NHK 地球ドラマチック “永遠の命”は実現できるか!?

NHK 地球ドラマチック “永遠の命”は実現できるか!?
2011年 9月10日 NHK-Eテレ

 健康で長生きしたいというのは、多くの人々の願い。この壮大なテーマに、様々な角度から挑む研究者たちがいます。

 再生医療の最前線では、体の組織を培養し、交換可能な組織や臓器の生産を目指しています。それほど遠くない将来、特殊な樹脂で作った素材や、細胞を取り去った臓器を利用し、その上に患者自身の細胞を培養することで、拒絶反応のない臓器が実現するかもしれません。遺伝子研究の分野では、生き物の寿命を左右する遺伝子の存在が明らかになってきました。研究者たちは、その遺伝子の役割とメカニズムを解き明かそうと取り組んでいます。

 さらに、肉体に死が訪れても、コンピューターネットワークの仮想現実の中で「分身=アバター」として生き続けることで、「永遠の命」を実現させようというユニークな研究も行われています。

 「永遠の命」という人類の果てなき夢に挑む、科学者たちの研究の最前線に迫ります。

原題:CAN WE LIVE FOREVER?
制作:アメリカ(2011年)


・科学ドキュメントなので宗教とは関連しないが、倫理的には将来の大きな課題となるのが生命倫理の分野。この番組では、再生医療や仮想現実での生命などというSF的なことも語る一方で、それが現実味を帯びていくことを感じさせる。

番組では、愛車をメンテナンスしながらギネス記録を達成している男性の取材から始まる。これと同じように人間の身体も、痛んだところだけ取り換えることができれば長生きできるに違いない。細胞の培養は可能な時代だが、それを臓器という複雑な機構までにする様々な取り組みが行われている。

こうしたことは単純な臓器から始まり複雑な臓器へと応用されていくことは流れとして間違いない。また、身体のメンテナンスを支持する特別な遺伝子を持つ人は長寿であることがハワイでの調査で明確になり、それは各地でも実証されているという。

また生身の身体でない仮想現実の世界として、アバターとして自分の分身をコンピューター上に再現し残しておくプロジェクトを伝えた。自分の知識や経験、身体的なパラメーターなどを増やしていくことで自分と同じように考え行動する分身を作成していくという。

番組ナビゲーターは、技術で永遠に生きられる時代となった場合に、地球という資源では人口増加に対応できない。天体観測によって地球型の惑星は近くにない以上は、住めそうな惑星に合わせて人間を改造しないといけないという予想を語っていた。

一番身近に感じたのは、リスの冬眠にヒントを得て、低体温状態にして救急患者の新陳代謝を下げて身体を保持しつつ治療を優先させて元に戻すという試みだ。リスの冬眠時には、呼吸や体温や代謝が大きく下がることで少ないエネルギーで生きることができることが知られている。

実は、こうしたことは人間でも観察されている。ヨガの行者が深い瞑想状態に入ると、同様の状態に陥ることが検査から分かっている。それにより、普通ならば餓死するような過酷な環境にあっても生きながらえる機構が生物に備わっているようだ。

残念ながら冬眠のメカニズムは分からないことが多いというが、それは寒冷期を生き延びるという地球のメカニズムに合わせた生物進化の名残なのかもしれない。

以上、人間にとって長く生きたいという願望を充足させる技術が大きく発展している現状をみてきた。そこで残るのは、そこまでして長生きしたいのかという疑問だろう。

アバターの研究をしている科学者は、テレビドラマ新・スタートレックから着想を得たようだ。私も同じエピソードを見ているが、いろいろなデジタルデータにより分身が生まれるのかは疑問がある。私は私であり、有限であるがゆえに感じることもあるに違いない。

時間の概念を超えたところに生きる本質があるのであり、単に長く生きることが有益な人生であるとは思えない。生まれて死ぬというサイクルが自然な流れなのであり、その間を充実させていくのかという問題に過ぎないのだろう。
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