地球ドラマチック「奇跡の生還に導く声~“守護天使”の正体は?~」

地球ドラマチック「奇跡の生還に導く声~“守護天使”の正体は?~」
2011年11月27日 Eテレ

 奇跡の生還を果たした人たちの多くに、共通した体験があった。不思議な声に導かれたというのだ。声の正体はいったい何なのか。脳科学者のユニークな研究を交えて伝える。

 2001年9月11日に米国ニューヨークのワールドトレードセンター南棟84階で働いていた男性、ダイビングの途中で命綱を見失った女性、宇宙飛行士、登山家。まったく異なる危険から生還した人々が聞いた「導く声」とは? 極限状態に置かれた人間の脳の働きについての研究を紹介。人間の秘められた力か、脳の錯覚か。こうした体験に遭遇した人たちのインタビューと、ユニークな研究の取り組みを伝える。

 アメリカ同時多発テロが発生した時、ワールドトレードセンターの上層階で勤務していたある男性は、避難する途中、非常階段で炎に包まれました。海中の洞窟(どうくつ)で潜水調査を行っていたあるダイバーは、水深30メートルの深さで命綱を見失いました。このように生命の危機に遭遇(そうぐう)しながら奇跡的な生還を果たし、九死に一生を得た人たちの体験談に耳を傾けると、その多くが不思議な体験をしていたことが明らかになってきました。

 まさに絶体絶命と思われた瞬間、彼らは何者かの声を聞き、その声に導かれて生き延びることができたというのです。体験談を語る人の中には、亡くなった肉親が自分を導いてくれたと話す人もいれば、“守護天使”(Guardian Angel ガーディアン・エンジェル)のおかげだという人、そしてパニック状態で幻覚を見たと考える人もいます。

 極限状態に置かれた人が遭遇する不思議な現象と、それを科学的に説明したいと試みる脳科学者たちの挑戦に迫ります。

原題:SCIENCE OF ANGELS
制作:アメリカ(2010年)

【語り】渡辺徹



・非常に興味深い現象であり、サードマン(第3の人)現象と呼ばれるそうだ。サードマンとは第三者という意味だろうが、例えば、幽体離脱などの現象とも関連付けられるのではないかと思う。

そうした現象を現代の脳科学で解明する試みが進んでいる一方で、従来の守護天使や守護霊といった感じ方、また神を見たということとも関連される。

こうした議論は、日本でも臨死体験時の幽体離脱と称して、NHKをはじめとして一大ブームとなったことは記憶に新しいところだ。その際に明らかになったことは、臨死体験には文化差があるということと、同じような経過をたどることも紹介された。

結局のところ、脳を理解するのが脳であるということが最大のネックであり極めて難しいとされる。この番組は米国制作ということで、やはりキリスト教に関連する天使などを感じる人たちが多いことが分かる。2008年米国調査によれば守護天使の存在を信じているアメリカ人は46%にのぼる。

番組の骨格となっている本の邦訳は出版されている。過去に残された記録を含めて、緊急事態や極限状態に陥ったときに何らかのことが起るとされる。例えば、同時テロで助かった男性は、別の声を聞いて励まされて行動し助かったということだ。

また、番組では神経科学者や医師などの証言から、科学で解明することも可能という証言を得ているが、実証実験はイマイチのようだ。つまり個体差が大きく、脳のある部分をどの程度刺激すれば、そのような状況が起きるのかは明確ではないということだ。

非常に面白いことは、科学的な思考を持っている科学者や宇宙飛行士のような方でも、こうした体験をした場合に科学的に解明するよりは、神や天使、肉親や伴侶などと結びつけることは厭わないということだろう。その方が納得がいくということなのだ。ここが人間的である。

すべて人間の脳に由来するものなのか、それでも人間には未だ関知できない領域があって人間にメッセージを伝えているのかは分からない。しかし臨死体験で明らかになったように死に際しては誰もが朗らかに前向きになれるようだ。

このサードマン現象と臨死体験を合わせて考えてみても、神秘的な現象をどのように意味づけて生きていくのかがカギとなろう。極限状況や臨死状況にあっては、人間は何か新しい知見を得ることは間違いないように思える。


奇跡の生還へ導く人―極限状況の「サードマン現象」
ジョン ガイガー (著), John Grigsby Geiger
伊豆原 弓 (翻訳)

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単行本: 255ページ
出版社: 新潮社 (2010/09)


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