送りつけ商法:ゆうパック悪用 審査なしの代引きが温床に

送りつけ商法:ゆうパック悪用 審査なしの代引きが温床に
2013年8月3日 毎日新聞

 ◇悪質業者排除へ転換

 注文していない高齢者に健康食品を送りつけて代金を請求する「送りつけ商法」の被害が急増するなか、日本郵便(本社・東京都)が7月下旬から、警察より悪質業者名の提供を受けた場合、窓口での荷物の引き受けを断り始めたことが分かった。送りつけ商法の代金の受け渡しには同社の「ゆうパック」の代金引き換え(代引き)サービスのうち、事前審査の不要な窓口引き受けが悪用されることが多く、消費生活センターからは「一定の被害防止が期待できる」との声が上がっている。

 この悪質商法は、業者が電話をし、「健康食品を申し込んだ」と言い張って商品を送りつけ、代金支払いを求める。断ると「バカたれ、死んでしまえ」などと怒鳴って支払いを求めてくることもあり、消費者は恐怖感から押し切られて支払うケースが目立つという。国民生活センターによると、全国の消費生活センターへの相談は2012年度に1万5527件で前年度(2751件)の5倍以上と急増。今年度は8月1日までの4カ月で1万6690件に上り、既に昨年度の件数を上回った。被害者の9割以上は60歳以上という。

 代金受け渡しに多用されるのが「ゆうパック」だ。宅配業者の代引きサービスは、配達員が郵送物を宛先に渡す際に、差出人の指定した金額を代わりに受け取る。大手宅配業者は代引き利用業者を事前に審査して契約し、問題があれば契約を解除する。だが、ゆうパックだけは事前の審査なしで当日窓口で受け付ける独自サービスも提供。日本郵便によると、これが悪用されているという。ある消費生活センターによると、最近数カ月の相談で、悪質業者が使う宅配の代引きは「100%近くがゆうパックだった」という。

 同社には消費生活センターなどから苦情を含む情報が寄せられるが、「犯罪性の有無の判断が難しく、悩んでいた」とする。このため7月から都道府県警と連携。警察から悪質業者名の情報提供を受けた場合は、同社が該当業者について調査のうえ、数日以内に全国の郵便窓口に通知。該当業者が窓口に荷物を持ち込んだ場合は引き受けないことにした。

 また、宛先からの受け取り拒否件数が多い▽一度に大量の商品を持ち込む--など不自然なケースがあれば警察に情報提供する。

 ただ、業者が社名を変えると受け取り拒否ができない。消費生活センターからは「事前審査なしの代引き引き受けは悪質業者の抜け道になるためやめるべきだ」との意見もあるが、ネットオークションの広がりで需要はむしろ高まっている。日本郵便は「サービスは続けたいが犯罪に加担したくない。覚えのないゆうパックはきっぱりと断ってほしい」と注意を呼び掛けている。【大迫麻記子】


・代引きだが記事によれば大手宅配業者と日本郵便は、代引き業者の契約に違いがあるという。記事にあるように、社名を変えれば済むことなので効果的な対策は難しい。

つまり日本郵便の考え方次第で大きく被害が防ぐことができる可能性が高い。


見守り新鮮情報 第169号   平成25年7月19日
◇発行:独立行政法人国民生活センター◇

  健康食品は注文していないのに損害賠償請求書!?

突然知らない業者から「ご注文頂いた健康食品を送ります」と電話があったの
で、「健康食品を利用する習慣はない。頼んでいないので送らないでください」
と言って電話を切った。後日差出人のない封書が届き、「健康食品の注文の確
認をしたが、頼んでいないなどと発送前日にキャンセルされ損害金が発生した。
期間内に3千円支払わなければ法的手段に訴える」と書いてあった。注文してい
ないのに損害賠償請求される覚えはない。どうしたらよいか。(70歳代 女性)

<ひとこと助言>
☆「注文を受けた健康食品を送る」などと電話があり、申し込んでいないと断
 ったら、後日損害賠償請求書が郵送されてきたという相談が寄せられていま
 す。
☆事前の連絡もなく、突然損害賠償請求書が送付されてきたケースや、覚えの
 ない健康食品が送られてきたため受け取り拒否をしたところ、後日損害賠償
 請求書が送付されてきたケースなどもあります。
☆書類に「法的手段を取る」などと不安をあおるような脅し文句が書いてあっ
 ても、利用した覚えのない請求は支払わないで無視しましょう。決して相手
 に連絡してはいけません。
☆不安なときは、支払いをする前にお住まいの自治体の消費生活センター等に
 ご相談ください。

イラスト入りリーフレット(PDF形式)



追記 摘発例

健康食品販売会社:3社の業務一部停止 強引に送り付け
2013年8月27日 毎日新聞

 高齢者に電話をかけ、注文を受けていないのに「注文されていた商品ができあがりました」などとうそを言い、健康食品を強引に売りつけていたのは特定商取引法違反(不実告知など)にあたるとして、消費者庁は27日、いずれも健康食品販売会社の「健美食品」(東京都新宿区)と「ケア食品」(同)に3カ月、「日本ヘルスケア」(同)に6カ月、電話勧誘販売業務の一部について停止命令を出した。3社は営業拠点が同じ場所にあるなど事実上、一体で営業していた。

 同庁によると、3社は主に高齢者に電話をかけ、注文を受けていないサプリメント(1瓶90錠入り)を1万9800~2万4800円で、宅配業者の代金引換サービスで送るなどして販売した。

 昨年7月ごろから3社で約8700個を販売し、計2億円程度を売り上げた。全国の消費生活センターには約1000件の3社に関する相談があり、97%が60歳以上だった。同庁によると3社は事実関係を認めているという。【大迫麻記子、待鳥航志=インターンシップ生】


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