に祈りを捧げており、一般的な教会のミサとは大きく異っている。

 映像で紹介されている地下教会に通う信者たちは、毎朝4時半に集まり2時間、神に祈りを捧げるとのこと。地下教会の指導者や信者たちが、地上にあがり、信者勧誘を行っている映像も流れ、集まった民衆に「指導者がクリスチャンになり身体の障害がなくなった」と語りかけたことで1,000人が新たに入信したと伝えていた。

 カトリックで見られる、悪魔祓い的なことも行っており、キリスト教というより、カルト的な空気が漂っている。この2つのケースは、貧しい村で撮影されたもののようであり、貧困にあえぐ人々が、地下教会に救いを求めているように見受けられる。

 映像の後半では、大都市・上海にある「ハウス教会」や、音楽学校という名乗る「秘密教会」を紹介。

 上海には3,000以上のハウス教会があり、若者が中心になって運営しているというナレーションが流れ、「信者である若者たちは共産党と一切の関わりを持ちたくないと思っている。彼らの願いは1つ。神の愛、イエスの愛を人々に広めたいだけなのだ」「音楽学校は名ばかりで、指導者(牧師)育成学校である」と解説する。

 ハウス教会には、空調のない狭い部屋に信者を集め、12時間ノンストップでミサを行うところもあるとのこと。アメリカ人牧師が、僻村の地下教会でミサを行ってほしいと頼まれた際、指導者から、「朝8時半から夜の7時まで、休むことなく説教をしてほしい」「"創世記"から"ヨハネの黙示録"まで、すべてを教えてあげてほしい。彼らは聖書を持たないのです」と言われたという話も紹介していた。

 地下教会やハウス教会は、欧米の教会とは異なる独特な雰囲気ではあるが、信者たちは神に救いを求めており、神の愛を感じ、神に感謝している点では同じなようである。

 指導者も信者たちも、何も悪いことはしていないが、あれだけ多くの人々が、逮捕、拷問されるリスクをしょいながら、一心不乱に神に祈りを捧げる姿を見ると、共産党が彼らを脅威と感じるのも納得できる。

■地下教会の今と中国が抱える闇
 そして、今年5月末、地下教会の1つ、华南教会の元指導者で、終身刑囚である龚圣亮牧師が、意識不明の重体だと報じられた。

 彼は、2001年12月に「違法カルト組織を運営し、法秩序を破壊した罪」で死刑判決を受けていたが、国際世論の批難を浴び、裁判がやり直され、「強姦罪」で終身刑に減刑。裁判で証言した信者たちは、後に海外に逃れ「中国当局から酷い拷問を受けたため、仕方なく嘘の証言をした」と告白したが、終身刑が覆されることはなかった。

 彼は、刑務所で酷い暴行を受けていると伝えられ、娘が、「父は、持病があるのに医師の治療を受けさせてもらえてない。どうか助けてほしいと」祈願しているが、当局は動こうとしない。

 今回、禁固刑を命じられた7人の指導者は、龚圣亮に比べようにならないくらい軽い刑だが、刑務所で殴る蹴るの暴行やリンチを受けられる可能性が高いと懸念されている。

 中国中央テレビは、 「わが国の経済は安定を維持しつつ成長している」と伝えたばかりだが、その恩恵を受けている国民はごくわずかであり、多くの人は三度の食事にも困るほど、貧しい暮らしをしているとされている。

 ここ数年、地下教会やハウス教会への迫害は増しているが、圧力をかければ、かけるほど、信者の数は増え、収拾のつかない状態となっているようだ。中国政府が、宗教活動家や信者を弾圧することに、国際社会は強く批難しており、アメリカ政府も何度か「反対する」と意見している。

 中国の地下教会、ハウス教会などの秘密教会が、今後、どのような運命を辿ることになるのか。まさに、「神のみぞ知る」なのである。



中国:クリスマス祝祭を妨害…河南省で信者弾圧
2013年12月24日 毎日新聞

 中国河南省濮陽(ぼくよう)市で23日、地元当局が拘束中のキリスト教牧師、張少傑氏を支持する弁護士や信者が当局に拘束され、クリスマス祝祭開催を妨害された。抗議集会を行おうとした信者らを当局が弾圧したとみられる。米政府系の自由アジア放送などが24日までに伝えた。

 張氏は政府公認教会の牧師だが、教会施設用の土地割り当てに関する地元当局との合意が破棄されたことに抗議。11月中旬に公共秩序を乱したなどとして約20人の信者らと拘束され、弁護士との面会も許されない状態が続く。信者らは23日、クリスマスを祝い、拘束に抗議しようと上海などから河南省の教会に向かったが、当局が雇ったとみられる数十人の男らに暴行を受け、一部は拘束された。【上海・隅俊之】


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