NHK-FM 日曜喫茶室 “ふるさと再発見 日本の昔話の魅力”

『日曜喫茶室 “ふるさと再発見 日本の昔話の魅力”』
2013年5月26日 NHK-FM

日本の各地に伝わる民話、祭事の由来や神話・伝説など庶民の文化を支えてきた“昔ばなし”は、今も子供から大人まで、世代を超えて愛され続けています。東日本大震災の後、日本古来の人と人との絆を求める風潮も強まり、昔ばなしへの注目は高く、アニメ化や本やビデオの販売が話題を集めています。今回の『日曜喫茶室』は「ふるさと再発見・日本の昔話の魅力」と題し、日本の昔ばなしに思いを寄せる、アニメ「まんが日本昔ばなし」の語りでおなじみの女優の市原悦子さんと小澤昔ばなし研究所所長の小澤俊夫さんをゲストにお迎えして、日本各地に伝わる昔ばなしの面白さや魅力についてお話を伺います。

【ゲスト】市原悦子(女優)
     小澤俊夫(小澤昔ばなし研究所所長)
【ご常連】安野光雅(画家)
【司会】(マスター)はかま満緒、(ウェイトレス)小泉裕美子


・日本の昔ばなしについて楽しい話を聞くことができた。ゲストの市原悦子さんの生での語りもあった。日本の昔ばなしと対比されるものは、例えばグリム童話などの世界の昔ばなしとされるもので、小澤俊夫さんは、その研究をされてから日本の昔ばなしの研究と採話や普及に努力されている。

日本の昔ばなしの種類は1000と言われている。教訓的な話が日本には多い。小澤さんにとって「三年寝太郎」は、人間の育つ姿を正直に見ていて気に入っている話である。「むかしむかし・・・」というのは時代も場所も人物も不特定である、つまり嘘の話である、信じないでくださいという宣言である。

小澤さんが考える昔ばなしのメッセージとは①人間と自然との関係(人間が自然とどう付き合ってきたか)②人間が育つ姿③いのちの在り方(弱肉強食の世界という実相)

市原悦子さんは「(番組を20年やってきて)終わってフーッと思った時に、まあ人間ってちっぽけだなぁという感想がものすごく大きかったです。そして教訓的教育的な・・・心掛けが良ければ良いことがあるとか、努力すれば実るとかはほとんどないということが感じられました。そして誰かに良い心を持ちなさいというのことはほとんど無力だという感じで。人間がちっぽけだなぁって、この自然と宇宙とこの世の営みは残酷だなって。そして努力してもしようもないからと言って捨て鉢になってもいけないし、やっぱり一つ一つやっていくんだな、一日一日生きていくんだな、それがものすごい感想でした」と語った。

この市原さんの話が核心を突くものだと思う。一般的に良い爺さんと悪い爺さんの対比で、良いことをすれば幸せが訪れると話されるかと思ったら、人間はちっぽけで残酷なものという感じたという。これこそが昔ばなしの深層として極めて大事なことなのではないかと思う。

仏教的な因果応報でなく、どうしようもないが、でも丁寧に生きていくしかないことを教え伝えているならば昔ばなしが語られる値打ちがあると思われる。

また、このブログの項目であるジョーゼフ・キャンベル教授は神話学の世界的権威であるが、神話と昔ばなしの関連を考えると非常に興味深いものがある。小澤さんの語る昔ばなしのメッセージに加えれば、神話とは、自然との付き合い方、人間の成長と社会との調和の在り方を教えるものだとも言える。

昔ばなしとは、単にこれこれの出来事がありましたという事実を伝えているわけでなく、あくまでも隠喩ととして広く自然と人間との関係、そして人間の成長と社会の在り方について考えるヒントを与えてくれるものだと思う。

文字か発明される前から、親から子・孫へ代々語り伝えるべきことが、単なる教訓でない人間の生きる難しさをそれでも肯定するところに大いなる価値があると改めて感じた次第である。


追加

市原悦子がNHK番組で差別語連発 有働アナ謝罪、視聴者からは擁護や評価の声
2015年5月23日 J-CASTニュース

 女優の市原悦子さん(79)が出演したNHKの番組で「かたわ」「毛唐」という言葉を口にし、アナウンサーが後で謝罪する一幕があった。

 いずれも体が不自由な人や外国人に対する表現で、メディアなどでは使用が避けられている。しかしネット上では市原さんの発言を非難する声はほとんどなく、「前後の文脈上問題ない」「差別意識はない」と擁護する意見が多い。

■「やまんば」への思い入れ語る場面で…

 市原さんは2015年5月22日に放送された「あさイチ」にゲスト出演。「まんが日本昔話」のナレーションを務めた思い出話に話題がおよび、「一歩一歩やっていくほかない」「風が吹いたらいい季節だなあと感じるようになった」と同番組に教えられたことが多いと振り返った。

 続けて、一番好きな話は「やまんば」だとし、

  「私のやまんばの解釈は世の中から外れた人。たとえば『かたわ』になった人、人減らしで捨てられた人、外国から来た『毛唐』でバケモノだと言われた人」

と発言。世間から疎外され、山に住んでいた人たちが「やまんばの原点」になったと思うと説明した。

 また、やまんばのキャラクターが「魅力的で大好き」な理由について、

  「彼らは反骨精神と憎しみがあって他人への攻撃がすごい。そのかわり心を通じた人とはこよなく手をつないでいく。その極端さが好き」

と笑顔で語った。井ノ原快彦さんも「虐げられているから愛情を欲しがるんですね」と応じ、スタジオは「日本昔話」トークで盛り上がった。

謝罪後、市原さんの表情がこわばった

 しかし番組の終盤、有働由美子アナが、

  「さきほどのコーナーで『かたわ』『毛唐』という発言がありました。体の不自由な方、外国人の方を傷つける言い方でした。深くお詫びします」

と謝罪。するとツイッターなどネットには番組の対応を疑問視する意見が相次いだ。

  「『当時差別された人』の文脈で使ってるんでまったく問題ないと思う」
  「昔話の解釈にちなみ、あえて使った表現だろう。綺麗な表現に置き換えたら、本質が伝わらない」
  「番組は見たけれど、悪意が無い分さほど気にならなかった」

など、あくまで「表現の一手法」「悪意はない」とする意見が多かった。

 また有働アナの謝罪後、市原さんの表情がこわばっていたと指摘する声があり、同情する書き込みも目立った。

 今回のような言葉は「放送禁止用語」などと言われるが、法規制がある訳ではなく、あくまでテレビ局などの自主規制による。

 たとえばNHKで「片手落ち」が使われなくなった経緯について、経済評論家で元職員の池田信夫さんは

  「けしからん」

と抗議を受けたからだと2006年のブログで明かしている。NHKは「かたおち」と言い換えている例が多いようだ。

 また作家の乙武洋匡さんは11年6月、ツイッターで、

  「『カタワ』はNGで、『障がい者』はOKと誰が決めたのか。誰の感情に合わせた線引きなのか。まったく分からない」

と疑問を呈したことがある。

 なお市原さんの発言に「浅草キッド」の玉袋筋太郎さんはツイッターで「かましまくる!」とはしゃいだ。自身もデビューから15年に解禁されるまでNHK出演時に番組から自主規制で「玉ちゃん」と名乗らされていた不満があったのかもしれない。


参考
著書『やまんば 女優市原悦子43人と語る』(2013年 春秋社)

活動・著書などについては
市原悦子オフィシャルホームページ」 http://wonderpro.sub.jp/profile/etsuko-ichihara

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