追跡!真相ファイル「都会の”孤立死” SOSが届かない」

追跡!真相ファイル「都会の”孤立死” SOSが届かない」
2012年3月20日 NHK

周囲に気付かれずに亡くなる“孤立死”が、いま全国で相次いで発覚している。ガスが止まった部屋で死亡した札幌の40代姉妹のケースから、社会の矛盾や壁を明らかにする。

周囲に気付かれずに亡くなる“孤立死”が、いま全国で相次いで発覚している。札幌では、ガスを止められた部屋で40代の姉妹が死亡。姉は病死。知的障害のある妹は、凍死だった。取材の過程で、姉は最後まで妹との生活を必死に守ろうとしていたことが判明。ぎりぎりの困窮生活の中、姉が生きる望みを託していた意外なものが明らかに…。なぜ姉妹は“孤立死”しななければならなかったのか、法制度の壁や社会の矛盾を追跡する。

キャスター:鎌田靖
追跡チーム:松枝一靖 清水阿喜子 長岡太郎 都築孝明
ディレクター:山口敦司 齋藤佑香
語り:斉藤由貴

1月下旬、札幌市のマンションで、40代の姉と知的障害のある妹が死亡しているのが見つかった。家賃を滞納しガスも止められた部屋の中で、姉は病死。妹は携帯電話で助けを求めようとした形跡はあるものの、結局誰にも届かず、凍死した。地域から孤立した一家が亡くなるケースは、さいたまや東京・立川など、その後も全国各地で相次いで発覚している。

NHKの取材班は、姉の手書きの履歴書や、区役所に生活保護を相談した際の面接記録などを入手。そこからは、生活の窮状を訴えたものの「申請の意志がなかった」として生活保護を受けられず、求職活動を続ける中で次第に追いつめられていった姉の姿が浮き彫りになってくる。

なぜ誰も姉妹のSOSに気付かず、手を差し伸べなかったのか?姉妹が住んでいた地域や行政への取材を進めると、本来個人を守るためのものであるはずの「個人情報の保護」によって、誰も姉妹の様子がわからず、命を守ることができなかったという皮肉な現実が浮かび上がってきた。

さらに取材を進めると、これまで明らかになっていなかった亡くなる直前の半年間の姉の行動がわかってきた。ぎりぎりの困窮生活の中で、姉が最後に生きる望みを託した意外なものとは…。なぜ、姉妹は“孤立死”しなければならなかったのか、追跡する。



・この事件については、できるだけの情報を見てきている。NHKの報道が、特に幾度も報じられてきた。今までの映像素材をどのように編集するのかが気になっていた。

全国放送で新たに追加されていたのは、障がい福祉課長へのインタビュー、追加取材と思われる堀田力氏へのインタビュー、東京都中野区地域支えあい推進課の見守りに関する新条例と町内会による見回り等。

加えて姉がファンであったという楽天イーグル野球選手ブログへの投稿を紹介し、彼女が野球ファンであったという一面を紹介した。

今までのNHK報道と同じスタンス、問題提起であり①生活保護制度の問題②個人情報保護制度の問題③縦割り行政の弊害などがあげられた。

個人情報保護制度の問題点は、これ以外にも多い。結局、いのちを助けることになる情報までも制限されて必要な情報が必要な部署に共有されていないということだ。

私見であるが、この事件で指摘された問題点が他の孤立死と関連するかは分からない。地域と交わらない世帯は都市部では多いだろうし、個人情報保護が浸透している現在では、誰もが深い付き合いを躊躇する事態となっている。

今後とも介護・医療の地域化が求められる時代にならざるを得ないのであり、どのように運用を緩和していくのかが課題となるだろう。厚生労働省では、ライフラインのインフラ業者と行政への連携を促しているのだが遅々として進んでいないのが現状となっている。

今回、気づいたことだが区役所で作成された面接相談個票だが、役所側から提供があったと思っていたらNHKが情報公開により取り寄せたものだということらしい。誰でも、この方法をとれば一部黒塗りがあるのだが他人の面接相談個票が取得できるものだろうか?

さて、今回も妹のことについての取材ができていなかった。なぜなら姉が病死したあとに彼女が助けを求めることができなかった理由が明確ではないからだ。知的障がいと報道されているが、一時は通所施設で働いていた時期もあるというのでコミュニケーションができない女性ではなかったろう。

家計簿をつけていることで、姉がしっかりものだということは言えないのだが、姉妹が中高生の時期に両親を亡くして二人暮らしをしていたことの影響があることは容易に想像できる。また、この姉妹の場合には血縁が薄いことが決定的に意思決定に影響を与えたことだろうと思う。

それに妹と障がい者支援団体との接点もないことが気になっていた。姉妹が、自分たちだけで生活しなくてはいけないと判断した動機・背景を知ることができれば悲劇は回避されたかもしれない。

もう一つは家計簿からでは、どのような生活をしていたのを推測できない。金額は分かっても、何を食べどのように暮らしていたのか、娯楽はあったのか・・・さまざま疑問が起きてくる。姉が日記や買い物レシートなどを保管していないようなので生活実態が分からない。

加えて、福祉研究者や障がい者支援団体にも詳しい方が多いので取材しても良かった。マスコミは一方では僅かな生活保護不正受給者の問題を大々的に取り上げ、厚生労働省の進める政策に協力しているのだが、このような事件があると、なぜ救えなっかたと主張する。

手厚い政策をすれば、不正の温床ともなりうるわけで、そのバランスの問題ということになる。この姉妹の場合は、自分たちの力だけでなんとかしようという意識が強くて、他人に頼ることを選ばなかった。姉には持病と思われるような症状もあり、医療を受けていたのかが気になる。厳しい環境下でなければ姉の持病の悪化はなかったろうし、妹の凍死もなかったろう。備えることも十分にできた案件であるだけに、この悲劇を汲んでできることを関係者が取り組むことを期待したい。
関連記事
スポンサーサイト

コメント


トラックバック

↑