NNNドキュメント'13 ニッポンの性教育 セックスをどこまで教えるか

NNNドキュメント'13 ニッポンの性教育 セックスをどこまで教えるか
2013年5月12日 日本テレビ系列全国放送 30分枠

「どうやって赤ちゃんは生まれてくるの?」つい大人が逃げてしまいがちな子どもへの「性教育」。現在、小中学校の性教育では「セックス」や「避妊」には触れない。10年程前、一部の学校の性教育が過激だとして国会で問題になったからだ。一方で、子ども達を襲う性情報の氾濫。放ってはおけないと自力で性教育を始めた母親たちのグループがある。「お父さんとお母さんが愛し合って赤ちゃんは生まれてくる」そんな生命の成り立ちを正しく知ることで、自分の命や他人の命を大切に、というのがその願いだ。さらに、学校で産婦人科医などの専門家の授業を積極的に行い、未成年の人工妊娠中絶率を大幅に下げた自治体も…。どこまで教えていいのか、どうやって教えるのか、大人たちの苦悩を追った。

ナレーター: 毬谷友子
ディレクター:安川克己
中京テレビ制作


追記
NNNドキュメント‘13「ニッポンの性教育 セックスをどこまで教えるか」が、ギャラクシー賞5月度月間賞を受賞しました。

ニッポンの性教育 セックスをどこまで教えるか
2013年5月25日深夜 中京テレビ 50分枠

積極的な性教育によって未成年の人工妊娠中絶率を大幅に下げた自治体がある。一方性教育が「過激だ」と国会で問題になったことも。「セックス」をどこまで教えていいのか?


追記

第51回ギャラクシー賞受賞作品 テレビ部門
2014.6.4発表

●大賞●
連続テレビ小説「あまちゃん」
(日本放送協会 2013年4月1日~9月28日放送)
●優秀賞●
「ニッポンの性教育 セックスをどこまで教えるか」
(中京テレビ放送 2013年5月25日放送)


報道特集 シリーズ秘密保護法案「秘密保護・法案成立なら社会は? 原発情報どこまで秘匿? 現役官僚語る」「特定秘密保護法が成立…議論は尽くされたのか?」
(TBSテレビ 2013年11月30日、12月7日放送)

テレビ朝日開局55周年記念 山田太一ドラマスペシャル「時は立ちどまらない」
(テレビ朝日 2014年2月22日放送)


・こうした議論を未だに行っているのが日本という国である。

この問題には以前から興味を持っていたが、確かに最近では話題にならなくなった。そのためか以下の記事にあるように、特に若い世代からの反響があったようだ。つまり彼らは知らずに育ってきたということだろう。

日本人はブームに弱いところがあり、この性教育にもブームがあり反作用としてバッシングが起こるのが常である。それが2005年に国会でも取り上げられた過激な性教育を追求する動きだったという。与党は日本各地から先進教育を行う事例を収集して、行き過ぎを批判したキャンペーンを行った。

その先頭に立っていた与党女性議員にもインタビューしていたが、さすがに当時の熱気はないようである。やはり時代の大きな流れの中の出来事なのだろう。

文部科学省の教育調査官という官僚にインタビューをしていたが、彼は、この問題は思想性が強くバランスが難しいという。それが、新・教育指導要領にある「受精に至る過程は取り扱わないものとする」という教育方針となっている。

ただ問題となるのは現実に起きている事柄にきちんと対処できていないということであろう。

番組では、三重県いなべ市で実施された地元総合病院産科女性医師による中学校での課外授業を取り上げた。その打ち合わせで、医師からは①望まない妊娠を避ける②性感染症③デートDVについて話をしたいと提案された。学校側は、例えばピルの使用については副作用もあるなどと消極的な姿勢もあったが、結局は中立的な立場を維持したいという保身があることを認めた。

妊娠の仕組みを話すには、セックスという行為を説明しなければならない。大きく議論が分かれるのは、児童に知識を与えることが余計な興味を抱かせて危険だという認識と、知識を与えることが将来への予防や望まない妊娠を避けることにつながるという認識の差だろう。

授業をした女性医師は、現場で臨まない妊娠・中絶、性感染症、DVなどを身近で見ているゆえの危機感からの話であり説得力があるように感じた。きちんとポイントをつかんで話をされているように思う。

セックスは自然に覚えるから学校教育では教えなくてもよいとする見方もあるのだが、問題となるのは、ではそれを覚える経緯が、間違ったマスコミ情報や友人からの知識、興味本位のアダルト情報に偏ってしまうことだろう。

どこかの首長が性的エネルギーを解消するには風俗を活用せよと発言し物議を醸しているが、そこで決定的に欠けているのは女性への配慮なのだ。妊娠するのは女性であり、暴力の対象となるのは女性である。男性は性エネルギーの対象としか見る必要はないかもしれないが、大きな傷を心身ともに受けるのは女性であるということだ。

私自身は、例えばスージーとフレッドなどの人形がどうこうといった低いレベルの議論ではなくて、大きなイノチの教育の一環として、愛することが子どもを作るという行為に結びつくことを自然に教えればいいと思っている。

原発事故に見られるように、日本人は本当のことを教えないことが良いことだという官僚的な発想が充満していると考える。

なおNNNドキュメント放送後に、地元中京テレビでは放送時間を延長したバージョンを流すようであり、こちらも見てみたい。

追記
放送時間拡大版を見た。全国放送版ではカットされた箇所を見ながらも、どこをどのようにカットしたかを見ながら視聴した。かって東京の養護学校で行われていた性教育授業に対する都教委の介入と裁判闘争。各務原子ども劇場の活動詳報を大きな流れとして展開していたことが分かる。またNPO Babyポケットという養子縁組組織の活動も、女子児童の妊娠・出産に絡めて伝えた。

番組を再度見て考えることは、好奇心を持った子どもたちにとっては情報が欲しいのは当たり前であり、大人が功罪を含めて伝えることの必要性にどう向き合うかであろう。学校側が恐れるのは一部保護者からのバッシングである。差し障りのないことを教えることは簡単だろうが、それが児童らの身を守るためになるのだろうか。

これと絡めて思うことに消費者教育がある。世の中には様々な生活に関する問題があり、特にお金に関しての基本知識が極端に欠落していると感じる。騙されたり脅されたりすることに対して基礎知識がないために餌食となってしまう。性教育と同じく、大人になれば覚えるから知らなくてもいいということも同じでり極めて危険なことだと思う。

子どもにも人権があり守られるべきことがある。判断ができ始めるときに、きちんと話をすれば興味本位でない聴き方をするのだと思う。何も教えないことがベターだというのは、官僚的な無責任な発想だろう。それで可愛いわが子を守れるのかと問われているのだろう。


セックス、オチンチンを包み隠さず取り上げた日テレ系の「性教育番組」
2013年5月19日 ゲンダイネット(日刊ゲンダイ2013年5月16日掲載)

「お母さんの膣へお父さんのオチンチンを入れて、精子を膣へ運びます。これを英語でSEXと言います」

 普通では決まりが悪くなるような話を、ごく自然にポンポンと説明する地元の主婦2人。その先には耳を傾ける低学年の児童たちの姿が――。12日深夜に放送された「NNNドキュメント’13」(日本テレビ系)の番組冒頭では、こんなVTRが流れた。

「ニッポンの性教育 セックスをどこまで教えるか」と題し、小中学校の性教育を取り上げた30分番組。制作は中京テレビで、岐阜にあるNPO法人の活動を皮切りに各地の学校、行政、病院が協力して取り組む姿とその苦悩にカメラを向けた。

 性教育を取り上げたテレビ番組は珍しい。ただでさえデリケートな問題だし、10年前、ある養護学校の性教育を一部マスコミがバッシングしてからは、どこもみな、当たらず触らずの状況だ。NNNの番組は放送直後からネットでスレッドが立ち、大騒ぎだったが、専門家はどう見たか。放送ジャーナリストの小田桐誠氏が言う。

「インパクトのある冒頭は視聴者の心を引き付け、一気に問題提起まで持ち込んだ。30分という限られた放送時間を逆手に取った優れた手法。その直前には〈性教育に関して小中学校の教科書を超えた内容が含まれる〉などとフォローするテロップを流し、あらゆる方面に気遣う丁寧な番組づくりを印象づけました」

 現在、学習指導要領では「セックス」や「避妊」を扱うのはタブー。番組はその理由を文科省の担当者に問うたり、保守派の女性国会議員に意見を求めたりしていた。

「淡々とニュートラルに報じる姿勢を取りながらも、視聴者が実態を把握できるような構成に徹している。性行為のリスクも教えるべきだと主張する産婦人科医のコメントを長めに使ったり、専門家による課外授業で未成年の人工妊娠中絶率を下げたデータを引用したりと、工夫もされていた。小泉元首相や安倍首相が行き過ぎた性教育を否定しているVTRを流し、スパイスも利かせている。年齢問わず、気づきを与える番組です」(小田桐誠氏)

 小学生の子どもや孫を持つ世代にオススメだ。



性教育に不当介入 賠償が確定
2013年11月29日 NHK

東京・日野市にあった養護学校が行っていた性教育を平成15年に当時の都議会議員が批判し、都の教育委員会が不適切だとしてやめさせたことについて、「不当な介入だ」と判断して、東京都と議員に賠償を命じた判決が最高裁判所で確定しました。

東京・日野市にあった当時の「都立七生養護学校」では、児童や生徒に性について正しく理解してもらうためとして、歌や人形で男性と女性の体の仕組みなどを教える性教育を行っていました。

しかし、平成15年に当時の都議会議員3人が学校を訪れて内容を非難したうえ、都の教育委員会が教師を厳重注意などの処分にしたため、性教育が続けられなくなったとして、教師や保護者が裁判を起こしていました。

20131130

1審と2審は、いずれも「教育の自主性をゆがめる不当な介入で処分は裁量権の乱用だ」などと指摘し、東京都と議員3人に賠償を命じていました。

これについて、最高裁判所第1小法廷の金築誠志裁判長は29日までに上告を退ける決定をし、東京都と当時の都議会議員3人に合わせて210万円の賠償を命じた判決が確定しました。





ニッポンの性教育 セックスをどこまで教えるか

中京テレビ公式チャンネル

2013年5月7日
安川 克巳‎ Facebook

皆様へのお礼とお知らせ

名古屋の中京テレビ報道局で勤務している安川と申します。
3月下旬に大館市内の中学校で性教育講座を受講された記憶のあるお母さまを探していると投稿させていただきました。
その後、大館市内の病院で偶然に該当のお母さまと出会い、取材をさせていただく事ができました。こちらの管理者様をはじめとして皆々様のご協力に心から感謝しています。
なお、今回の大館市内での取材内容を含む「子どもへの性教育」を考えるドキュメンタリー番組を制作し、近日放送させていただくことになりました。深夜ではありますが、全国ネットでの放送で秋田県ではABSさんでご覧いただけます。
賛否両論あるデリケートな問題ではありますが、子育て中の皆様にもご覧いただき、お考えやご感想などをお寄せいただけたら幸いです。
サブタイトルに嫌悪感をもたれる方もいらっしゃるかも知れませんが、日本の性教育が抱えている問題を提起するため、あえてストレートに文字にしました。

NNNドキュメント'13
「ニッポンの性教育~セックスをどこまで教えるか」
5月12日(日)24時50分~25時20分
日本テレビ系列全国ネット


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