「イエスに妻」初の文献か 4世紀のパピルス、米教授が解読

「イエスに妻」初の文献か 4世紀のパピルス、米教授が解読
2012年9月19日 中日新聞夕刊

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は十八日、イエス・キリストが自身の「妻」について言及したと記されている文献が見つかったと報じた。四世紀に書かれたとみられ、キリストに妻がいた可能性を示す初の文献という。カトリック教会は、キリストは独身だったとの立場を堅持しており大きな論争を呼びそうだ。

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 文献を解読したハーバード大の歴史学者カレン・キング教授は、妻がいたことの証明にはならないと強調する一方、発見には「わくわくする」と話している。匿名の文献所有者が昨年、教授に解読を依頼。教授はパピルスの専門家らの意見も聞き、偽造ではなく本物と判断した。発見は十八日にローマで開かれた国際学会で発表された。

 世界的なベストセラー小説で映画にもなった「ダ・ヴィンチ・コード」で、売春婦だったとされる「マグダラのマリア」との間にイエスが子どもをもうけたとするストーリーが展開され、ローマ法王庁(バチカン)側が猛反発したが、ニューヨーク・タイムズ紙は「マグダラのマリアがイエスの妻だったか、イエスに女性の弟子がいたかなどをめぐる論争が再燃する可能性がある」との見方を示した。【ニューヨーク=共同】



・NHKのニュースでも報道されていた。

 縦4センチ、横8センチの名刺大のパピルスに、黒いインクで「イエスは彼らに言った。『私の妻は…』」「彼女は私の弟子になることができるだろう」などと古代エジプト語(コプト語)で書かれていた。(日経新聞)とも共同通信は伝えている。

記事にあるように、この資料だけでは何も断定できずに、単に4世紀ごろのパピルスに書かれていたものがあったというだけのもの。

イエス・キリストについては、磔刑されたという聖書の記事だけでなく、さまざまな逸話・民間伝承がある。妻子があったとか、中には日本に渡った!?という奇抜な話も多い。

少なくとも世界のキリスト教徒にとっては大きな話題になるのは間違いないが、日本人にはピンと来ないかもしれない。

キリストにしても聖者にしても、その生涯は華々しく脚色されていると考えるのが普通の見方だろう。


“キリストに妻”古文書発見
2012年9月20日 NHK

イエス・キリストに妻がいた可能性をうかがわせる古文書が初めて見つかったとアメリカの研究者が学会で発表し、欧米のメディアが大きく伝えるなど関心が高まっています。

発表したのは、アメリカのハーバード大学大学院のカレン・キング教授で、18日、イタリアで開かれた学会で詳しく説明しました。それによりますと、この古文書は、縦4センチ横8センチほどの「パピルス」と呼ばれる、草の茎の繊維で作った一種の紙でエジプトの収集家が保管していました。

エジプトでかつて使われていた言語で「イエスは彼らに言った。私の妻は」と記されており、書かれたのはキリストが亡くなってから数百年あとの、4世紀とみられるということです。

キング教授は、キリストに妻がいた可能性をうかがわせる古文書だとしながらも、「キリストが結婚していたかどうかは、この古文書だけでは定かではない」とも話しています。

キリストの妻の存在は多くのキリスト教徒の間で否定されていて、2006年に公開された映画「ダ・ヴィンチ・コード」で、テーマの1つとして描かれた際には、多くの反発が出て世界的な論争を巻き起こしました。今回の発表について、欧米のメディアは「論争が再燃する可能性がある」と大きく伝えるなど、関心が高まっています。



キリストに妻? 言及の古文書を発見
2012年9月20日 ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト

 2000年前に生きたイエス・キリストは、結婚していたのだろうか。これまで何世紀にもわたって取りざたされながら、有力な証拠を欠いていたこの問題が、新たに注目を集めている。きっかけは、キリストの妻に言及した古いパピルス紙の断片の存在が明らかになったことだ。

 このパピルス紙片は、ハーバード大学の歴史学者カレン・キング(Karen King)氏が、その内容を明らかにした研究成果を発表したことで世界的ニュースとなった。名刺よりも小さなその紙片には、数行の手書きの文書が、キリスト教のシンボルを使用するコプト語で綴られていた。文書の最後の行には、イエスの発言の引用という形でこう書かれている。「そしてイエスは言った。私の妻は……」。

 文章は途中で切れており、パピルス紙片はより大きな文書の一部と考えられる。記述が途切れているため、その後にどんなことが書かれていたのか、そして、“妻”とは誰だったのかは謎だ。

 イエス・キリストに近しい伴侶がいたことをにおわせる文書はこれまでにも存在したが、キリストの没後数世紀以内に書かれた文書で、妻の存在を直接言及したものはこれまで見つかっていなかった。

◆紙片の暫定評価は“本物”

 このパピルス紙片の書かれた年代や真贋については依然調査中だ。しかし、初期キリスト教の歴史や文書に詳しい一部専門家による暫定評価は、これが本物であることを示している。現時点では、キリストの死後2~4世紀に書かれたものと推定される。

「2世紀に書かれたのがもし事実なら、キリストの結婚歴に関する主張は、キリストの死後1世紀以上経って、セクシュアリティや結婚、弟子の問題をめぐるキリスト教徒間の論争の中で、初めて出てきたことを示す直接的な証拠となる」。キング氏は、プリンストン大学の宗教学教授アンマリー・ライアンダイク(AnneMarie Luijendijk)氏と共同執筆した論文草稿の中で、このように述べている。

 ノースカロライナ大学チャペルヒル校の宗教学者で著述家のバート・アーマン(Bart Ehrman)氏は次のように話す。「もしこれが言われているとおりのものなら、史上初の発見だ。この種のものは確かにこれまで見つかっていなかった」。

 ただし、キリストの妻に言及した文書が見つかったからといって、それがキリストに妻がいた証拠にはならないとアーマン氏は指摘する。「この文書が示しているのは、2世紀にキリストの支持者が存在し、その人物がキリストには妻がいたと考えていた可能性があるということだ」。今回の発見は、キリストの生涯を説く主要福音書の執筆と改訂が進められていた時代の初期キリスト教の発達に光を当てるものとなるだろう。

◆紙片の発見は「大きな進歩」

 オタワ大学でコプト語とパピルス学を研究するイッツェ・ダイクストラ(Jitse Dijkstra)氏は、このパピルス紙片の発見を「大きな進歩」と評価する。

 パピルス紙片を発見したハーバード大学のキング氏が「New York Times」紙の取材に対して語ったところによると、この紙片は個人収集家から貸し出されたものであり、理由は不明だが、何らかの事情でこれまで数十年間その存在を伏せられていたのだという。

 このパピルス紙片の前にキリスト教研究者の心をとらえた重要文書といえば、「ユダの福音書」だ。この研究プロジェクトの詳細はナショナル ジオグラフィック誌で特集されている。

 ナショナル ジオグラフィック協会の支援で修復と保存作業が行われたこの長大な文書は、キリストの使徒イスカリオテのユダが、長らく研究者や宗教的指導者たちに考えられていたような裏切り者ではなく、裏切りとされる行為は、ユダがキリストの指示を受けてとったものだった可能性を示している。

 今回のキング氏によるパピルス紙片の研究成果は、ローマで開催中の国際コプト学会議において9月18日に発表された。  Daniel Stone for National Geographic News


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