人生いろいろ:誰も変わりたくない!?

† 外国人から見ると日本は奇異に見えるらしい。それは日本人でも同じことなのだ。社会の変革を求める国民は大多数だと思いたいのだが、それが身辺に及ぶと途端に二の足を踏んでしまう。自分自身が享受している利益を捨ててまで、誰かのためになるようにしたいとはできないのも人間の心理だろう。

‡ 徳川時代の統治法が身に染みてしまった日本人は、相変わらずオカミ意識とムラ意識の呪縛にある。時代の変化が乏しく鎖国でも国が成り立つ時代は良かったのだろうが、技術革新に加えて外交・貿易という未知数の問題に機動的に対応するには組織力がない。3.11でも変わらないなら、戦争による国家的なガラポンしかないかという溜め息も分かる。オカミとムラに頼らないことを自覚できるまで続くのだろう。


NYタイムズ支局長「日本は3.11より大きな危機の必要あり」
2013年2月22日 NEWSポストセブン ※週刊ポスト2013年3月1日号

 経済ではアベノミクス、外交では強気の対中姿勢で高い支持率を維持している安倍政権は、果たして世界にはどのように映っているのか。日本研究の第一人者であるK.V.ウォルフレン氏と、ニューヨーク・タイムズ東京支局長のM.ファクラー氏が初対談。「世界から見た安倍政権」の実態を語り合った。

ファクラー:自民党がもし、旧態依然のままなら、いつの選挙かわかりませんが、新たな政権に取って代わられることでしょう。国民は官僚システムを打破し、国民の中にある閉塞感を打ち破るものを望んでいる。

ウォルフレン:この前の選挙結果における投票数を見れば、自民党は第一党を占める議席数を獲得したが、実際の得票数は2009年選挙よりも少ない。これはつまり、2009年に民主党に投票した人々は、この前の選挙では自宅にいて投票しなかったということ。

 彼らは裏切られたと感じ、マニフェストで約束したことを履行しなかったと憤りを感じたんです。もちろん、自民党の圧勝を演出した新聞が、そうした事実を指摘することはなかった。反民主党の新聞にとっては願ってもないことですからね。

 それでも、自民党に入れたくもないし、投票したくもなかったため自宅にいた人が大勢存在するのは間違いありません。もし安倍政権が、日本の進むべき方向性について国民が納得できる形で示すことができなければ、この先、予測しがたいタイプの新たな政治家、政治ループが登場していくことになるでしょう。

ファクラー:維新の会がそれを担うのかもしれないし、そうでないかもしれない。ただ私は、日本は今後、この国の制度・システムに対する本当の危機が起こり、それに対処する形で変革せざるを得なくなるだろうと考えています。外的要因としては領土問題などを抱える中国、内部要因としては日本の財政危機でしょうか。

 その意味では、3.11の東日本大震災、福島原発事故でさえ日本にとって真の危機にはならなかったわけです。なぜなら、あれほどの災害でも東京電力はまだそこにあり、旧態依然とした“原子力ムラ”の体制、やり方に戻っていってしまっているのですから。

 官僚は原子力関係への天下りを温存し、学者は原子力業界からの研究資金を得続けて、メディアは原子力を推進する企業の広告をいまだに数多く扱っている。これでは変わりようがありません。日本のシステムを変革するには、ある意味で3.11より大きな危機に直面する必要があるのかもしれません。

ウォルフレン:官僚を中心とした権力構造が改革を妨げる。まさに私が指摘してきた「人間を幸福にしない日本というシステム」ですね。安倍氏も「戦後レジームからの脱却」を唱えながら、全くその思考から逃れられていません。

■カレル・ヴァン・ウォルフレン
 ジャーナリスト、アムステルダム大学名誉教授。1941年オランダ生まれ。1972年にオランダ『NRCハンデルスブラット』紙の東アジア特派員として来日以来、日本研究を続けている。近著に『いまだ人間を幸福にしない日本というシステム』(角川ソフィア文庫)など。
■マーティン・ファクラー
 ニューヨーク・タイムズ東京支局長。1966年米国生まれ。ブルームバーグ東京支局、AP通信社各支局を経てニューヨーク・タイムズ日本支局記者になり、2009年より現職。昨年、『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』(双葉新書)がベストセラーになった。


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