オランダの安楽死者数 2006年1900人から2012年4200人へ増加

オランダの安楽死者数 2006年1900人から2012年4200人へ増加
2013年10月14日 NEWSポストセブン ※週刊ポスト2013年10月25日号

 2001年4月、世界で初めてオランダで安楽死法が成立し、翌年4月に施行されてから11年が経った。オランダの他、国によって事情は違うが、ベルギーやスイス、アメリカの4州の法律で安楽死は認められている。

 安楽死法を研究する元最高検察庁検事の土本武司氏(筑波大学名誉教授)が解説する。

「オランダにおいて安楽死とは、患者の要請に従って医師が注射や服薬によって生命を終わらせる“積極的安楽死”のことを指します。日本では“尊厳死”と呼ばれ、延命治療を控えることで死期を早める“消極的安楽死”は、通常の医療行為に含まれ、安楽死とは見なされません。

 適用基準は厳格です。患者の希望が自発的で熟考されていること、苦痛が耐えがたく改善の見込みがないことなどの条件を満たせば、医師は処置をしても刑事責任は問われません。ただし、処置後の審査で条件を満たさないと判断されれば、医師は最高で禁固12年の刑を受けることになります」

 オランダにおける安楽死数は2006年に約1900人だったが、2012年には約4200人までに増えている。これは同国の年間死亡者数の3%にも上る数だ。内訳を見ると、約8割は末期のがん患者で、残りが重い神経障害や心臓血管障害を抱える患者だった。医学誌『ランセット』によると、全体数の20%以上は報告されていないといい、実際の処置数はもっと多いと見られている。

「もうお考えは変わりませんか」
 夕刻、アムステルダム郊外の自宅マンションの一室で、かかりつけ医が末期がんの男性患者(75歳)と向き合っていた。大腸がんが全身に転移したことがわかり、3か月前、病院から自宅に帰ってきた。

 前日の夜から痛みで一睡もできなかった。早朝、妻に「今までほんとうにありがとう。先生を呼んでくれ」と声をかけた。自宅に駆けつけた医師は、希望を再度、確認した。

「はい。今はただ安らかにしてほしいだけです」覚悟はしていた。だが、妻の涙は止まらなかった。
「愛してるよ。天国でずっと見守っているから。先生、お願いします」「いい旅路を」

 医師は睡眠薬、続いて筋弛緩剤を注射した。男性はゆっくりと目を閉じた。たった数分のことだった。


・積極的な延命を願う人は少なくなっている日本。個人として生命を考えることは極めて重い判断が必要だろう。

私個人は、ジョーゼフ・キャンベル教授の示された考え方に近いものを感じる。人間にとっては生きる意味の探求が目的でなく、生きている経験そのものが大事であること。そして生命とは、生きる意志を持った細胞の集まりというドライな見方だ。

人間の生命だけが特別などとする宗教の見方があろう。ただ冷静に見てみると、生命とは厳しい生存競争のなかで繰り返される現象であり細胞にあるのは環境に適応しようとして形態を変え続ける本質だけのように思える。

人間が地上にいなくなっても生命現象は続くだろう。それが真かどうかは分かることはない。宇宙の果てがあるのか、それもまた夢なのかもしれない。

大きな生命現象のなかで、個人として有限な表れをして消えて・・・また生きるのかもしれない。自分を大事にしつつ大事には考えないことが宗教的なあり方なのだろう。

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