NNNドキュメント'13「孤高の出張カウンセラー 自閉症の子どもを救え」

NNNドキュメント'13「孤高の出張カウンセラー 自閉症の子どもを救え」
2013年2月17日深夜 日本テレビ

わが子が自閉症と宣告された母親の苦悩を希望へと導く臨床心理士がいる。歯に衣着せぬ言動と奇抜な風貌で国内外を飛び回る“出張型心理カウンセラー”奥田健次(41)氏。番組ではわが子の将来を案じて思い悩む母親と、知的障害を伴い言葉の発達が困難と思われた男児が、わずか数ヶ月で驚きの成長を見せる姿を追う。その一方で奥田の大胆な手法に戸惑う家族も…。子どもの問題行動に向き合った瞬間に独自のひらめきで解決策を見出し、確かな変化をもたらす奥田の手法。その根底にあるものは数多くの臨床実績と、「障害は的確なアプローチによって改善する可能性がある」という信念だ。そして、奥田が幼少期に受けた暴力…。その体験を乗り越え、自閉症の子どもたちに情熱を注ぐ姿に密着する。

ナレーター: 鈴木省吾
ディレクター:浅田さかえ
制作:日本テレビ



・まず、私の知っている臨床心理士も奥田のような感じの方で、病院勤務を止めて開業に切り替えた。開業していくことは組織に属さない分だけ利点もあるが、それだけに力量も問われる。

さて本作品だが、奥田健治という発達障がいを専門とする開業臨床心理士を取り上げている。彼は分析心理学の研究者として大学准教授の経験もある。自閉症に関しては、いろいろなアプローチがあり、研究者がさまざまな実践を行っている。

彼のあり方は、とにかく目の前で起きている問題行動を具体的な方法で直していく。つまり標語のような発達障がい児に対するお題目を提示するのではなく、具体的に親の前で示し、その行動を教え込んで親に訓練させることを促す。

その具体的な方法は、行動分析学の考え方に基づいたもので理論にもかなっているのだろう。彼の考えによれば、それを一人一人の子どもたちに合わせてオーダーメイドの方法を伝授するということなのだ。

取材の途中で語った、奥田の幼少期の記憶・体験、その後保育士として働いて自閉症児に接したことから心理学に興味を持ったようだ。それから米国に留学してから研究者になったようで異色の経歴といってもよいかもしれない。

ドキュメントでは、タイ・バンコクに住む自閉症児を持つ子どもへの継続的なセッション、新規家庭でのセッション、また軽井沢での本拠地での様子、各種講演・勉強会などを取材していた。セッションでは、自閉症児が変容していく様子があった一方、その方法についていけずに断念する新規家族の様子も伝えた。

奥田のブログ等を見ていると、かなり鮮明に独自の世界を持っていると感じる。だから、この取材に対しても一定の距離を持っているし取材者に対しても親切ではないような感じがする。番組の反響で、問い合わせが増えていることに対して迷惑な思いすら感じているようだ。それは当然ともいえる。

テレビ番組出演する人は、それを大いに利用し集客を目指したり権威づけをしたりするのが本当に多い。また見ている人もテレビで取り上げてくれる人なら信頼と実績があると思い込んでしまう。治療が難し病気や障がいでは、それが強く働いてしまうだろう。

映像を見ていて感じたのは、対象となる障がい児をきちんと観察していること、また意味づけを発達の中で捉えて、どのような契機を与えれば必要な行動を促せるかを予想していることだ。

カメラの前で睡眠薬を飲まないと2時間くらいしか眠れないと語る奥田は自ら繊細だと語った。このカットが使われるか奥田も半信半疑だったかもしれない。

自閉症児のためには、奥田の方法を応用できる人材を産み出すことが必要なのだが、それができるか否かが疑問に残る。ドキュメントの限界を感じつつも、こうした逸材を紹介することも一つの使命であることは間違いない。


オフィシャルブログ http://diamondblog.jp/kenjiokuda/
奥田研究室 http://www.kenjiokuda.com/
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