芸能人、スポーツ選手が宗教の標的になるのは金づると広告塔

芸能人、スポーツ選手が宗教の標的になるのは金づると広告塔
2012年4月9日 NEWSポストセブン ※SAPIO2012年4月25日号

「マインドコントロール」と言えば、なぜか芸能人・スポーツ選手といった有名人の話が多い。オセロ中島知子のみならず、古くは山崎浩子からX JAPANのToshIまで「脱退・脱会・脱洗脳」騒動が世間の耳目を集めてきた。彼らがマインドコントロールされやすい事情とは何なのか。問題のある宗教団体、悪徳商法などによる被害者救済に取り組む紀藤正樹弁護士が解説する。
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 前提として根本的なことを言えば、問題のある団体あるいは個人と出会い、マインドコントロールされ、被害に遭うのは交通事故のようなものだ。つまり、偶然性に支配されており、何かの職業に特有の人間的な資質があって、それが必然的に被害に遭いやすい要因になっている、というわけではない。実際、芸能人やスポーツ選手がマインドコントロールにかかる割合が高いことを示す客観的な統計があるわけでもない。

 しかし、条件が揃えば、誰でもそうした被害に遭う可能性があり、芸能界やスポーツ界にはその条件がいくつか揃っているということは言える。

 まず、マインドコントロールする側からすれば、芸能人やスポーツ選手は利用価値が高い。普通の人より収入が多く、多額のお金を注ぎ込んでくれることが期待できるし、組織の内外に対する広告塔としての働きも期待できるからだ。一般的には、組織が小さければ「カネづる」として、組織が大きくなれば「広告塔」としての役割を彼らに求める。

 1998年から12年間にわたり、自己啓発セミナー「ホームオブハート」に取り込まれたX JAPANのボーカル、ToshIさんの場合はその両方だった。音楽活動で稼いだ10億円以上の金銭を注ぎ込み、最後は3億円近い負債を抱えて自己破産したが、長年コンサートなどの場で「ホームオブハート」の宣伝をしてきた(ちなみに、私は「ホームオブハート」の被害者救済を手掛けている)。

 このように、利用価値が高いという点では、芸能人やスポーツ選手は狙われやすい。
 勧誘ルートにも特徴がある。

 一般的に言って、最初の勧誘ルートには、主に「自宅などへの訪問」「街頭での声掛け」「関連グッズの通販」「すでに信者となっている家族・友人からの誘い」という4つがある。4つ目は家族・友人の英語の頭文字を取って「FF」と呼ばれる。この中で芸能人やスポーツ選手に圧倒的に多いのは「FFルート」で、「街頭での声掛け」はまずあり得ない。

 例えば、1992年にソウルで行なわれた統一教会の合同結婚式に参加した桜田淳子さん、山崎浩子さんの場合、それぞれ姉、友人から誘われたことがきっかけだった。

同時期に統一教会の原理にはまった飯星景子さんの場合は、仕事で付き合いのあったスタイリストから勧誘された。ToshIさんは、自分より先に「ホームオブハート」に入っていたと思われる当時の妻に勧誘された。中島知子さんも知り合いの行政書士に占い師を紹介された、と報道されている。

 通常宗教ないし宗教的なものからの勧誘に対しては警戒心が生まれるが、「FFルート」の場合、勧誘者に対する信頼があるので、最初のハードルは低くなる。しかも、芸能人、スポーツ選手の場合、有名人であるがゆえに、一般の人に比べて交友関係が広い。この点でも、被害に遭いやすい条件がひとつ整うことになる。



・紀藤正樹弁護士は、悪徳商法やカルト問題に精通する方でありマスコミなどにも登場する機会が多い。

記事にあるように、交通事故のようなものとも思えといえるくらい、危険が溢れているということだ。特に芸能人やスポーツ選手は、資金源や広告塔としての役割も期待されており厚遇されることは考えられる。浮き沈みの激しい業界関係者には、神仏や超自然的な能力に期待したいという心理が強いことは当然だろう。

残念ながら、こうした犠牲になる人たちは他人を容易に信じやすく頼ってしまう性格の持ち主が多い。

宗教などによらずとも、思想や経済行為には人を虜にする魔力があり容易に染まってしまうことが多い。何かの原理・原則で世の中が動いているとか、大きな力が存在するとかを理解していると称する人たちに惑わされつつ生きるのが人間の社会である。
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