売買される「宗教法人」ネットオークションで1億円の例も

売買される「宗教法人」ネットオークションで1億円の例も
2012年5月5日 NESポストセブン ※週刊ポスト2012年5月4・11日号

 日本には約18万の宗教法人があるが、そのうち約4000団体が「休眠宗教法人」である。 宗教法人には「税制優遇」があるため、脱税や節税を目論む業者が休眠状態の宗教法人格を手に入れるためにあの手この手を駆使し、売買を仲立ちする「宗教ブローカー」まで存在する。

 最近ではネット上に「税金対策」と銘打って買い手を募るサイトも登場した。2009年にはある宗教法人がネットオークションに出品した宗教団体に1億円の値がつき、当局が調査に乗り出す事件も起きた。こうした状況に宗教法人を監督する文化庁はお手上げ状態だという。

「対策としては休眠法人の合併や解散を促すことですが、政治の宗教介入という問題が絡むために、強制力のない『助言』しかできません。また、休眠状態かどうかを調査する費用も乏しいので整理が進んでいないのが現状です」(宗務課)

 宗教問題にくわしい紀藤正樹・弁護士はこう指摘する。
「休眠状態になった団体を自動解散にするか、売買そのものを違法とするような法整備が必要です。近年、檀家離れや後継者難で休眠状態になる宗教法人が増えているので、一刻も早い対策が必要です」



・休眠宗教法人問題。日本の宗教法人は約18万、そのうち約4000団体が「休眠宗教法人」である。その売買をめぐって闇の世界が動き回るという現況だ。

宗教活動と強弁して、経済活動を行う団体は山ほどある。何でも宗教ということで免罪符なのは、戦前の厳しい統制の反動である。手の出せない状況だ。

その一方で、消費税増税とあいまって消えては現れるのが宗教法人課税の問題。

週刊ポストはGW特集号で、現代日本の新宗教の経済問題を特集している。刺激的な内容だが、宗教票と絡めて、宗教団体の持っている巨額な収益・資産課税を持って、政権奪取の切り札にもなりかねない。

海外であれば宗教色を前面に出して政党を組織しても何ら問題ないだろう。政治と宗教は分離できるものではないからだ。日本では政治に宗教が介入しないという建て前を維持しているだけに、厄介にことだ。

以上、活動していなくても解散させられない宗教法人。収益を貯めこんでいても課税されない宗教法人。この問題の病根は同じところから発し手をつけられない状態が続く。それを使ってゲームを楽しむ人たちの狩場なのだ。


<参考>

宗教法人課税強化議論 小沢氏失脚で立ち消え公明党命拾いか
2012年4月26日 NEWSポストセブン ※週刊ポスト2012年5月4・11日号

 消費税増税を巡って激論が巻き起こっているさなか、朝日新聞に掲載された記事が波紋を呼んでいる。「耕論 宗教法人なぜ非課税」(2012年4月3日付朝刊)と題されたオピニオン記事だ。「政府は増税にやっきと思いきや、宗教法人に課税する話は最近耳にしない。やっぱり、聖域なの?」と提起し、3人の識者の意見を載せている。課税に慎重な立場をとる識者もひとり含まれているが、残り2人は課税推進派だ。「課税すべし」の論調が色濃い。

 消費税増税の旗振り役だった朝日新聞が、これまで黙殺していた宗教法人課税問題を突然持ち出したのはなぜなのか。

 ある公明党関係者は「記事の背景に財務省のカゲが見え隠れする」と話す。民主党増税派と自民党増税派の談合で消費税法案を成立させようとしている財務省にとって、ネックとなるのが公明党だ。

 同党は自公政権時代には「消費税率引き上げはやむを得ない」という立場だった。しかし、支持母体の創価学会では野田政権の増税路線に批判が強く、税と社会保障の一体改革法案には慎重な姿勢を取っている。

 前出の公明党関係者も「野党なのに民主党の増税に加担して批判を浴びるなど冗談じゃない。増税法案を廃案にして、野田首相を解散・総選挙に追い込む方が選挙も有利になり、最も望ましい展開」と増税反対を明言している。

 それでは財務省は困る。自民党の増税推進派議員が語る。
「公明党を賛成に転じさせなければ自民党も法案に乗りにくい。そこで財務省は学会のアキレス腱である宗教法人課税問題を大新聞に提起させ、“国民の批判に火をつけるぞ”と公明党を揺さぶりに出た。朝日の記事はほんのジャブだ」

 国民は消費税増税に怒っている。そこに大新聞が「宗教法人は税制優遇を受けてぬくぬくしている」と煽れば、怒りの矛先が宗教法人に向かうのは明らかだ。

 もっとも、今回の記事は、財務省が背後にいようといまいと公明党・創価学会には打撃が大きい。事実、宗教法人は税制面で手厚く保護されており、しかも、もともと「宗教法人に課税すれば、消費税を上げなくてもいい」と主張していたのは、宿敵の小沢一郎・元民主党代表だからである。

 小沢幹事長時代の鳩山政権下、2009年10月の政府税制調査会で、増子輝彦・経済産業副大臣(当時)と峰崎直樹・財務副大臣(当時)は「宗教法人に対する課税の在り方を見直すべき」と問題提起した。民主党内には「宗教と民主主義研究会」(池田元久・会長)も発足し、宗教法人課税強化に向けた議論が進められた。しかし、一連の裁判によって小沢氏が失脚したため、その動きは立ち消えとなった。

 公明党は命拾いしたわけだが、いまだもっとも恐れるタブーであることに変わりないのである。


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