相棒 Season6 第16話 「悪女の証明」

相棒 Season6 第16話 「悪女の証明」
2008年2月20日 テレビ朝日

 外務省の外交費不正流用が明るみになる中、外務省職員の草葉(奥田達士)がビルの非常階段から転落死した。草葉は15時に現場ビルで何者かと待ち合わせをしていたらしい。さらに不正流用問題で矢面に立たされている山浦事務次官(堀内正美)の子飼いの部下であることがわかった。
 右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は山浦から話を聞くが、山浦は外交費の不正流用などない、と強く言い切る。その言葉は、衆議院議員の雛子(木村佳乃)への非難ともとれるのだが…。

 もともと雛子と山浦は激しく対立していたが、今回の不正流用問題を追及していたのは雛子ではなく、雛子とは同じ超党派の政策集団に所属する野党議員だったはず。なぜ山浦は雛子を非難するようなことを言ったのだろうか?
 事件当日、現場近くのホテルで雛子らが集会を開いていたことが判明した。集会会場から現場まで15分もあれば往復できる。とはいえ、事件当時、雛子は講演の真っ最中だった。
 右京らは雛子に事情を聞きに行くが、雛子は自らのアリバイを主張。事件とは無関係とやんわりと突き放す。

 草場が外交費流用問題の内部告発者である可能性が出てきた。とすれば、雛子が草場から情報を入手、野党議員に流し追及させていたとも考えられる。右京は雛子の事件当日の講演テープを聴き、講演がテープであることを確認。雛子のアリバイを崩す。
 しかし、転落現場を改めて検証した右京と薫は、ホテルの13階にある雛子の控室から現場が丸見えであることをつかむ。右京は自らの推理に誤りがあることに気付き…。

 雛子の指紋が現場から発見された金属片に残された部分指紋と一致した。勢いづく伊丹(川原和久)ら捜査一課だったが、どうやら角田課長(山西惇)から右京らの推理を聞き捜査していたらしい。
 特命係あてに謎の差出人から山浦と記者の倫恵(山口香緒里)がデートする写真が送られてきた。どうやら2人は親密な関係だったらしい。さらに事件当日、倫恵が雛子にペンを貸している写真も。
 右京はビデオから事件発生直前まで山浦が現場ビルにいたことを確認。さらに薫を通じて美和子(鈴木砂羽)から倫恵が雛子の講演が始まるやいなや、席を立っていたことを確認する。

 倫恵から取材を受けている雛子を訪ねた右京と薫は、事件当日雛子が控室で草場から情報を受け取る予定だったことを指摘。その草場が自分に情報提供者になるよう近づいた倫恵が、隣のビルで山浦と一緒にいるところを目撃。倫恵が二重スパイであると悟ったのだと推理を披露する。動揺した草場は倫恵に詰め寄るが、もみ合ううちに草場が転落して…、というのが事件の真相だった。雛子の指紋が残っていた金属片も倫恵のペンのクリップ部分であることが判明。倫恵もすべてを認める。

 しかし、報道は山浦と草場、倫恵との三角関係が動機、とだけ伝えた。雛子は草場から情報提供の依頼があったが会えなかった、と巧みに事件から逃れる。実は右京らが事件を解決するヒントとなった写真も、雛子が政治記者の鹿手袋に撮らせたものだった。
 それとなくそんな雛子のやり方を察知した右京は、雛子に諭すような言葉を投げ掛ける。
「片山雛子という人間は身の回りで事件が起きるたびに、それを逆手に取り、まるで糧にするかのように大きくなっていく人間だということです」。
 雛子は右京の言葉に「ほめ言葉と受け取る」と答えると、怜悧な視線で見返すのだった。

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脚本:戸田山雅司 監督:和泉聖治
ゲスト:木村佳乃、山口香緒里、堀内正美、奥田達士



・相棒シリーズも10シーズンを終了した。まだ続投のようでテレ朝の看板番組の一つだけに、水谷の意向を尊重する方向で続くことになる。一説には兄貴たる萩原健一をゲスト出演させたいという報道もあったが、どうなることか。

このシリーズにゲスト出演する俳優でも、個性的な役柄の人たちが注目されるのだが、女優・木村佳乃の役柄たる衆議院議員・片山雛子役は怪しげな雰囲気が漂い注目のキャラクター設定である。窮地を逆手にして逞しくなっていき、大局を見極めることにたけており、右京も一目置く存在に設定されている。

女優は怪しげな魅力を持った人であると良いと感じる。美貌だけならば誰でもできようが、人間的な悪知恵も含んだ知性を持つ逞しい女性。そうした女性が陰で歴史を動かしてきたのではないだろうか。

そして事務次官役の俳優に注目した。存在感があり調べたところ堀内正美であった。彼を知ったのは、テレビシリーズ『白い巨塔』(1978年) - 第1内科・谷山医局員役であり、熱血医師として不正に加担することを良しとできない役柄を演じていた。もうこの時代には俳優人生も軌道にのっていたようである。

その当時の面影はなく、最初は分からなかったのだが、声の発生が同じであった。調べてみると主役級の仕事はないにしても映画やテレビドラマにも顔を出している。随分と老けたかんじだ。怪優のようで、岸田森のような役柄を演じられる俳優となってしまったようだ。この役柄は外務事務次官ということで定年間際のポストで、知性と威厳と狡猾さが要求されるものだった。

話の筋は、相棒にありがちでスケールが大きすぎてどうにもならない、政治ネタ、官僚ネタの部類になり現実味がまったくない。一介の捜査員が政界の大物や官僚と簡単にコンタクトできるはずもなく、飛躍しすぎる筋であり引っかかる部分が多い。

この回のストーリーは、高層ホテルから別の高層ホテルの非常階段を目撃するということが鍵になるのだが、望遠カメラで見ても人物がはっきりと分かる距離でもなく、設定自体が無理がありロケ地探しができなかったろうと推測される。

事務次官が自ら、裏切った部下の盗聴をするために、隣のビルの高い非常階段部分から指向性アンテナを向けている姿は滑稽としかいいようがない。あの高い非常回階段に簡単に立ち入れるはずもなく、そこで事務次官と女性記者が抱き合うなんてシーンもあり失笑もの。そんな手の込んだことをしなくても盗聴は簡単にできるはずだが、部下の転落死というストーリーに合わせるための設定となっている。

右京というキャラクターは巨悪に立ち向かうというよりも、ちまちました難事件を解決していた方が面白い。ただ右京というキャラクターと対峙できるモリアティ教授のような存在を作り出せれば、さらに面白い展開となっていくと思うのだが無理なようである。


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・木村佳乃

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堀内 正美 Official WebSite -Face-  http://www.horiuchimasami.com/

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白い巨塔 1978 食道での喧嘩シーン

・堀内正美 出演シーン例①


白い巨塔 (1978年 田宮二郎版) がんセンター着任~十津川村ガン検診

・堀内正美 出演シーン例② 9:55~

*それにしても、昭和の名優たちが揃い踏みした本作品は、最高のクオリティと逸話多きえに永く記憶されるだろう。
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