ナビゲーション “余命”を決められますか~「胃ろう」に揺れる看取りの現場~

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“余命”を決められますか~「胃ろう」に揺れる看取り(みとり)の現場~
2012年6月1日 NHK名古屋放送局(中部7県向け)

胃に穴を開け、直接栄養を送る「胃ろう」。認知症などで意思を交わせない患者に、この「胃ろう」を行わず、看取る動きが始まっている。命を選択する看取りの現場に迫る。

自力で食事ができなくなった患者の胃に穴を開け、チューブで直接栄養を送り込む「胃ろう」のあり方に、疑問が投げかけられています。3月、日本老年医学会が、意思の疎通ができない患者には家族が望めばこの「胃ろう」を行わず、看取る(みとる)ことも検討すべきだとの見解を示したのです。胃ろうをしなければ、患者の多くは数カ月で栄養失調のため亡くなります。葛藤の末、その選択に踏み切った病院も現われました。命の選択に向き合う現場に迫ります。

キャスター:長野亮
ゲスト:小川滋彦(小川医院 院長)

制作:NHK富山



南砺市民病院  http://shiminhp.city.nanto.toyama.jp/www/index.jsp

②社会医療法人社団 三思会 東名厚木病院 摂食嚥下療法部
  http://www.tomei.or.jp/hospital/seshokuenge/

番組で紹介された病院として、①においては胃ろうを中断することも選択肢として実践しているとして紹介された。3段階わたる総合的判断を通して、延命治療をしても回復の見込みがない場合には胃ろうを中断することも行っているという。

ただ追跡調査によって回復の見込みなしと判断した患者が、胃ろうをしなくても経口摂取で生存しているということも分かり、さらに判断の精度を上げる取り組みをしているという。

②の病院では、経口摂取のためのチームを作って専門職が判断し看護師等が、それだけに集中できる体制を作ることで、入院までは口から食べられなかった患者の9割が食べられるように改善し退院するという実績を上げているという。

番組構成としては、胃ろうを止めた事例と止めない事例をあげて、その家族の思いを伝えた。そして、胃ろうを止める前提となる経口摂取の重要性を指摘し、胃ろうをすることは口から食べるか食べないかの選択では本来ないことを改めて指摘した。

胃ろうは中断すれば患者の死に直結するだけに、本人・家族の意思が尊重されなければならいのは言うまでもない。ただ悪戯に延命することに意義があるのかという疑問も多く感じられている。その判断に明確な答えはない。

ゲストの話にもあったが、胃ろうという技術は本来、経口摂取の補助的な意味合いがあり一つの選択肢となりうる。問題は、胃ろうという処置により面倒な経口摂取をしないという医療側の思惑もある。これからは本来の経口摂取の実現をはかりながら胃ろうのみということを変えていくこともあるのだろう。

この番組とは違うが、同様のリハビリの試みは行われており、経口摂取することで得られる様々な刺激が人間にとって大切であることを評価しなければならない。安易に胃ろうに頼り、本来持っている機能を弱体化させることに批判はされるべきだろう。


小川 滋彦
1984年、岐阜大学医学部卒。金沢大学医学部第二内科に入局し、石川県済生会金沢病院消化器内科医長を経て1996年より小川医院(金沢市)の院長に。NPO法人PEGドクターズネットワーク理事として、在宅医療とPEG推進に取り組んでいる。著書に「PEGを味方にすれば町医者は病院に負けない!」(NPO法人 PEGドクターズネットワーク)など。
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