スイス住民投票で安楽死の維持決定、「自殺ツーリズム」も継続へ

スイス住民投票で安楽死の維持決定、「自殺ツーリズム」も継続へ
2011年5月16日 ロイター

 スイスのチューリヒで15日、安楽死の禁止および安楽死を求める外国人の受け入れ禁止の是非を問う住民投票が行われ、大多数が現状維持を選択し、両発議ともに否決された。

 安楽死の禁止に賛成票を投じたのはわずか15.5%。外国人の安楽死受け入れを禁止すべきとした人も約22%にとどまった。

 スイスでは1941年、医師以外で利害関係のない人の手による自殺ほう助を認めており、チューリヒでは毎年200人近くが自らの意思で命を絶っている。世界で最も進歩的とされるスイスの安楽死制度を利用するため、外国人の末期患者がスイスを訪れる「自殺ツーリズム」が多く行われている。

 ただ、自殺ツーリズム参加者の増加や、末期患者以外で安楽死を求める人の数が増えていることが判明したことを受け、安楽死の是非を問う白熱した議論が行われていた。

 スイス政府はこれまで、自殺ほう助について、適用対象を末期患者のみに限定し、かつ自殺ツーリズムを制限することを目指し、法律の改正を検討していることを明らかにしている。



・医療ツーリズムは、日本でも今後の産業振興として期待されており、日本の先進的な医療を海外の富裕層に享受させようという動きは各地で始まっている。

記事には、スイスの安楽死法について書かれてあり、久しぶりに安楽死という言葉を聞くことになった。末期患者以外のものが同法を受け自ら命を絶つためにスイスに訪れているという。

チューリヒでは、200人近くということでスイス全体では、どのくらいの人数になるのだろうか。


【参考】 《ウィキペディア》 フリー百科事典

積極的安楽死を認めている国
 スイス- 1942年
 アメリカ(オレゴン州) - 1994年「尊厳死法 (Death with Dignity Act)」成立
 オランダ- 2001年「安楽死法」可決。
 ベルギー- 2002年「安楽死法」可決。
 ルクセンブルク- 2008年「安楽死法」可決。
 アメリカ(ワシントン州) - 2009年



ブログ:安楽死の功罪~安楽死は平和への近道 巻き添え死,列車遅延,放火殺人,老々介護,認々介護,殺人の防止を考える


【参考記事】

スイスの安楽死ツーリスト問題
2007年10月13日 ウィーン発 『コンフィデンシャル』

 アルプスの小国スイスで現在、安楽死(尊厳死)援助問題が議論を呼んでいる。同国のメデイア機関が実施した世論調査結果によると、国民の54%は治療不可能な患者に対しては安楽死援助を容認。「安楽死援助を禁止すべきだ」という国民は27%だった。ただし、安楽死を求めて外国からくる通称「安楽死ツーリスト」に対しては大多数の国民は批判的だ。
 同国には医療による回復が期待できない患者の希望を受け入れて、安楽死を援助する組織「Dignitas」(チューリヒ市)が存在するが、それについても賛否両論がある。同組織関係者によると、昨年1年間で195人の患者たちが組織の支援を受けて安楽死を遂げたという。195人のうち、120人はドイツ人、26人が英国人、15人がフランス人の患者だった。彼らは安楽死を求めてチューリッヒ入りした「安楽死ツーリスト」の一員だったわけだ。
 それに対し、同国の主要宗派カトリック教会は2002年、「安楽死は容認できない」との書簡を既に公表している。書簡では「人間の生命は神聖であり、死の床は人間の尊厳に関る瞬間である」と説明している。同国の刑法(1942年)によると、「利己的な動機に基づかない場合、安楽死の援助は処罰されないことになっている」という。ただし、積極的な安楽死をも認めるオランダのような安楽死法は施行していない。
 チューリヒ市当局はDignitas(尊厳)の要求を退け、安楽死を実施する特定の場所の設置を拒否したばかりだ。同市当局は「個人の自宅で安楽死の援助を実施すれば、刑法で処罰される」と警告を発しているが、同組織関係者は個人の住居で安楽死の援助を実施するケースが少なくないという。
 安楽死やその援助問題はスイスだけではない。バチカン法王庁のお膝元、イタリアでも作家のピエルジョルジオ・ウェルビー氏(60)の尊厳死を契機に、議論が湧き上がったばかりだ。安楽死反対派は延命装置の電源を切った医者を「殺人者」と呼び、カトリック教会側は同氏の葬式を拒否するなど、安楽死とその援助問題でさまざまな賛美両論が戦わされた。
 ちなみに、安楽死は、注射などで実施する「積極的な安楽死」と、延命措置の停止などで死に到らせる「消極的な安楽死」に分けられている。前者の安楽死を公認している国はまだ少ないが、後者の安楽死を認める国は増えてきている。ただし、両者とも患者の立場を最大限に考慮しながら、慎重な対応が必要となる、という点では変らないだろう。


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