BS世界のドキュメンタリー『クワイア ボーイズ』〈全4回〉詳細

BS世界のドキュメンタリー“シリーズ クワイア ボーイズ”』<全4回>
NHK BS1

ロンドン交響楽団などで合唱団の指揮者として活躍してきたギャレス・マローンが、スポーツの名門校として有名なイギリスの男子校・ランカスター校に、合唱団を作る使命を帯びて乗り込んだ。合唱なんかに全く興味を持たない少年たちにマローン先生は、「合唱を通して生涯忘れられない経験をさせたい」と熱く語り、あの手この手でアプローチ。全校生徒の前で自ら歌ってみせたり、脈のありそうな生徒に個人レッスンをしたり、ラップグループを組む少年たちに声をかけたり…。

初めは、しぶしぶだった少年たちも少しずつ興味を持ち始め、「合唱団を作ろう!」というマローン先生の呼びかけに、なんと170人もの生徒が集まる。目標は、権威あるロイヤル・アルバート・ホールで歌うこと!イギリス最大の若者の音楽イベントへの出場を目指して、マローン先生と少年たちの挑戦が始まる!しかし、越えなければならない障壁が山ほど…。果たして、ランカスター校の少年合唱団は、ひのき舞台に上がれるのか?

人前で歌うことを恥ずかしがる合唱嫌いの生徒たちを、音楽の殿堂ロイヤルアルバートホールの大舞台に導こうと奮闘する、イライラと感動のドキュメンタリー!

イギリスは伝統的に合唱が盛んな文化だったのですが、近年は10代の少年たちの合唱離れが進み、地域の教会では聖歌隊のメンバーをそろえるのも大変なのだそうです。そんな中で制作されたこの番組は、最初に企画があり、それを元に実際に出演者の挑戦を一部始終記録する、いわゆるリアリティーショーです。

ロンドン交響楽団の青少年・地域合唱団の指揮者を務めるギャレス・マローンさんが、少年たちの抵抗に遭いながらも彼らの才能を見いだしていく姿と、声を合わせて歌う楽しさに目覚めていく少年たちの素直さがとてもすがすがしい作品になっています。

NHKBS 初回放送:2008年11月17日~20日
原題:The Choir ~Boys Don't Sing~
制作:twenty twenty production (イギリス 2007年)






《番組内容》

第1回 カッコ悪くて歌えるか!

ランカスター校に赴任した最初の日、ギャレスは全校生徒の前で自ら歌を披露。その古典的な合唱曲に少年たちは驚きあきれ、しかも恥ずかしさにギャレスを直視できない。

学業やスポーツに取り組むことがこれまでのランカスター校の校風であり、合唱をやりたい者は皆無。ところが、ギャレスは校内に人気のラップグループがあることを知り、その1人、イムラン(14歳)を個人レッスンに誘う。すると、イムラン以外にも個人レッスンを受ける少年が増え、ギャレスは手応えを感じる。転校生のマイケル(11歳)はいじめられていて、歌が好きなのに学校ではからかわれることを恐れて絶対に歌えなかった。「ギャレス先生が来てよかった!」と喜ぶ。

さらにギャレスは、毎日の生徒集会で合唱をしようと提案。教師たちは難色を示したが彼の熱意に負け、受け入れる。しかしそんな中、ギャレスとイムランの間に溝が。授業中の態度を叱責されたことで、イムランは「歌はやりたくない」と個人レッスンをやめてしまったのだ。

それでも合唱団を作るために、休憩時間などを最大限に利用して勧誘活動を続けるギャレス。最初の練習にいったい何人の生徒が現れるのか。当日、不安を抱えながら待っていると・・・

第2回 素直になれば

ギャレスがランカスター校にやってきて3週間。声変わりをしていない下級生とすでに声変わりした上級生の2グループにわけての練習が始まった。教会の聖歌隊で歌っている少年も2人いることがわかり、ギャレスは喜ぶ。

さらに、教師たちの合唱団も作って学校全体で合唱への関心を高めようと思いついたギャレスは、教師や学校関係者150人に呼びかけた。ところが練習に集まった50人のうち男性教師はたったの7人。そこでギャレスは生徒たちに人気がある男性教師、フォアマン先生に合唱団に参加して欲しいと直談判するがあっけなく断られてしまう。あきらめられないギャレスが、生徒たちにフォアマン先生を勧誘する歌を作らせてさらに迫ると、これにはフォアマン先生もついに折れて合唱団に入ることを承諾。

ギャレスは、夏休み前に行われる学校行事「サマーショー」で生徒たちに歌を披露させ、自信をつけさせようとする。そのソロパートのオーディションには何と生徒の3分の2がエントリーし、その中からギャレスは、経験は少なくても、熱意があり、歌うことを楽しんでいる2人の少年を選んだ。
サマーショーの当日、昼間に行われるもう一つのイベントのスポーツデーでは、フォアマン先生を始めたくさんの男性教師も加わった教師たちの合唱団が「ワールド・イン・ユニオン」を披露。生徒たちも初めて聴く先生たちの合唱に感動する。

そして、いよいよランカスター校合唱団の初舞台・・・

第3回 涙の説得工作

ランカスター校にやってきてから2ヶ月が経過。「合唱を通じて少年たちに生涯記憶に残る経験をさせたい」と考えるギャレスは、イギリス最大の若者のための音楽イベント「Music for Youth」への出場を新たな目標にする。

イベントが行われるのは権威あるロンドンの「ロイヤル・アルバート・ホール」。その舞台で歌うために、まずは現在60人のメンバーを100人にするようにと言われたギャレスは、少年たちと一緒に地域の小学校を訪問。彼らの歌声を披露して、ランカスター校に入学したら合唱団に入って欲しいと訴える。

ランカスター校の合唱団がロイヤル・アルバート・ホールで歌うにふさわしいかどうかを見極める審査。審査員は「フレーズやリズムの取り方をしっかりと練習すること。何週間か後にもう一度審査します。」と彼らを励ました。
夏休みが終わり、イギリスでは新年度がスタート。小学校で勧誘した新メンバーも加わったが、夏休みをはさんだせいか熱意を失い、練習を休む生徒が目立つ。3週間後、練習に来たのは80人のメンバーのうちわずか38人。危機感を募らせたギャレスは、練習に来なかった生徒1人1人に電話をかけて説得する。

ロイヤル・アルバート・ホールで歌うための最後の審査にギャレスが選んだのは、クラシックの名曲、ヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」。クラシックと初めて接する少年も多く、「退屈」「古くさい」とノリが悪い。歌詞のイタリア語の発音もままならず、合唱団の先行きは危ぶまれた。しかし、ギャレスはあきらめずに少年たちを励まし、特訓を敢行。何とか2回目の審査を迎える。

審査員の前で、「オンブラ・マイ・フ」を披露した少年たちは、見事、ロイヤル・アルバート・ホールで歌うことを許されるか・・・

最終回 まさかまさかの大舞台

ロイヤル・アルバート・ホールでの本番まで4週間。ギャレスは生徒たちを連れて、世界的にも有名な合唱団の一つ、「ケンブリッジ・キングス・カレッジ聖歌隊」を訪れ、合同練習をさせてもらう。キングス・カレッジ聖歌隊は、1441年にヘンリー6世が創設。メンバーには年少者もいる。ランカスター校の生徒たちは、チャペルで聖歌隊と一緒に「オンブラ・マイ・フ」の指導を受ける。聖歌隊のレベルの高さに最初は圧倒されていた生徒たちも、練習後は「自信がついた」と満足気だ。

ギャラスは、ロイヤル・アルバート・ホールでの合唱にイムランたちのラップグループも参加させたいと考え、もう1曲、「スタンド・バイ・ミー」を選ぶ。さらに若者に人気のヒット曲の「Beautiful Girls」のラップのフレーズを「スタンド・バイ・ミー」に組み込んでアレンジ。こうして授業中にギャレスに叱責されて以来、歌の個人レッスンを拒んでいたイムランと和解し、ラップグループのメンバーもいっしょに合唱団に加わることになった。

その「スタンド・バイ・ミー」のソロパートのオーディションには、25人の少年がエントリー。メンバーの中で最も歌がうまいと一目置かれているトニヤンと、これまでは目立たなかったワーチイが選ばれる。

本番の一週間前、緊急事態が起こる。ソロをつとめるワーチイがのどを痛め、声がほとんど出なくなる。動揺するギャレス。しかし、ワーチイを追い詰めないよう、「落ち着いて。とにかくのどを休めて。」と励ます。

そして本番当日。少年たちの家族も駆けつける中、合計150人もの大合唱団がそれぞれの思いを胸に、夢の舞台ロイヤル・アルバート・ホールで堂々と歌い上げる。



クラシック音楽のチカラ
ギャレス先生の特別授業 
ギャレス・マローン 著

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単行本: 524ページ
出版社: 青土社 (2013/2/25)


内容

イギリスBBCのThe Choirシリーズなどで絶大な人気を博す(日本ではNHK『BS世界のドキュメンタリー』や『地球ドラマチック』で放送)合唱指導者ギャレス・マローンが、どんな音楽嫌いでも説得の果てに自分の懐に取り入れてしまう、テレビでの柔和な語り口そのままに、彼が最も愛する音楽であるクラシックを楽しむための基礎知識や実践を徹底伝授! クラシック音楽への格好の入門書であると同時に、マローンの個人的な経歴や思い出も随所で語られ、ファンにとっても必読の書。カリスマ音楽教師によるクラシック名講義。

【目次】
イントロダクション

Part 1: LISTENING

第1章 クラシック音楽が好きですね――そのはずです!

ディスカヴァリー/自分で思っているよりも実は知っている/パニックにならないで/専門用語/馴染みすぎると軽んじてしまうことも/映画音楽/知っているけれど題名が分からない楽曲/クラシックの大ヒット曲/知っているかもしれないその他の曲――あるいは知らなくても別によい曲

第2章 なぜ、なぜ、どうして?

固定観念の扱い方/クラシック音楽はリッチな人たち向けなの?/「調【キー】」って何?/作曲家って何?/メジャー? マイナー?/オーケストラの楽器編成は誰が決めたの?/クラシック【クラシカル】音楽と古典派【クラシカル】「時代」の音楽……混乱しちゃう/クラシックってことは、ポピュラー音楽じゃないっていうこと?/なぜクラシックの奏者たちは音符を楽譜に書き留めておかないといけないの? 他の音楽家たちはしないのに/モーツァルトを聴くと頭がもっとよくなるの?/クラシック音楽はどれも宗教的なものなの?/どうすれば音楽を「理解」できるの? 感覚だけの問題ではないの?/どうしてヴァイオリン奏者がオーケストラの「リーダー」なの?/どうしてオーケストラはコンサートの始まりで、オーボエに音を合わせるの?/わざと不快な音を使う作曲家もいるのはなぜ? 音楽は華々しく、美しくあるべきじゃないの?/クラシック音楽に退屈してしまっても大丈夫?(よくするんだけど)/クラシック音楽の作曲家は皆、もう亡くなった白人男性ばかりなの? ――いい論点です/最も偉大な作曲家は誰?/音楽的な天才は生まれつきではなくて、作られるもの?/声は生まれつきではなくて、作られるの?/昔の演奏家たちは今よりも優秀だったの?/どうしてクラシックの音楽家たちは即興演奏しないの?/どうしてオーケストラは(たいてい)黒い服を着ているの?

第3章 どのように聴くか

どのように聴くか/なぜ聴くのか/文脈【コンテキスト】――聴くことと理解すること/録音がダメにした聴き方/どこで聴くか――インターネットとオーディオ・テクノロジー /聴き方が変わると

第4章 音楽とのホットなデート

君を知っていくにつれて、君の全てを知っていく……/音楽と過ごす、ホットなデート/コンサートでの印象的なひと時/曲と曲とをつなぐもの/年を重ねて分かること/これが好き、さあどうしよう?/いくつかのアプローチ/プログラムを読もう/僕にとって不可欠な情報源/体系づけて聴こう/何でもあり――自分のやり方でいこう/リスニング課題/だんだん好きになっていく

第5章 カノンを打ち破る

カノンの周辺、そして外側/シューベルトとその仲間たち/知っておくべき作曲家たち

Part 2: DISCOVERING

第6章 メロディーの秘密

あなたのお気に入りの音楽/メロディーはどんな働きをするか?/メロディーを変化させる――主題の変奏

第7章 ハーモニーの魔力

ハーモニーって何?/ハーモニーについて何を知っておくべき?/和音という階段/緊張と解放/掛留音/ハーモニーの作用――転調/不協和音/無調主義/大きな揺り戻し【バックラッシュ】が始まる――ミニマリズム/ハーモニーと変化

第8章 様式【スタイル】とオーケストラ

スタイルを身に着ける/オーケストラのセクション/歌唱法いろいろ/様々な音楽の時代を理解する――作曲家たちのオーヴァーラップ/識別する方法/真正な演奏

第9章 音楽の構造

時間をかける/10秒ルール/大きな構造においてどう作曲するか/音楽の構造

Part 3: PERFORMING AND SURVIVING

第10章 歌ではなく歌手について

歌うこと/合唱団の内幕/オペラの歌唱法/舞台字幕――ステージ上に映されるネオンの台詞/心を込めて生で歌う――そこにいなくては

第11章 指揮棒を手に――指揮者について

楽譜の進化/手の動きは音楽とどう関わっているのか/調子を合わせる/アマチュア合唱団――「音符を歌えばいいんだ」/作曲家は何を意図したの? 解釈ってどういうこと?/誰がオーケストラのコンサートを設計【プログラム】しているの? /どうして人気のある指揮者と人気のない指揮者がいるの?/指揮のレヴェル/新しい作品と任務――違ったことを試みる

第12章 コンサート攻略法

まずは準備/そんなに難しいことなら、どうして行くの?/当日は正しい方法で/おすすめ情報をどこで入手するか/価格/プロムス――しんどいけれど、満足できる/望ましい席とは/音響/好き嫌いせず、新しいものを味わう/どんな格好をすればいいの?/どんな感想を言えばいいの?/リラックスして楽しもう……いびきをかくならお静かに

コーダ

付録・音楽の「出発点」


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