JNNルポルタージュ「バッヂとペンと~日隈一雄の闘い~」

JNNルポルタージュ「バッヂとペンと~日隈一雄の闘い~」
2012年8月12日深夜 CBC

日隅一雄。弁護士。元新聞記者。そして末期がん患者。

 福島原発事故発生後、日隅一雄は東京電力の記者会見に連日出席して、事故を過小評価しようとする東電や政府の幹部らを質してきた。弁護士と記者、両方の経験を持つ日隅の質問は鋭く、汚染水の海上放出、低線量被爆問題など、市民生活に直結する問題について、厳しく情報開示を迫った。

 そんな日隅が腹部に異常を覚えたのは震災から2ヶ月経った2011年5月末のこと。医師による診断の結果、胆嚢にできた悪性腫瘍が大腸に転移したいわゆる末期ガンの状態で、余命半年であることを告げられた。 運命を悟った日隅は決意する。東電記者会見を通して見えてきた、この国の有り様を世に問い、社会に問題提起してゆこうと。弁護士と記者、両方の経験を持つ自分にだからこそ出来る「ニッポンの総括」をしようと。

 余命告知後も日隅は、体調の許す限り東電記者会見に出席し続けた。精力的に講演活動などもこなした。そして余命宣告の半年を過ぎた頃に『検証・福島原発事故 記者会見』『主権者は誰か』といった著書を次々に発表してゆく。番組は、そんな日隅一雄に密着した記録である。 日隅は6月12日容体が急変し緊急入院。同日午後8時28分、息を引き取った。法律家として、そしてジャーナリストとして、生き抜いた末の死であった。

取材:秋山浩之(TBS報道局)



・TBS『報道の魂』2012年6月17日放送 25分構成

ドキュメンタリーの放送枠は最悪で深夜帯に落ち着いてきている。その情報を知る日刊紙のテレビ欄にも題名すら書かれていないものも多く、ほとんどは偶然に他の媒体から見つけることが多い。

この番組も、他の番組を調べていて偶然に発見した。この方のことは知っていたが、亡くなったことと精力的な原発取材をしていたことを記事で見ていた。

人間はどのように生きるのだろうか。死期を悟った人間はどう行動するのだろうか。それに何かが表れている。半年の余命のなかで、取材と本の出版、闘病をするということ。

余命半年と宣言されたが、1年は延命した。享年49歳。

彼は逝ってしまった。総じて原発問題について、明らかに誰もが意識下になってしまい日常の生活に追われる毎日を送っている。

取材した方は、何度か接触をしているが密着というほどでもない。彼には家族があったのだろうか、それは映像にはなかった。

大手マスコミが政府・東電記者会見において追及しなかったことを補完したのは、フリー記者や雑誌メディアだった。彼らが指摘した問題を認めて公表したのは半年~一年後だった。

英雄視することはないのだが、報道のために寿命を減らしたことは間違いないだろう。



日隅一雄氏:東電・政府は何を隠そうとしたのか Part1


日隅一雄氏:東電・政府は何を隠そうとしたのか Part2


検証 福島原発事故・記者会見―東電・政府は何を隠したのか
日隅 一雄 , 木野 龍逸

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単行本(ソフトカバー): 224ページ
出版社: 岩波書店 (2012/1/21)

「主権者」は誰か―原発事故から考える (岩波ブックレット)
日隅 一雄

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単行本(ソフトカバー): 54ページ
出版社: 岩波書店 (2012/4/13)




日隅一雄・情報流通促進基金  http://hizumikikin.net/


第1回「日隅一雄・情報流通促進賞」の受賞者

大賞(副賞30万円)
情報公開クリアリングハウス (代表 三木由希子)

奨励賞(副賞10万円)
CRMS(市民放射能測定所) (代表 丸森あや)
福島原発告訴団 (代表 武藤類子)

特別賞
東京新聞「こちら特報部」(代表 野呂法夫)


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