中国 「邪教」信者増に苦慮 「全能神」背景に貧富の差拡大

【国際】中国 「邪教」信者増に苦慮 「全能神」背景に貧富の差拡大
2013年10月4日 東京新聞

 中国政府が「邪教」に指定するキリスト教系の新興宗教「全能神」が急速に信者を増やし、中国当局は対応に苦慮している。「巨大な赤い龍」(共産党のこと)を倒して新国家を樹立すると主張する全能神は、貧富の格差拡大を背景に勢力を伸ばしており、当局が対応を誤れば大きな社会不安を招く恐れもある。

 中国政府関係者によると、全能神の信者は現在、百数十万人に上り、「組織の規則は非常に厳しく、内部管理も徹底している」という。信者は貧しい農民や農民工(出稼ぎ労働者)が多く、省レベルの指導者から県レベル、末端組織の指導者まで細分され、安徽省や陝西省など少なくとも全国二十二省・直轄市に広がっている。

 全能神は脱退者を厳しく処罰する専門組織をもち、入会すると抜け出すのは難しい。中国当局が「一時は二百万人を超えていた」とする邪教指定の気功集団「法輪功」よりも強い組織力があり、映像や書籍を利用した宣伝も活発だ。

 さらに、信者になれば金銭が支払われ、別の入会者を紹介すると「激励金」を渡すシステムを確立させ、信者数は急増。中国当局の調べでは、農民工の信者らが帰郷や友人訪問などの名目で個別の家庭に入り込む形で布教するケースが多く、実態をつかむのは困難という。

 中国には「反邪教(カルト)法」がなく、刑法や宗教管理条例によって新興宗教の活動を規制。しかし、取り締まりには限界があるため、専門家は法律制定を求めている。

 ただ、法律が施行されれば、中国政府・共産党に反発する宗教組織は全て邪教扱いされ徹底的に弾圧される恐れが強い。中国の憲法は「信仰宗教の自由」を保障するが、実際は国家の管理下にある宗教団体の活動しか認めていない。

 中国内に六千万人以上いるキリスト教徒の三分の二は「地下教会」で信仰する非合法の信者で、取り締まりを受けている。

 迷信を含むさまざまな新興宗教が出現する中、中国政府は格差是正や反腐敗キャンペーンを続け、国民の不満を軽減させることで、新興宗教の活動を抑えるしか当面は打つ手がないのが現状だ。

<全能神> 1990年代に活動を開始したキリスト教系新興宗教。教祖は黒竜江省出身の趙維山(ちょう・いざん)氏で「大祭司」を名乗り、2000年に「邪教」指定された後、米国内で生活。中国当局は、全能神の活動資金は外国から提供されているとみている。12年末には古代マヤ文明の終末論を利用して信者を集め、反政府活動の疑いで幹部ら1000人以上が逮捕されたが、その後も信者を増やしている。【北京=白石徹】


・「法輪功」よりも強い組織力とあり中国当局にとっては弾圧した時の反発を考えているとの記事。記事を読んでいても宗教団体と名乗っているがカルト色のある経済団体のようだ。

経済成長の鈍化で国民生活の不満が今後一気に膨らむ中国。特に経済格差は拡大し自由経済政策の負の部分が大きくなっていく。共産党政府に期待を持てない人たちが、こうした団体に心を奪われることは当然であろう。

ソ連崩壊後のロシアでも、政治・経済の大混乱で怪しげな新興宗教が増えた。人々が心の拠り所を失えばさらに負のスパイラルに入ってしまうことになる。

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