<大波小波> 石原慎太郎の二面性

<大波小波> 石原慎太郎の二面性 
2012/11/5 中日新聞 夕刊

 「大眼目は官僚の硬直した日本支配を壊すこと」。都政を捨て国政に転身する理由として、石原慎太郎はこう大見得(おおみえ)を切った。

 彼の特徴は、大きなお題目の陰に小さな個人的事情が隠れていることだ。今回の都知事辞任は、長男・伸晃を首相にするという悲願ゆえに新党旗揚げを思いとどまっていたが、伸晃が自民党総裁選で惨敗したためその歯止めがなくなったからだ、という内幕話を『週刊文春』(十一月八日号)が報じている。

 同様の二面性は芥川賞選考委員だったときの言動にも見受けられた。その間の事情を、大森望と豊崎由美の『文学賞メッタ斬り!ファイナル』(PARCO出版)が鮮やかに説明している。石原は多くの場合、現代日本の衰弱が文学に反映しているという視点をもち、それによって芥川賞候補になった新人の作品を酷評してきた。だが、それは自分が「太陽の季節」で文学界新人賞と芥川賞を受賞したとき、当時の大家から受けた酷評の強迫反復だというのが大森・豊崎の解釈である。

 現代日本への憂国の慨嘆の根が、老大家たちから受けたトラウマとそれへの怨嗟(えんさ)にあるとしたら、それはそれでひどく人間的にも思われるのだが。 (狂った果実)



・石原氏については、いろいろな人物評がある。強権的な発言に否定的な人たちも多い反面、有言実行できる政治家だとし支持する人もいる。

彼に近しい人の発言から分かることは、石原氏は小説家であり問題提起することは上手い。そして子煩悩であり自分自身を重視するから、大きく国民が幸せにという意識は少ない。

上記の記事にも書かれているが、息子を幹事長にすることを森元首相に懇願したらしいが結果として選挙に敗れると、一転して出馬しないとしていた再選された東京都知事を途中で放棄。

彼の政策では、ディーゼル規制や銀行税、東京マラソンなどが評価されている。ただ都政に興味を抱いたのは初期のみ。その政策も、当時は優秀だった東京都の官僚が立案したものにすぎず、石原の考えたことではないのは当然のこと。

そして批判の根底にあるのは、厳しすぎる弱者叩きである。彼は弱いものいは手厳しく対処する。相手が反論できないからこそ言いたい放題なのだ。だから社会的な弱者からは嫌悪の対象ですらある。弱者は恩恵ともいうべき社会的な保護制度がいろいろとあり、それを好まない人たちがいることを上手く利用して支持を集めているだけのことだ。

独裁ができる都政の場合は唯一活躍できる場所となったが、国政では彼の考える極端な意見はほんの一部に過ぎない。また平気で変節することも同僚大物議員の証言から分かる。

政治家に求められいることは、私心を押えて国民の利益を最優先させる資質、ものごとを調整しまとめるリーダーシップ、高潔な人格だろう。それなくして威勢のいい放言を垂れても誰の心も動かさないだろう。


<大波小波> 石原慎太郎はどこへ行くのか
2012/11/10 中日新聞 夕刊

 命あるうちに最後のご奉公と思って…と、いささか古風な旗印を掲げ、石原慎太郎が都知事辞職と国政復帰を宣言した。彼はこの先、どこへ行き、何をするつもりなのか。

 今から五十六年前、「太陽の季節」を引っ提げての登場は、文学作品がひろく社会の関心を呼び、風俗にまで影響を及ぼした点で、まさに衝撃的と言ってよかった。のちに国会議員となり、都知事になってからも、彼の発言や施策は社会に刺激を与え続けた。

 その「まず世界が自分のまわりを廻(まわ)っている、と確信している漠然たる心的傾向」を“無意識過剰”と好意的に評したのは、かつての文壇の僚友、江藤淳だったが、同じように感じた人は周辺に多かったのだろう。育ちのよさを示す人柄も魅力の一つに数えられるかも知れない。

 今後の石原は新党を結成して活動を続けるという。政治から手を引く気は全くなさそうだが、その場合、彼の文学はどういう位置づけになるのか。政治の場における挫折も含めた長年の経験を詳しく吟味して、一篇の長篇小説に書き上げることが、八十歳になった彼にとって最もふさわしい仕事だとは言えないか。もはや無意識過剰の馬力だけで乗り切って行ける時節ではあるまい。 (残照)



「太陽の党」旗揚げ=石原氏ら記者会見へ
2012年11月13日 時事通信

 石原慎太郎前東京都知事とたちあがれ日本の平沼赳夫代表らは13日、都内のホテルで記者会見し、代表者を石原氏とする新党「太陽の党」の旗揚げを発表する。

 会見に先立ち、新党の母体のたちあがれが、政党の名称を太陽の党に変更すると総務省に届け出た。たちあがれを解党せず、衣替えする形にしたのは、12月分のたちあがれの政党交付金(約4300万円)を受け取れるようにするため。



追記  3日で反古に・・・

太陽の党:解党、維新と合流へ 「減税」とは白紙
2012年11月16日 毎日新聞

 日本維新の会と太陽の党は16日、近く合流することで合意した。維新の橋下徹代表(大阪市長)が同日、太陽の石原慎太郎共同代表らと国会近くのホテルで会談して一致すべき政策課題を提示、太陽が受け入れることを決めた。太陽が解党して維新に合流、党名は日本維新の会のまま変えない。第三極の連携は、太陽が加わる維新とみんなの党を軸に進むことになる。

 橋下氏は会談で、維新が衆院選公約に盛り込む▽脱原発▽環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加▽消費税の地方税化−−の3点を含む政策課題と、維新とみんなとの政策合意の内容を提示。太陽にとって本来は隔たりの大きな主張が含まれるが、会談後に党本部で協議した党幹部は受け入れることを決定、石原氏が橋下氏に伝えた。

 また橋下氏は会談で、石原氏が新代表に就任することを提案したが、石原氏は2人が共同代表となる案を示し、結論は出なかった。

 橋下氏は会談後、大阪市内で記者団に「基本的なところで(政策を譲った点)はない。野合と言われることはないと思う」と述べた。太陽の園田博之前衆院議員は国会内で記者団に「(政策面は)話してみれば真逆ではなかった。候補者の調整も一気にやりたい」と語った。維新は17日に最高議決機関である全体会議を大阪市内で開催、石原氏も出席して合流を正式に決め、合同で記者会見する。

 また、太陽は16日の幹部会合で、減税日本との合流を先送りする方針を決めた。石原氏は減税の河村たかし代表(名古屋市長)とともに「4党合流」を求めてきたが、太陽幹部は「減税とは事実上白紙だ」と発言。維新の松井一郎幹事長(大阪府知事)も「(減税とは)政策が違う」と否定した。

 一方、みんなの党との連携について松井氏は、合流を求めず選挙協力を模索する考えを示した。【藤田剛、福岡静哉】



追加

維新・石原代表「核ないと発言力ない」
2012年11月21日 朝日新聞

 日本維新の会の石原慎太郎代表は20日、日本外国特派員協会で講演し、「いまの世界の中で核を持っていない国は外交的に圧倒的に弱い。核を持っていないと発言力は圧倒的にない」と持論を展開した。

 石原氏は「ロシアには領土を奪われ、(ロシアは)核を持っている。中国は、シナは核を持って日本の領土を奪おうとしている。その日本は一種の平和ぼけだ」と解説。「尖閣の問題にしても、自分で血を流して守る気概がなければ(米国は)助けてくれない」と主張した。

 そのうえで、「核兵器に関するシミュレーションぐらいやったらいいと思う。これは一つの抑止力になる。持つ持たないは先の話だけど」とも述べた。



石原慎太郎代表:「核シミュレーション、抑止力になる」
2012年11月20日 毎日新聞

 日本維新の会の石原慎太郎代表は20日、東京都内の日本外国特派員協会で講演し「日本は核兵器に関するシミュレーションぐらいやったらいい。これも一つの抑止力になる。持つ、持たないは先の話だ」と述べ、核兵器保有について研究すべきだとの考えを示した。「個人の見解」と断ったうえでの発言だが、次期衆院選に向けて論議を呼ぶのは必至だ。

 石原氏は、この講演に先立ち、「核を持っていないと発言権が圧倒的にない。北朝鮮は核開発しているから、米国もハラハラする」と指摘。核兵器の有無が外交力を左右するとの認識を示した。

 また、これまで中国を「シナ」と言ってきた理由を「孫文が作ったもので、悪い言葉ではない。日本人にとって中国とは広島県と岡山県だ」と語った。そのうえで日中関係について「仲良く、友好に進むのは好ましいが、シナの覇権主義で日本が第二のチベットになることは絶対に好まない」と、けん制した。【坂口裕彦】



「原発ゼロ目指さない」 維新・石原代表、インタビューで
2012/11/26 中日新聞

 日本維新の会の石原慎太郎代表は26日、本紙などのインタビューで、現時点で「原発ゼロ」を目指す考えがないことを明らかにした。

 橋下徹代表代行(大阪市長)が「原発ゼロに向けてやる」と主張していることについて石原氏は「個人的な発言だと理解している」と、党方針ではないとの考えを示した。

 原発を含むエネルギー政策については「どういう産業をどうやって盛り上げていくか考えなければ(原発を)何パーセント残す、残さないという議論にならない。綿密な経済のシミュレーションをやった上で(火力や水力との)エネルギーの配分を決めていくのが妥当だ」と述べた。

 衆院選の対応については「自民、公明両党に過半数を取らさないように、強力な『第二極』をつくらないといけない」と、自公の過半数獲得阻止を目指す考えを強調。その上で「強力なキャスチングボートを持ちたい。肝心なことを決めるのに過半数が要るなら協力する」と、自民党と連携する可能性に言及した。

 みんなの党との小選挙区の候補者調整が難航していることについては「(みんなの渡辺喜美代表は)視野狭窄(きょうさく)と自己過信がある」と批判した。

 石原氏は、河村たかし名古屋市長の合流が実現しなかったことについて「大阪側に拒否反応があった。減税という名前も良くない。(名古屋市で)市民税の減税に成功したから他の自治体で通用するわけではない」と指摘した。



<維新>橋下氏「自民との連立与党ない」 石原代表と温度差
2012年12月5日 毎日新聞

 日本維新の会の橋下徹代表代行(大阪市長)は5日、BSフジの報道番組で衆院選後の連立与党入りに関し、「連立には入らず、有権者が求めることを実現するためにいろんな党と組む」と話し、政策ごとに他党と部分的に連携する方針を示した。石原慎太郎代表は自民との連立について「できると思う」と積極姿勢を示しており、選挙後の枠組みを巡っても幹部間の温度差が浮き彫りになった。

 橋下氏は「自民の支持母体は業界団体。民主は公務員の労働組合。支持母体で党の態度は決まる」と両党を批判。一方で「既得権を壊しながら公務員改革をやっていく。そういう方向性の政策に関しては、自民党であろうが民主党であろうが手を組む」と話し、連携に含みを残した。

 松井一郎幹事長(大阪府知事)も同日、大阪市内で記者会見し、連立与党入りを「ない」と否定。自民党の看板公約の「国土強靱(きょうじん)化」を「古いばらまきだ」と批判した。【藤田剛、平野光芳】


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