「中国で信教の自由悪化」報告書

「中国で信教の自由悪化」報告書
2013年5月21日 NHK

アメリカ政府は、世界各国の信教の自由に関する年次報告書を発表し、中国について、チベット自治区や新疆ウイグル自治区などで状況が悪化しているとして、厳しく批判しました。

アメリカ国務省は20日、信教の自由に関する2012年の世界各国の状況をまとめた報告書を発表しました。

この中で、中国について、宗教活動を理由にした当局による嫌がらせや拘束などが行われ、厳しく規制されていると指摘しています。

特にチベット族への厳しい弾圧が行われ、当局による不当な拘束や虐待で死者も出ており、こうした弾圧に抗議して、2012年に83人が焼身自殺したとみられるとしています。

また、新疆ウイグル自治区では、中国政府が分離独立の動きやイスラム過激派によるテロを警戒し、ウイグル族を抑圧しているとしたうえで、当局に拘束された11歳の少年が死亡したケースなどを挙げ、深刻な実態を指摘しています。

そして、信教の自由を巡る中国の状況は悪化しているとして、中国政府を厳しく批判しました。

アメリカ政府は中国の人権状況について懸念を強めており、引き続き改善を求めていくことにしています。




International Religious Freedom Report 2012
アメリカ国務省:信仰の自由に関する国際報告書(2012年版)
http://www.state.gov/j/drl/rls/irf/religiousfreedom/index.htm#wrapper


参考 米国大使館・東京-主要報告書

信仰の自由に関する国際報告書(2011年版)―日本に関する部分

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

国務省民主主義・人権・労働局

2012年7月30日発表

エグゼクティブ・サマリー

 日本国憲法、その他の法律および政策は信仰(信教)の自由を保護しており、政府は実際に、信仰の自由をおおむね尊重した。信仰の自由の権利の尊重および保護に関し、政府は改善または後退のいずれの傾向も示さなかった。

 宗教的な帰属、信条、または実践に基づく、社会的な侵害または差別に関する報告がわずかながらあった。

 米国政府は、信仰の自由の状況を注意深く観察し、少数派宗教団体に定期的に接触し、信仰の自由の問題に関して日本政府と話し合った。

第1節 宗教統計

 政府は宗教団体に対し信者数の報告を義務付けていないため、各宗教の信者数を正確に把握することは困難である。文化庁の報告によると、各宗教団体の報告による信者数は2008年12月現在、合計2億700万人であった。この数字は日本の総人口1億2740万人よりも大幅に多く、日本国民の多くが複数の宗教を信仰していることを表している。例えば、多くの日本人は仏教と神道の両方の儀式を実践している。

 2008年の統計を記載している文化庁の最新版の宗教年鑑によると、信者数は、神道が1億800万人、仏教が8800万人、キリスト教が230万人、「その他」の宗教が890万人いる。日本国内のイスラム教徒の人数に関する政府統計はない。

第2節 政府による信仰の自由の尊重の現状

法的・政策的枠組み

 日本国憲法、その他の法律および政策は信仰の自由を保護している。

 文化庁によると、約18万3000団体が宗教法人として政府に認証されている。政府は、宗教団体の登録または認証申請を義務付けてはいないが、認証された宗教法人には税制面の利点がある。2008年までに宗教団体の82%以上が認証を受けている。

 1995年に東京で発生した、オウム真理教による地下鉄サリン事件を受けて改正された宗教法人法は、認証を受けた宗教団体を監督する権限を政府に与えている。同法により、認証された宗教団体は資産を政府に開示することが義務付けられ、政府には、営利活動に関する規定に違反している疑いがある場合に調査を行う権限が与えられた。宗教団体がこうした規定に違反した場合、当局は当該団体の営利活動を停止する権限を持つ。

 政府はいかなる宗教上の祭日も国の祝日としていない。

政府による実践

 日本国内での侵害の報告がわずかながらあった。5月に14人のイスラム教徒が政府を提訴した。これは、警視庁および警察庁が当該イスラム教徒の宗教活動および所属団体を含む個人情報を、申し立てによると信仰する宗教のみを理由に、組織的に収集していたことが、偶発的にインターネット上に流出した文書から明らかになったためである。2011年末現在、訴訟は継続中だった。

 政府は、日本に居住する法輪功(法輪大法とも呼ばれる)学習者であり、人道的配慮による一時的な保護の地位を申請する中国人に対し、その地位を付与した。このような中国人の中には、在日中国大使館は信仰を理由に自分たちの中国のパスポートを更新しないだろう、と報告した者もいた。この人道的配慮による一時的な地位により、これらの中国人は日本国内にとどまり、日本政府が発行した渡航書類を利用して海外に渡航することができた。

第3節 社会による信仰の自由の尊重の現状

 宗教的な帰属、信条、または実践に基づく、社会的な侵害または差別に関する報告がわずかながらあった。

 2010年10月、福井県のモスクの前に駐車した車が放火され、「外人GET OUT(出て行け)」と記した張り紙があった。主に福井在住の外国人大学生が通うこのモスクの指導者は、この事件をまれにしか起きない特殊な事例であり、自分たちは地域社会と前向きな関係を築いていると述べた。警察は2011年後半にこの事件の被疑者1人を逮捕した。

 ディプログラマーが家族と協力して、統一教会の会員およびその他の少数派宗教団体の信者を数年間にわたり拉致してきたとの報告があった。報告件数は1990年代以降、大幅に減少したが、非政府組織(NGO)の「国境なき人権」が12月に公表した調査は、統一教会会員の拉致とディプログラミングが継続して発生していると主張した。しかし、統一教会が報告を誇張あるいは捏造(ねつぞう)したと非難するNGOもあった。統一教会は、2011年に同教会の会員が拉致された事例を2件、拉致された疑いがある事例を3件報告した。同教会によると、拉致された会員のうち1人は5カ月間の監禁の後に脱出し、もう1人は3週間後に解放された。統一教会関係者が拉致されたと疑っている3人は全員、同教会を脱会した。2010年末時点でまだ監禁状態にあったと報告されていた別の2人の会員は、同教会を脱会した。統一教会はまた、日本全国の大学で行われたカルト防止ワークショップおよび運動が、同教会の関連団体に近づかないよう学生に呼びかけており、同教会の会員である学生にとっては厳しいキャンパス環境が生まれる一因となったと主張した。

 日本社会は、法輪功学習者が自由に修練する権利をおおむね支持してきたが、在日中国大使館が法輪功学習者を差別するよう日本の組織に働きかけ、法輪功に嫌がらせをし、弱体化させる運動を積極的に実行したとする複数の報告があった。日本の一流施設の中には、ニューヨークを拠点とする法輪功関連の芸術団体である神韻芸術団の公演の開催を拒否しているところもあるが、より小規模な他の劇場が同芸術団の公演を開催している。法輪功に所属する他の演者たちは、大規模な施設で公演を行っている。同様に、中国の圧力に屈して「大紀元」紙に広告を掲載していない日本企業もあるが、一方で引き続き同紙に広告を掲載している企業もある。

 2011年には宗教の違いを超えた意義深い取り組みが継続された。異宗教の団体から成るNGOの日本宗教連盟は、宗教文化と宗教間の調和の促進のために活動した。イスラミックセンター・ジャパンのメンバーは教会で講演し、キリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒、仏教徒と共に宗教間の平和の祈りに参加した。諸宗教の団体で構成される世界宗教者平和会議日本委員会は、2011年に、宗派を超えたシンポジウムを開催し、3月11日の東日本大震災を受け多くの宗教団体が主導した救援活動に参加した。

第4節 米国政府の政策

 人権促進のための総合的な政策の一環として、米国政府は信仰の自由の状況を注意深く観察し、少数派宗教団体およびNGOに定期的に接触し、信仰の自由に関して日本政府と話し合いをしている。


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